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話しことばの通い路  ニッポニアニッポン七味日記
妬みそねみひがみ、恨みつらみに負け惜しみ、悩み半分、ふみ読み半分日記

 七味日記2003年7月下旬
 

七味日記総目次 

2003/6 上旬  2003/6 中旬   2003/6 下旬 

2003/7 上旬  2003/07 中旬  2003/7 下旬

2003/8 上旬  2003/8 中旬 2003/8 下旬  

クリオ七味日記2003年7月下旬目次

2003/07/21 トキの本棚 『磁力と重力の発見』
2003/07/22 ジャパニーズアンドロメダシアター 『少女の髪留め』
2003/07/23 ジャパニーズアンドロメダシアター 『ホテルハイビスカス』
2003/07/24 日常茶飯事典 ボリショイサーカス
2003/07/25 日常茶飯事典 ポストフェミニズム講演会
2003/07/26 日常茶飯事典 ケータイ機種変変奏曲
2003/07/27 日常茶飯事典 水泳大会
2003/07/28 ジャパニーズアンドロメダシアター 『銀河鉄道の夜』
2003/07/29 ニッポニア教師日記 ブレイクタイムのラジオ体操
2003/07/30 日常茶飯事典 着ぐるみダンス
2003/07/31 トキの本棚 2003年前期1月〜7月読了本

七味日記2003年7月下旬

2003/07/21日 月 曇り 
トキの本棚>『磁力と重力の発見』

 日曜日の朝日読書欄に山形浩生の書評で『磁力と重力の発見』、著者名を見て「おお、あの山本義隆か」と思う。
 書評を読むと、「本書の著者名を聞いて、書評委員会は一瞬どよめき、自分の知らない時代のできごとが、三十年たっても、深い刻印を残していることにぼくは改めて驚いた。」と山形は書いている。やっぱり、どよめくでしょ。自分の知ってる時代のできごとだもの。

 山形は予備校で山本義隆に物理を教わったのだという。「全共闘騒動の最大の損失は、山本義隆が研究者の道を外れ、後進の指導にもあたれなかったことだ、という人さえいた」と、山形は書く。「でも、プラスの刻印もあった。その事件のおかげで、ぼくをはじめ無数の受験生が予備校でこの人に物理を教われたのだもの。かれが教えてくれたのはただの受験テクニックじゃなかった。物理は一つの世界観で、各種の数式はその世界での因果律の表現だと言うことを、かれは(たかが受験勉強で!)みっちりたたき込んでくれたのだった。」

 こういう文章を読むと、それだけで泣きたくなる。弱い。この山本へのオマージュを読んで、救われた気持ちになってしまうほどの弱虫世代。

 山本らを踏みつけて、80年代90年代をのしてきた元全共闘、元ノンポリ、元心情三派。バブルに踊りつつ、食うためにあるいは「欲っするままにむさぼり食うため」30年生きてきた一団は、「あの時代を引きずっている馬鹿な奴ら」をせせら笑いながら天下り先でもさがすのだろう。

 私は70年には「医療労連組合員」であり、75年には「日教組」だった。
 「出世コース」を突っ走る人を斜めに見てひがみ、全共闘の後、学問の世界から方向を変えていった多くの研究者候補たちが、「ただ時代のためでなく」地に伏した姿を横目で見て、うしろめたく思うのみだった。
 30年前も何もせず、今も何もしていないうしろめたさを背負っている。私は何もできず、何もしてこなかった人間だけれど、でも「自分の生きていく社会を変えたかったし、今でも変えたいと思っている」その思いだけは持続している。たぶん、これって若い世代からは「レトロ」「アナクロ」と、ひとくくりにされてしまう感情なんだろう。

 何年か時代がずれていれば、山本は東大に残り、物理学の研究者として研究生活をまっとうしたのかもしれない。今頃は東大か、どこかで教授になっていたのかもしれない。だが、それがどうした。彼が生きた「予備校講師」の30年で、いくつかの著書を残し、彼の講義を「世界観の醸成」と受け止める予備校生を大学へ進ませ、彼は彼なりに物理学を「彼の生き方」として提示したのが、この著書三部作なのだろう。(読んでもいないのに、予想だけでの感想)

