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第6回 『月刊明星』(1967[昭和42]年4月号) ♪♪♪レコード8社・ベスト10♪♪♪・前編またまた、前回のデータ更新から3週間ものインターバルが開いてしまいました。 皆様には、長い間、お待たせをいたしまして、本当に、申し訳ございません。 今回も、第5回に引き続きまして、『月刊明星』1967(昭和42)年4月号の第1付録だった「歌謡ヤング・コンサート」から、「レコード8社ベスト10」を紹介させていただきます。 この「懐かしの歌本の世界」の第3回で、『月刊平凡』1967(昭和42)年2月号の第1付録「平凡ソング〜新春・紅白歌合戦」に掲載されていた「レコード8社今月のベスト10」を取り上げさせていただいておりますので、それから2カ月後のレコード売上状況ということになります。 2カ月間での推移にも着目しつつ、実質的には、1967年(昭和42)年2月頃と思われる当時の情況を振り返ってみたいと思います。
掲載順序も、『平凡』2月号の時は、クラウン〜ミノルフォン〜コロムビア〜ビクター〜テイチク〜キング〜東芝〜グラモフォンということでしたが、この『明星』4月号では、コロムビア〜ビクター〜テイチク〜ポリドール〜東芝〜キング〜クラウン〜ミノルフォンということで、こちらも異なっております。掲載順序については、恐らく、月毎に変わっていったのではないかと思われます。 掲載順序に従いまして、コロムビアから、見ていくことにさせていただきます。 『月刊平凡』1967(昭和42)年2月号の第1付録「平凡ソング〜新春・紅白歌合戦」では、「歌謡曲」と「ポピュラー」になっていた区分が、ここでは、「邦盤」と「洋盤」という表現に変わっておりまして、これは、単に『平凡』と『明星』の違いなのか、それとも、2月号の時点と4月号の時点で、レコード会社各社が呼称を改めてしまったのか、定かではありません。 恐らく、これも、単なる『平凡』と『明星』の違いなのかなというような気はするわけでありますが…。
さて、その「邦盤」のランキングですが、1位「一心太助・江戸っ子祭り」、2位「ブルー・トランペット」ということで、舟木一夫さんがワン・ツー・フィニッシュを決めており、その人気の絶大ぶりを顕示しているといったところでしょうか。 左の画像では、ちょっと小さくて見えにくいかもしれませんけれども、スペースの関係からか、「邦盤」の1位から3位までは、歌手名が入っておりません。題名だけで、誰でも分かるほどのヒット曲だったというようなことでもあろうかとも思ったりするわけであります。 舟木さんの場合、この1967(昭和42)年という年は、以前、「お便りコーナー」で紹介させていただいたディスコグラフィーをご覧いただいてもお分かりになるように、1966(昭和41)年半ばから1967(昭和42)年にかけてのシングル盤レコード・リリース状況は、6月に「太陽にヤア!」、8月に「絶唱」、12月に「ブルートランペット」、年がかわって1月に「一心太助・江戸っ子祭り」、3月に「星の広場へ集まれ」、5月に「夏子の季節」と続き、8月には、前年の「絶唱」に続く、この年の大ヒットとなった「夕笛」が登場することになります。 このランキングでの1位である「一心太助・江戸っ子祭り」は、そのリリース・インターバルからいっても、ちょっと、本流からは外れる位置付けだったのではないかと思われるわけですが、それにも関わらず、売上1位になってしまうところに、当時の舟木人気の凄まじさを改めて感じさせられてしまいます。 おさらいになりますが、この歌本の人気ランキングでも、「ブルートランペット」でトップを飾り、暮れにレコード大賞の歌唱賞を受賞したこともあったのか、「絶唱」も17位にランクされ、息の長いヒットぶりを示しておりました。 そうした実態を見ると、「一心太助・江戸っ子祭り」については、レコード会社の販売政策的思惑が込められた「売上1位」だったのかなというように勘ぐりたくもなってきたりするわけですが、それは、文字通り「下司の勘ぐり」というヤツでしょうから、ここは、やはり、舟木人気の一面を物語る一つの事実という理解でいいのではないかと思います。 ちなみに、『平凡』2月号に掲載されていたコロムビアのランキングでは、「絶唱」が1位でしたから、この頃のコロムビアの邦楽ランキングというのは、ほとんど、毎回、舟木さんが1位だったのではないかという気がします。 そして、3位が東京ぼん太さんの「マアいろいろあらァな」ということで、美空、村田、都といった大御所を押さえて、堂々とベストスリーの一角に食い込んでいるのは、やっぱり、凄いことだったんだろうなと想像されます。 私も、「マアいろいろあらァな」のフレーズは、リアルタイムではっきりと覚えておりますので、やっぱり、かなりのヒット曲だったのでしょう。