60年代の歌謡曲

青春歌謡/西郷輝彦の部


「君だけを」(水島哲・作詞 北原じゅん・作曲)
1964(昭和39)年3月発売

 1964(昭和39)年3月、つまり、東京でオリンピックが開催される約半年前に発売された西郷輝彦のデビュー曲です。
 「60年代の雑誌」の「月刊平凡」1967(昭和42)年5月号でも書かせていただいたように、この前年の昭和38年に創立されたばかりの新しいレコード会社であるクラウン・レコードが社運を賭けて売り出した新人が西郷輝彦でありました。レコード・ジャケットの写真は、まだ、少年のようなあどけなささえ漂わせています。
 それはともかく、クラウン全社の祈りが通じたのか、「君だけを」は期待に違わぬヒット曲となり、西郷はこの後も、「チャペルに続く白い道」[昭和39年5月]、「星空のあいつ」[昭和39年6月]、「17才のこの胸に」[昭和39年8月](3曲ともデビュー曲と同様に、作詞は水島哲、作曲が北原じゅん)とヒットを連発。この年の暮れには第6回レコード大賞新人賞も受賞し、橋・舟木と並ぶ御三家としての地位を確立したのでありました。
 当時、小学校3年生だった私も、この「君だけを」という曲がお気に入りで、この年の町内の子供会のクリスマス・パーティーか何かで、この歌を替え歌にして歌ったのを覚えています。
 ちなみに、この「君だけを」は、立派に親父となってしまった私が、今なお、カラオケなどで好んで歌う曲の1つであります。



 

星のフラメンコ」(浜口庫之助・作詞作曲)
1966(昭和41)年7月発売

 1966(昭和41)年7月に発売された「星のフラメンコ」は、前年の10月にリリースされた「星娘」に続く“星シリーズ”の第2弾。
 第1弾と同様、歌作りの天才職人だった浜口庫之助大先生の作品であり、ハマクラ先生はこの曲で第8回日本レコード大賞作曲賞を受賞されています。
 また、西郷輝彦自身にとっても、最大のヒット曲であり、歌手・西郷輝彦の代表作と言える曲でしょう。同名タイトルで映画化され、西郷自身や松原千恵子が出演し、確か台湾でロケーションを行った映画だったと記憶しています。
 星シリーズ作品は、ハマクラ先生の作品だけあって、当時の歌謡曲としてはとってもオシャレでした。「星娘」では、エイトビートを刻むドラムパートから入るイントロ部分で「ほっしむっすめぇ、イェイェイー」が2回繰り返された後、「ほっしむっすめっ」で一旦ブレーク、「イェイ、イェイ、イェイ、ホホホホー、ホホホホー」とカッコヨク決めて歌に入り、エンディングではメジャーナインスなどというコードも使われています。「星のフラメンコ」は、そのタイトル通り、フラメンコ・テイストをベースにした曲で、イントロ部分でのトランペットの泣きと、1小節目と3小節目の後半に重なるオーケストラの三連符が印象的です。決めは、エンディングの「ほ〜し〜の〜フ〜ラ〜メ〜〜〜ンコ」でありました。愚かな少年だった私は、このエンディングの「ほしのフランメンコ」の部分を息が続く限り目いっぱい引っ張り、「フ〜ラ〜メ〜〜〜〜〜」で一度切り、「ウンコッ」と短く締めて歌うのが大好きで、周囲のひんしゅくを買っておりました。







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