 私は山本義隆の予備校講師人生を断固支持する!「企業に頼らない自立人になる」と言って、田舎町の駅前で焼鳥屋をやりながら、飲むほどに「俺たちの若いころはなぁ」とクダをまくおやじを支持する。あまりもうからないように思える医院で、ぶっこわれかけた医療機器をなだめすかしながら診療する九州田舎町の医者を支持する。

 私は、万国の労働者にもバンコックのストリートチルドレンにも連帯せずに、7月中あと残り8コマの授業をヒーコラとこなすのだ。立て!なえたるモノよ。いまぞ夏休み近し!

本日のつらみ:私に「おまえはプチブル思想をひきずっている、自己批判せよ」と言った者たちよ、私は今でもプロレタリア


2003/07/22 火 曇り 
ジャパニーズアンドロメダシアター>『少女の髪留め』

 イズミさん、今日で辞任。今週中に台湾高雄へ出発。単身赴任で2年間。出稼ぎといっても、イランに出稼ぎにいくアフガン人とは大違い。

 『少女の髪留め』は、テヘランの建設現場で働くイラン人青年ラティフとアフガン難民ナジャフ一家の物語。けがをした父親のかわりに少年ラートマと偽って働く難民少女バラン。バランが女の子とわかって思いを寄せるラティフ。
 なによりバランがとてもかわいい。少年のふりをしていたときは眉も濃くして「かわいい男の子」の風貌だが、ブルカを着た少女の姿になったときは眉も作り、初々しい少女の清純なかわいらしさ。  バランは「雨」の意味だという。バラン役のザーラ・バーラミは、本当にアフガン難民村の出身。ほかのアフガン難民たちの役も、素人のアフガン人が出演している。難民のバランたちがIDカードもなく、ひどい労働条件でイランで出稼ぎしている間にも、アフガニスタンの親戚は、戦場となった町で死んでゆく。

 バランが女の子だとわかってから、ラティフはできる限りのことをしてバラン一家を助けようとする。最後は自分の命の次に大事な身分証明書を売り、金を作ってやる。その金で、一家はアフガニスタンに帰国することになる。IDを失ったラティフの将来は暗いだろう。でも、生涯最初の恋のために、これだけのことができたラティフは幸せ者だ。少なくともちょっとアルバイトをしてはあぶく銭を遊びにつぎ込む日本の若者に比べれば、なんと心豊かに生きていることだろうか。

 この映画が『一票のラブレター』より私にとって心にしみるのは、やはり、ラティフが成長するからなのだ。ラティフは、けんかっ早くて、仕事はできるだけ楽をしようとする17歳。父親から現場主任のメマルに預けられ、給料もメマルによって管理されている。ラートマに炊事係の仕事をとられると、いやがらせを繰り返したラティフが、ラートマが実は女の子だったことを知ると、恋しい女の子に身を犠牲にしてまで献身する男に変貌する。この純粋さ、一途さは幼いゆえとも言えるだろうが、人間のもっとも美しい心を成長させたとも言える。

 この映画を見た日本の若者がアフガン難民の状況を理解できるようになるのだろうか。日本から、ハワイは近いがイランやアフガンは遠い。私は東京と同じような緯度にあるテヘランが冬になるとあんなに雪がふるとは思わなかった。ヒメは「テヘランはイラン高原にあるんだから、海辺の東京とは条件が違うでしょ。赤道直下でもキリマンジャロには雪がふる」と、まともなことを言う。さすが地理学科。