この歌本の人気ランキングでも、22位につけて、同じコロムビアの洋楽トップであるブルコメの「何処へ」よりも上位にランクされていたほどでありました。 そして、4位から8位までは、「白樺に涙あり」(都はるみ)、「あいうえお小唄」(扇ひろ子)、「悲しい酒」(美空ひばり)、「祝い節」(村田英雄)ということで、私がリアルタイムで覚えているのは、美空ひばりさんの「悲しい酒」だけですが、コロムビアの誇る歌謡曲の大御所が続いておりますが、 9位には「禁じられた愛の言葉」が入り、歌手名は「島」とだけなっておりますが、これは、「雨の夜あなたは帰る」などのヒット曲を持つ島和彦さんのことであります。この歌本では、「禁じられた愛の言葉」と一緒に「霧のヌサマイ橋」という北海道のご当地ソングが掲載されています。 話が横道にそれますが、とかいいつつ、もともと本道もどこにあるのか分からないような状況ではあるわけですけれども、それはそれとして、一応、横道に入っていきますと、島さんの「禁じられた愛の言葉」が掲載されているページには、私にとっての60年代ベスト歌謡曲の1曲である「わが愛を星に祈りて」の梶光夫&高田美和というゴールデン・コンビによる「野菊の墓」という曲もありまして、センセイ方も「作詞・岩谷時子、作曲・土田啓四郎」ということで、「わが愛を星に祈りて」と同じコンビでありますので、個人的には、非常に聴いてみたい気がしております。伊藤左千夫の原作に基づく作品のようですから、「わが愛を星に祈りて」と同様に、映画の主題歌だったのかもしれません。 そして、邦盤の10位は、加賀城みゆきさんの「おさらば故郷さん」というようなことになっております。
6位には、清水さん・小池さん・笹井さんのGSメンバーが加入する前のヴィレッジ・シンガーズによる「暗い砂浜」も入っております。 他の曲については、どうやら、全部、外国曲のようであります。 9位に「冬の散歩道」が入っておりまして、私の頭の中では、サイモン&ガーファンクルは、これまで、ずっと「CBSソニー」とインプットされてきておりましたが、ヴィレッジ同様、CBSレーベルがソニーに移るまでは、CBSコロンビアだったことになるわけです。 他の楽曲については、洋楽に疎い私には、よく分かりません。 ご覧になっていらっしゃる皆様で、何か、思い出されたようなことがありましたら、ぜひ、メールを頂戴するなり、掲示板にお書き込みをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 コロムビアだけで、随分、長々と書かせていただいてしまいましたので、先を急ぎたいと思います。 続きましては、コロンビアと並ぶ老舗レコード会社でありますビクターの登場です。 こちらも邦盤から見ていきますと、1位は、荒木一郎さんの「今夜は踊ろう」であります。『月刊平凡』1967(昭和42)年2月号の第1付録「平凡ソング〜新春・紅白歌合戦」に掲載されていた「レコード8社今月のベスト10」のビクターのランキングでは3位でしたから、2つランクアップしたことになります。 2位は、三田明さんの「恋人ジュリー」でありまして、この曲も、小学校時代の私の愛唱歌の一つでありました。サウンド的にも、かなり、GS風なサウンドだったと記憶しておりまして、広義の意味での「一人GS」の楽曲の一つとして認定してもいいのではないかと考えたりしております。 ちなみに、この歌本では、三田さんの新曲として「カリブの花」も紹介されておりまして、♪エェルビラ〜 エェルビラ〜カーリブーのはーなー♪という明るいメロディーも、また、私の大好きな曲でありました。 3位と4位は「シンガポールの夜は更けて」と「霧氷」ということで、橋幸夫さんが続いています。橋さんは9位に「殺陣師一代」もランキングされ、ベストテンに3曲も送り込んでおりまして、さすがに、第一人者の貫禄というべきでありましょう。 5位には「勇気あるもの」ということで、吉永小百合様が登場されておりまして、この曲は、前回の「飛び出したフォークグループ」で紹介させていただいたとニーズがバックコーラスを務めておりました。
7位にフランク永井さんの「大阪ロマン」がランクインしておりまして、フランクさんにとっては、久しぶりのヒット曲という感じだったように記憶しております。 8位が森進一さんの「女の波止場」、10位が青江三奈さんの「眠られぬ夜のブルース」ということで、ビクターの新しい看板歌手として脚光を浴び始めていたハスキー・ボイスお二人が登場。「女のためいき」と「恍惚のブルース」というデビュー・ヒットは、私もリアルタイムで歌ったりしておりましたが、このランキングに登場する2曲については、残念ながら、覚えておりません。 続きまして、洋盤でありますが、ざっと眺めたところ、前回の『平凡』2月号でランクインしていたスパイダースとサベージの曲は入っておりませんで、全曲、外国曲のようです。ちょうど、端境期だったのかなと思ったりもしてみましたが、この歌本の人気ランキングでは、スパイダースの「なんとなくなんとなく」が11位に入っておりましたから、そうでもなさそうですし、そうすると、スパイダースやサベージなんかのレコードよりも、外国曲のレコードの方が売上枚数的には上だったということなのでしょうか。それとも、ここでも、また、レコード会社の何か思惑のようなものが影響する局面があったのでしょうか。 この辺も、また、洋楽に疎い私には、よく分かりませんので、どなたか、そうした事情についてご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけませんでしょうか。 続きましては、テイチクであります。