 世界中、ほとんどの国の学生を教えたことがある私でも、アフガニスタンからの学生は、まだひとりも出会っていない。西アジアの国では、アフガン周囲のパキスタン、イラン、アゼルバイジャン、アラビア半島の石油成金国では、サウジアラビア、クェート、アラブ首長国、バーレーン、オマーン。ヨーロッパに近い方では、トルコ、ヨルダン、シリア、レバノン、イスラエル、パレスチナからの学生を教えた。しかし、アフガニスタンとイラクはない。私にとって、一番縁のうすい国。アフガニスタンが直接爆撃されている間は世界のニュースも報道したが、今はアフガニスタンの情報はほとんどない。バーミヤン遺跡を世界遺産にしようというニュースくらい。それでも、人々はアフガンで、そして難民として他国で生きていかなければならない。

 イラクのフセイン大統領一家は、未だに行方不明だが、莫大な海外資産を形成してあるので、どこで地下潜伏生活を送るのでも、最大級の贅沢三昧ができるのだという。そのほんの一部でもいいからお金があれば、イラクやイランやアフガンに学校を建てたい。

 バランがラティフに別れのことばも告げられずにアフガンへ帰るシーン。かぶっていたベールをさっと下ろして顔を隠す。これは、私の解釈では、「はじめてラティフを男と意識した少女の心の芽生えの表現」
 男のかっこうをして働いている間、顔を晒して平気でラティフの前に出ていた。別れの際に初めてバランはラティフを男として意識したのだ。だから、イスラムの掟に従って、顔を隠した。少女は去ってしまったけれど、ラティフは無視されたわけじゃない。「私にとって、あなたは男として意識される存在よ」とベールの中から見つめているのだ。ラストシーンの雨は、冬のテヘランに春をもたらす雨なのだ。

本日のかみ:少女の髪に春の雨

 
2003/07/23 水 雨 
ジャパニーズアンドロメダシアター>『ホテルハイビスカス』

 午後、雨の中サントリー美術館に『古代中国の文字と至宝』展を見に行った。前回この展示をみようと思ってやってきたら、まだ始まっていなかった。6月10日から始まると明記してあるのに、私は5月10日にサントリーへ行ったのだ。これは1ヶ月まちがえた私が悪い。しかるに、6月10日から7月27日までと書いてある招待券を無駄にすまいと再びサントリー美術館にきてみれば、この展覧会は「無期延期」となっていた。
 係員は「来年に延期になりました」と言って、代わりのサントリー美術館招待券をくれた。確認しないで出かけた方も悪いと思うが、招待券に会期が書いてあるので、まさか延期になったとは思わなかった。
 中国との準備折衝折り合いがつかなかったのか、サーズの影響か?よくわからないが、とにかく現在展示中の「ロートレックとポスター展」は、あまり興味が無かったので、見ないことにした。

 雨の中でてきたのにこのまま「無駄足」だけで帰るのも気分が悪い。遅いお昼ご飯を食べてから『ホテルハイビスカス』をみることに決めた。
 単館上映の映画館にたどり着くと、冒頭20分すぎていた。が、「いいや、こういう話は冒頭の伏線がないと後半の意味が分らないというもんではあるまい」と、気にせず第2話の「フェンス」から見た。

 「いったいこの雑音は何の音」という程度に小さく聞こえた機関銃掃射音がだんだんハッキリしてきて、ジェット機離発着轟音になる。フェンスの中は基地だ。

 主人公「中曽根美恵子」のキャラがとてもよく、ホテルハイビスカスの住人その他の登場人物がひとりひとり際だっている。基地の掃射音ジェット機音がなければ、ほんとうにのどかでのびのびした、底抜けに明るい沖縄の一家の心温まる話なのだ。
 余貴美子のかあちゃんは「太陽(ティダヌ)母さん」とタイトルがつけられている。黒人のジョージとの間に生まれたハーフ(ネスミス演じるケンにいにい)と、白人のビルとの間に生まれたサチコねえねえ、山羊をつれて散歩に出るおばあ。いつもはビリヤード屋で寝ているけど、具志堅さんのパイナップル畑では力を発揮するおとうもいい味。

 でも、「ここは昔から私の土地、基地なんかじゃない」と語っていた基地の中のまやーくいおばあの家は取り壊されてしまうし、美恵子がお盆に出会う多恵子は、終戦後食べるものがなくて死んでしまった叔母(おとうの妹)だったし、沖縄が「そこぬけに明るい」だけの土地ではなく、さまざまな悲劇を底に持ち、現在もたくさんの問題を抱えている島なのだということを監督はさりげなく示していると思う。けっして声高に叫ぶのではないが。
 しかし、それより何より、登場人物のキャラがすごいので、それに圧倒されて笑いながら見終わってしまう。原作コミックを読んでから映画を見た人には、原作がはっきり示している「沖縄の諸問題」をもっと前面に出して欲しいという感想を持ったようだ。そのうち原作を読んでみよう。

 冒頭を見ていないので、もう一度みるつもり。ビデオレンタルがはじまったら、ヒメとワカにも見せよう。

本日のひがみ:沖縄大学のスダさん元気か?私も住みたい南の島


2003/07/24 木 曇り 
日常茶飯事典>ボリショイサーカス

 午後、ボリショイサーカスを見に行く。蛍、花火、ボリショイサーカス、豊島園プールというのが、我が家の「夏の定番」である。蛍と花火はただで見られる。ボリショイサーカスは招待券で見られる。豊島園は共済会で安く買えるという理由で、20年間同じメニュー。
 ここ数年「今年はいっしょに花火をみる最後かな」「いっしょにプールで泳ぐ最後の夏かな」と思いながらいっしょに過ごしてきて、ボリショイも何年か前に「これで最後かも」と、しみじみしながら見たのだが、ヒメが二十歳をすぎ、ワカが中学3年になった今年もまた、いっしょに見ることになった。いっしょにでかけるのが好きな母子である。

 ヒメは「教職課程介護体験」を受けるための健康診断があるからと大学へ行く。有明コロシアムの前で合流することになっていたので、自由席のB席招待券をA席指定席にランクアップする。ヒメがおくれてきても座れるように。
 二人が保育園小学校のころは、この「ランクアップの千円、3人分3000円払ったら、帰りの電車賃がない」という状態だったことを思えば、ランクアップして、夕食も食べて帰れる程度に財布の中にお金が残っている現在の状況、貧乏度が「最底辺から少し上」くらいにはなっているのだ。

 サーカスは、前半が犬や猫、熊の演技、目玉は空中ブランコ。後半が虎の演技、目玉がシーソーアクロバット。ブランコやアクロバットにハラハラし、犬や猫、熊の演技はかわいらしく、虎のガォーという吼え声はちょっとおそろしく、おもしろく見ていられた。私はキダムなどの「ミュージカル風サーカス」を見てみたいのだが、ヒメは「ミュージカルとかあんまり好きじゃないから、こういうサーカスだけの構成のほうがいい」という。

 いっしょに夕ご飯を食べるつもりだったが、ヒメは友だちとご飯を食べる約束をしたからと、別れる。ワカと汐留めシオサイトをひとまわりした。広場でオルガンを弾いている。広場に面した店から見えるので「ここで食べよう」と誘ったのに、ワカは「こういう雰囲気は落ち着かないから」という。「あんた、こんなところで雰囲気に押されちゃ、将来宮中晩餐会に招かれたとき、堂々としていられないよ」と渇を入れたのだが、マックや牛丼屋じゃないと雰囲気に負けてしまう中坊クンである。
 まあ、宮中が将来も存在しているとして(共産党も綱領を変えたし)招かれることはないからいいんだけどね。それで、スープストックというスープ専門店でスープだけ「腹の虫おさえ」に注文して、夕食は家に帰ってから残り物ですませた。