2位は、三波春夫さんの「紀伊国屋文左衛門」。いわゆる浪曲歌謡で一時代を築いた三波さんの代表曲の一つであります。 ちなみに、三波さんといえば、「東京五輪音頭」と「世界の国からこんにちは」でありますが、その「世界の国からこんにちは」の発売が、1967(昭和42)年3月のことでありました。
錚々たる皆さんが歌っていらっしゃったわけで、是非、一度、全曲の聞き比べというものをやってみたいものだと思います。 4位は「咲かせて頂戴愛の花」という曲で、歌手の名前は、「愛」のみとなっておりますが、「愛まち子」さんという女性歌手の方で、この時期のテイチクの強力新人歌手だったようです。 5位は塚田利夫さんの「哀しみのギター」で、前回と同じランクをキープする形となっています。 7位は、園まりさんや緑川アコさんなどとの競作の「夢は夜ひらく」で、歌手名は「藤田・愛」となっておりまして、「愛」というのは、愛まち子さんだろうと思われますが、恐らく男性歌手であろうと思われる「藤田」さんの方が分かりません。各社競作の中で、デュエットによる歌はテイチクだけだったようですけれども、この「藤田」さんて一体、誰なんでしょう。まさか、藤田まことさんじゃないと思うのですが、どなたか、ご存じありませんでしょうか。 8位は志摩ちなみさんという方の「夜といっしょに」という曲でありまして、作詞・作曲は浜口庫之助センセイなのですが、この曲も、残念ながら、私の記憶には残っておりません。 9位はアイリー隆さんの「捨て身の恋」、10位は姫之宮ゆりさんの「涙の九段阪」でありました。 洋盤の方に目を転じますと、こちらも、すべて、外国曲のようであります。
ポリドールの場合は、まず、会社名というかレーベル名から、いきなり疑問が発生しております。 実は、前回の『平凡』2月号の際には、「グラモフォン」でしたが、この『明星』4月号では、「ポリドール」となってしまっています。 この辺の事情についても、どなたか、ご存じの方がいらっしゃいましたら、是非、ご教示いただきたく、お願い申し上げます。 ポリドールの1位は、『平凡』2月号の時に続き、園まりさんですが、曲の方は、「夢は夜ひらく」から「帰りたくないの」に変わっております。しかし、その「夢は夜ひらく」も、しっかりと3位に踏みとどまっているほか、前回3位だった「何でもないわ」が8位、同5位だった「逢いたくて逢いたくて」も9位に頑張っているため、園さんは、一人で、ベストテンに4曲も送り込んでいることになり、この時期のポリドールにとって、極めて重要な地位を占めていたことが分かります。 2位には西田佐知子さんの「信じていたい」が入っておりまして、リアルタイムで、私が知っていた曲であります。 4位と5位は日野てる子さんで、「道」と「島の別れ唄」の2曲がベスト5に入り、『平凡』2月号の時に続き、ベストテンに2曲がランクされる形となっています。 園さんと日野さんで、ベストテンのうち、なんと半分以上の6曲を占めてしまっているわけです。 6位は、前年のレコード大賞で荒木一郎さんと共に新人賞を受賞した加藤登紀子さん。 7位には、「おさらば港の赤い灯よ」ということで、歌手名は「原」としかありません。この歌本で「原」という歌手は、ポリドールの「原耕二」さんという方しか掲載されておりませんが、掲載曲は「泣き虫艶歌」という歌ですけれども、恐らく、この「原耕二」さんという方の曲ではないかと思われます。 そして、10位が秋美子さんの「雪国の恋」でありました。 ポリドールも、また、洋盤は、全て、外国曲のようでありまして、私ごときに書かせていただけることが何もありませんので、こちらにつきましても、どなたか、ご教示いただければと思う次第であります。 よろしくお願いいたします。 ということで、前半の4社だけで、結構な長さになってしまいましたので、今回の「レコード8社・ベスト10」は前編・後編の二部構成ということにさせていただき、残る東芝・キング・クラウン・ミノルフォンにつきましては、後編で紹介させていただくことにします。 またまた、長文を最後までお読みいただいた皆様、どうも、ありがとうございました。
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