本日のひがみ:ボリショイ・アクロバットリーダーがほしいHP。キャノンワープロの読み出ししたい


2003/07/25 金 曇りのち雨 
日常茶飯事典>ポストフェミニズム トークショウ

 ビデオとSFJ3コマを終えて池袋へ。
 西武リブロへ行ったら、7時から小森陽一と竹村和子の対談講演会があるというので、聴講券千円払う。6時45分まで、本をながめたり、椅子に座って雑誌「本とコンピュータ」を読んだ。立ち読みじゃなくて座り読みできる本屋が好き。でも、45分の間に興味があるところはあらかた読んじゃったから、買わなかった。すみませんね、貧乏人で。

 8階コミュニティカレッジへ。客層は、堅そうなおばさんや、いかにも「お茶か駒場でゼミとってます」みたいな院生風か、どっちか。別にいいんだけどね。私だって「鏡開きもとうにすぎてカビが生えたモチのごとく堅そうな食えないおばさん」に見えているだろうから。

 しゃべりは、竹村が話し出すと、小森が横からつっこむという進行。竹村の新編著『「ポスト」フェミニズム』小森の新編著『研究する意味』の宣伝を兼ねたトークショウなのだが、なかなかおもしろかった。
 小森の「日本でもっともたくさん抗日戦争映画を見た少年」として育ったゆえ「抗日軍に取り囲まれ、銃で撃たれて蜂の巣にされる悪夢」を時々見るというトラウマが残った、という話。『小森陽一日本語に出会う』でもロシア語インターナショナルスクールのエピソードが出てくる。米原万里の父親は共産党幹部だったが、小森の父は何者?

 竹村の「『タイタニック』の巧妙なアンチフェミニズム」解釈。労働者階級のデカプリオとブルジョアのお嬢様ローズの恋。ローズが労働者階級に近づいていったようにみせて、その実、タイタニックの日々を回想するローズは、有産階級の自分の地位を少しも失っておらず、結局彼女はなにひとつ失うことなく変わることもなかった。という解釈。「主人公には変わってほしい」という私の趣味には一致する。

 現在の差別構造が「階層格差増大、貧困階層の再生産悪循環」に陥っているということへも言及されていたし、拡大家族、出入り自由の束縛なきゆるい結合家族、の可能性についても話が行ったところで、終わり。

 質問タイムで「昔のリブ闘志」みたいなおばさんが質問したら、小森はさかんに「次はもっと若い人に質問してもらおう」と、お茶駒場院生風が座っているあたりに顔を向ける。「若い人たちどうですか」と水を向けたが、応答なし。次に質問したのは「若くないので、質問しづらいのですが」とツッコミをいれた。「地方自治体男女参画事業推進課で働いています」みたいなおばさんだった。

 若い人たち、どう見回しても「貧困階層の再生産悪循環」の中でのたうち回っているような人はいない。皆、おりこうそうな坊ちゃん嬢ちゃん。
 竹村が指摘したように、上層では男女差別や人種差別はは昔ほど大きな抑圧や差別を生んでいない。優秀な女たち、優秀な有色人種は自分の能力でのし上がり、差別を受け付けない権利を手に入れることができる。問題は、貧困層ではよりいっそう弱い者が差別される構造から抜け出せないことだ。私だって、この講演会に1000円払えるくらい金を持つようになった。世界水準からいえば、貧困層ではないのだろう。

 小森は「最終的には、天皇制の問題にいきつく」と何度か言及して新自著『天皇の玉音放送』の宣伝もばっちり。
 本を買ったらサインするということだったが、図書館で注文することにした。「おばはんより若い人」と、オバハン拒否!?の小森に印税はらわんぞ。

本日のひがみ:若くなくても読むフェミニズム


2003/07/26 土 曇り 
日常茶飯事典>ケータイ機種変変奏曲

 ヒメが「前期、よくがんばったので自分にご褒美」といって「ケータイ買いにいくから、お母さんも機種変更して」という。2台一度に買うと割引率が高いのだそう。あいちゃんが「激安」と紹介したケータイ屋。
 ちゃんとした店舗でなく、仮店舗のようなごちゃごちゃした店。店内は販促用のおまけ菓子が入った段ボール箱などが乱雑に置かれ、契約用のテーブルも備品も、「なにかやばいことがあったら、すぐに店をたたんで夜逃げができそうな」という感じ。路上に商品を並べ、販売は路上でする。その時点でこういう雰囲気の店はなんだか信用が薄いなあ、と感じた。店長は見た目「新宿の裏稼業で稼いで、ちょっと小金ができたのでケータイ屋はじめました」というふうの「堅気ではない」臭ぷんぷんの茶髪。目つきが悪い。

 日頃「安物の服を着ているからって、人間まで安物扱いされたくない」なんて突っ張っているくせに、人様の店を見た目だけで判断してはいけないんじゃないか、と「こんな店で買いたくない」とヒメに忠告したい気持ちを抑える。路上で販売している店員は商品知識なし。それでも、ヒメはいろいろ質問して、納得がいく回答を得たので、契約の書類に書き込みをした。

 しかし、路上の商品説明と、実際の契約が食い違う部分がいろいろあった。路上で受けた説明が、実際の契約時には破棄され、異なる条件がつけられた。いくつかの条件が覆り、最後にヒメは「もういいです、契約しません」とやめにした。ヒメは、路上販売のニーチャンに「販売をするなら、ちゃんと商品知識をもってください」と抗議したが、ニーチャンは「あ、そう」という程度。

 そのあと、今までケイタイを買ってきた店に行き、値段はそれほど変わらないのを確かめる。「激安という言葉につられて、違う店で買おうとして失敗した。最初にいつもの店の値段を見てから、行けばよかった」という。こちらはすいているし、特に派手な新聞のチラシで「激安」を謳っているわけではないが、店員はきちんと教育され応対も丁寧だった。
 このごろ、販売や飲食業の店員の質とサービスについて思うことが多かったので、今回のケータイ販売でも、つくづく接客とはいかにあるべきかを考えた。

 今日は、神楽坂事務所の荷物引き上げ手伝いの日。ワカは、手伝えば3000円もらえると言われて、午後は手伝いに行く。もらえるこずかいをあてにして、先にゲームソフトを買ってしまってある。

本日のつらみ:いつもケータイを携帯していくのを忘れる私


2003/07/27 晴れ 
日常茶飯事典>水泳大会

 中学校水泳夏期区大会。
 ワカは、個人フリー100が8位、リレーが4位。顧問の保健室先生から、「がんばりました」というメールと合宿のときのデジカメ画像が届いた。お礼メール返信。

本日のなみ:プールサイドに波たかし

 
2003/07/28 月 はれ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『銀河鉄道の夜』

 月曜日授業、前期最終日。漢字試験と文集作成。

 夜、ビデオの『銀河鉄道の夜』を見た。ジョバンニ、カンパネルラがネコ。氷山にぶつかった船とともに海に沈んで、天国へいく人たちの顔は人間。どうして全部ネコじゃまずかったのだろうか。
 アニメとしてできは上々と思うけれど、アニメだけ見るという人に原作も読んで欲しい。

本日のやみ:銀河の駅、むこうは闇


2003/07/29 火 曇り 
ニッポニア教師日記>ブレイクタイムのラジオ体操

  火曜日の授業最終日なので「みんな4ヶ月よくがんばりました。みなさん、とてもいい学生でした」と、ほめたら「トキ先生は、とてもいい先生でした」とエルサルバドルのカン。インドのフラは「あなたのクラスが一番たのしかった」と言う。エールの交換。
 何度言っても「先生に対して、あなたを使ってはいけない」ということを忘れるフラも含めて、皆授業が終わってほっと一息。

 あと、最終試験とスピーチ発表が残っているが、このコースの試験は、点がとれなくても、落第するわけでなし。今まであらゆる試験において最優秀者として勝ち抜いてきたであろうエリート留学生にとって、プライドが満足できるかどうかだけ。

 授業が終わってから、朱賀先生と試験の打ち合わせをする。朱賀先生「授業中、フラがトイレに立つと、ゲールもトイレに行ったまま、なかなか帰らなかった。もどってきたとき、あなたたち、授業中にトイレに行くなんて小学生みたいよ、って言ってやった」と言う。う〜ん、最後の最後まで朱賀先生のお小言をちょうだいしながら、がんばった学生にエール。
 私のような小物の教師、「授業中トイレに立つおまえは、小学生並だ」なんて、絶対に言えない。大学・大学院を卒業し、自国では教師、研究者として働いている立場の留学生たち。私は、フラが授業中トイレに立つと、「それじゃ、みんなブレイクタイムにしましょう」と、便乗するほう。

 フラはヘビースモーカーなので「トイレに行って来ます」と席を立つとき、一服してとぎれかかった集中力を復活させているんじゃないかと思う。
 私だって語学授業を90分ぶっ続けで受講したら、途中で集中力がとぎれることがある。大学で韓国語やタイ語の授業を受けたとき、虎ノ門教育会館でアラビア語の授業をうけたとき、近くにトイレがなかったから、教室を出ることはしなかったが、自分なりにブレイクタイムを作っていた。自国では大学講師のフラが、自己管理の上ブレイクタイムを自分なりに作っているなら、それは大人の判断として認めてしまう。

 今日、SFJ復習の時間は、プリントを使って短文穴埋め問題を続けたから、脳みそ沸騰。疲労も大きい。フラが「ブレイク」と言ってトイレにいったので「じゃ、みんなも頭を休めましょう」と便乗ブレイクタイム。
 ブレイクの間、「日本の文化と社会の紹介タイム」と言って、日本各地の夏休みに学校の校庭や公園で「ラジオ体操」が行われることを知らせた。ラジオ体操を少しやって見せて「このストレッチ体操を、日本人1億3000万人のほぼ全員ができます。すべての小学校中学校で、この体操を教えるんです」と、言う。「朝、6時半に公園から音楽が聞こえてきたら、この体操をやっているから、参加するといいよ。健康になります」と、おススメ。

 異文化シャワーをたくさん浴びた方がいい留学生は、盆踊りもラジオ体操も参加することに意義があると思っている。中国では、ヤンガーの踊りの輪に入りたかったが「連」のようなものがあるらしく、グループごとに輪を作るので、参加できなかった。
 ラジオ体操や盆踊りは、だれでも参加できるので、留学生にはいい体験になると思う。ゲ−ルが「無料か」と聞くので「もちろんフリー。だれでも、いつでも、どこでもフリー」と言う。
 さあ、8月は学生も講師も「リリース&フリー」だ!

本日のやすみ:あったらしい朝がくるブレイクタイム


2003/07/30 水 雨のち曇り
日常茶飯事典>着ぐるみダンス

 午前中、Aダンスィング練習。9月の発表会、私の出演曲は、プレスリー特集の「監獄ロック」「テディベア」
 「テディベア」を踊っていると「何も衣装来ていなくても、くまの着ぐるみが踊っているようだわ」と言われる。そりゃ、衣装を用意する手間がはぶけて、結構ですな。
 Aダンスィングサークル、太めトリオのうち二人が抜けて、いまや私がただひとり「パパイヤおやじダンサーズおばはん版」なのだ。
 
 発表会がおわるまで、ビールを飲まないダイエットを決意。

本日のねたみ:私は水を飲んでも太る。


2003/07/31 木 曇り
トキの本棚>2003年前期1月〜7月読了本リスト

2003年上半期読書リスト
 
      ☆☆☆☆☆わたしにとっては最高  ☆☆☆☆貴方も読むべし
      ☆☆☆私にはおもしろかった     ☆☆暇なら読んで損はない
      ☆悪くはないが私の好みじゃない   *読まなくてもよい・時間の無駄

書名 著者 日記感想文
1 茫然とする技術 宮沢章夫 ☆☆☆☆☆
2 秘宝耳 ナンシー関 ☆☆☆
3 なにがなんだか ナンシー関 ☆☆☆
4 ホームページにオフィスを作る 野口悠紀夫 ☆☆
5 牛への道 宮沢章夫 ☆☆☆
6 日本語の21世紀のために 丸谷才一・山崎正和 ☆☆
7 最新宮沢賢治講義 小森陽一 ☆☆☆
8 言霊と他界 川村湊 ☆☆☆
9 リトルバイリトル 島本理生
10 ゲーム脳の恐怖 森昭雄
11 かえり見ずの橋 杉本苑子 ☆☆☆
12 新日本語の現場 橋本五郎 他 ☆☆☆
13 キャラクター小説の書き方 大塚英志 ☆☆ 2330/3上旬
14 発声と身体のレッスン 鴻上尚史 ☆☆☆
15 教えることの復権 大村はま・苅谷剛彦 ☆☆☆ 2003/3下旬
16 霧のむこうのふしぎな町 柏葉幸子 ☆☆☆ 2003/4上旬
17 快楽の本棚 津島祐子 ☆☆☆
18 天皇と王権を考える 表徴と芸能 岩波講座 ☆☆☆
19 20世紀日本の思想 成田龍一・吉見俊哉 ☆☆
20 文学じゃないかもしれない症候群 高橋源一郎 ☆☆☆
21 男たちの脱暴力 中村正夫 ☆☆ 2003/4上旬
22 ディズニーリゾート150の秘密 TDR研究会議 ☆☆ 2003/4中旬
23 癒す知の系譜 島薗進 ☆☆☆
24 信長と天皇 今谷明 ☆☆☆
25 モードの迷宮 鷲田清一 ☆☆☆
26 怪しい日本語研究室 イアン・マーシー ☆☆☆
27 ぼくは勉強ができない 山田詠美 ☆☆☆ 2003/5上旬
28 物語の体操 大塚英志 ☆☆☆ 2003/5上旬
29 読者は踊る 斉藤美奈子 ☆☆☆ 2003/5上旬
30 色の名前で読み解く日本史 中江克巳 ☆☆
31 ことばの課外授業 西江雅之 ☆☆☆☆ 2003/5下旬
32 毎月新聞 佐藤雅彦 ☆☆☆
33 一葉に聞く 井上ひさし ☆☆☆ 2003/5下旬
34 主婦ですみません 青木るえか ☆☆☆☆☆ 2003/5下旬
35 夢にも思わない 宮部みゆき ☆☆☆ 2003/6上旬
36 青の美術史 小林康夫 ☆☆☆
37 記憶スケッチアカデミー ナンシー関 ☆☆☆☆
38 21世紀にどう入っていくか 塩野七生
39 歴史の舞台 文明のさまざま 司馬遼太郎 ☆☆☆
40 日本の色を染める 吉岡幸雄 ☆☆☆
41 日本語は悪魔の言語か? 小池清治 ☆☆☆
42 日本語文法の謎を解く 金谷武洋 ☆☆☆
43 パリ20区の素顔 淺野素女 ☆☆
44 A to Z 山田詠美 ☆☆☆
45 お姫様とジェンダー 若桑みどり ☆☆☆
46 ジョン・レノン対火星人 高橋源一郎 ☆☆☆ 2003/7上旬
47 謎解き少年少女世界の名作 長山靖生 ☆☆☆
48 龍を見た男 藤沢周平 ☆☆☆
50 都市の「私物語」 中野収

七味日記総目次
    2003/1上旬   2003/1中旬   2003/1下旬

    2003/2上旬   2003/2中旬  2003/2下旬

2003/3上旬   2003/3中旬   2003/3下旬

2003/4上旬   2003/4中旬   2003/4下旬 

2003/5上旬   2003/5中旬   2003/5下旬 

2003/6上旬   2003/6中旬   2003/6下旬 

2003/7上旬    2003/7中旬   2003/7下旬 

2003/8上旬   2003/8中旬   2003/8下旬 
 

2003/9上旬   2003/9中旬   2003/9下旬 

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