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60年代の歌謡曲 |
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ザ・タイガース
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銀河のロマンス/花の首飾り … 「僕のマリー」から5曲目となるシングル盤は、両A面的なレコードで、結果的に、「花の首飾り」が大ヒット。タイガースにとって初めてのオリコン・チャート1位曲は、GSにとっても、初のオリコン・チャート1位曲でありました。
シーシーシー … シングル盤A面では唯一の加瀬邦彦作品。シンプルで明快なロックンロール・ナンバーは、「花の首飾り」に続き、オリコン・チャート1位曲に。
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「銀河のロマンス」
橋本淳・作詞 すぎやまこういち・作曲
「銀河のロマンス」と「花の首飾り」は、レコードのジャケットを見ても、それまでのデビュー以来4枚のシングル盤(「僕のマリー」、「シーサイドバウンド」、「モナリザの微笑」、「君だけに愛を」)とは異なり、明らかに、2つの曲が、ほぼ同格に扱われている感じで、いわゆる両A面的なレコードでした。
とは言え、かろうじて、日本語では横書きの場合、左から読むわけですから、普通は、「銀河のロマンス」に先に目が行き、それから、「花の首飾り」の文字を認識することになるのではないかと思われますので、一般的には、やはり、発売当初は、「銀河のロマンス」の方が、通常のA面的な印象が強かったように思います。
実際に、当時のテレビの歌謡番組やヒットチャートの扱いなども、当初は「銀河のロマンス」が、いわゆるA面扱いを受けていたように記憶しておりますが、途中から、「花の首飾り」の方が前面に出てくるような展開になっていったはずです。
あるいは、当初は、この画像とは異なる、明らかに「銀河のロマンス」をA面扱いにしたようなジャケットも存在しており、途中から「花の首飾り」も「銀河のロマンス」と同格に扱われている、この画像のようなジャケットに変わったのかもしれませんけれども、多分、そういうことではなかったと思いますが、GSフリークだったとはいえ、基本的にはブルコメ・ファンだった私の場合、さすがに、そこまで、当時の状況を把握していたわけではありませんので、どなたかお詳しい方がいらっしゃったら、ご教示いただければと思います。
さて、何れにしましても、個人的には、「銀河のロマンス」も「花の首飾り」も同じくらい好きだった私としては、こうして、この2曲を1枚のシングル盤として一緒に取り上げさせていただくのは、非常に勿体ない気がします。
しかし、他のシングル盤とのバランスもありますし、ジャケット写真も、この1枚しかありませんので、一応、一つの項目として一緒に紹介させていただきますが、ご覧のように、敢えて、「銀河のロマンス」と「花の首飾り」に2分割して、取り上げさせていただきます。
まず、「銀河のロマンス」についてですが、当時の私には、この曲の前奏が非常にお洒落に聞こえて、ギターで、この前奏ばかり、何度も、弾いてみていた記憶があります。
曲の作りとしては、キーはDmなのですが、前奏とサビの部分で繰り返されるFとB♭のフレーズには何とも言えない甘美な響きがあり、ギターを覚えたばかりの私にとって、「バレーコード」と呼ばれる左手の人差し指で6本の弦を全部押さえるフォームの難しいコードではありましたが、そのFとB♭の響きは、限りなくお洒落な雰囲気を醸し出しているように思えたのでありました。
そして、この曲は、言うまでもなく、ザ・タイガースの初の主演映画「世界はボクらを待っている」の主題歌というか、メインテーマのような位置付けだった曲であり、私も、確か、この年のゴールデンウィークだったと思いますけれども、封切られたばかりの「世界はボクらを待っている」を姉と一緒に、長岡市内の映画館に見に行ったものであります。
白い衣装をまとったジュリーが浜辺で歌う「銀河のロマンス」は、少年の心にも十分にロマンチックだったのでありました。
最近、渡辺プロダクションと渡辺音楽出版、ワーナーミュージック・ジャパンの共同企画でワーナーから発売された“J−POPヒットバレード〜HISTORYOFWMP”という全40タイトルの一大シリーズにラインナップされている「60'S
BEAT GIRL with GS」というCDの中には、この「世界はボクらを待っている」の中でジュリーと久美かおりがデュエットで歌っていた「星のプリンス」(「シーサイド・バウンド」のB面の曲)も収録されておりました。そのライナーによりますと、このジュリーと久美かおりのデュエットは、テープだけで発売された超レア・ヴァージョンだそうであります。
ちなみに、この「銀河のロマンス」は、先日来、Mさんの掲示板で話題になっている、FM東京が20年近く前に放送した「ソニー・ビッグ・スペシャル」のGS特集では、ベスト120中、第12位でした。
「花の首飾り」
菅原房子・作詞、なかにし礼・補作詞、すぎやまこういち・作編曲
作詞の菅原房子さんという方は、どんな作詞家だったんだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、なかにし礼さんが補作詞をされていることからもお分かりになるかもしれませんが、実は、この曲は、『月刊平凡』だったか『月刊明星』でタイガースの歌う詩を一般から募集したもので、その当選作がレコード化されたものでありました。
そうした経緯から言うと、恐らく、やはり、この「花の首飾り」の方が、B面的な扱いだったのだろうということは想像に難くないわけでありますが、前段でも書かせていただいた通り、発売直後から、トッポの魅力を余すところなく引き出す曲作りが功を奏したのか、「花の首飾り」の方が、「銀河のロマンス」を上回る形となりました。オリコンのチャートなどでも、曲名の表記の仕方としては、「花の首飾り/銀河のロマンス」ということで、レコード・ジャケットとは曲の順番が逆になっています。
曲の作りの方は、「銀河のロマンス」に比べると、比較的、やさしい感じで、特に、ギター弾き始め少年が一番最初に覚えるコードであるAmの高いほうの3本の弦をアルペジオで交互に引くだけの前奏は、簡単にレコードの雰囲気を真似ることが出来たので、友達なんかに聞かせると、びっくりされたりしたものでありました。とは言え、Amを基調とするシンプルな曲でありながら、隠し味のようなメジャー7やsus4などのコードは、やはり、すぎやまセンセイならではのお洒落さを感じさせてくれたのであります。
そして、発売からちょうど1カ月後の1968(昭和43)年4月15日付けのオリコンチャートでは、GSとして、初めて首位の座を獲得、5月27日まで7週にわたってトップをキープすることになったのでした。
以前、どこかのページでも書かせていただきましたが、オリコン・チャートが正式にスタートしたのは、1968(昭和43)年の1月からでありまして、実は、その前年に実験的に行われたチャート制作では、ブルーコメッツの「北国の二人」が1位に輝き、ブルコメ・ファンの間では、オリコン・チャートの幻の1位ということで、今でも、語り草になっております。
せっかくですから、その「花の首飾り」がGS曲として初めて首位に立った週のベスト10を見てみますと、1位「花の首飾り」ザ・タイガース、2位「恋のしずく」伊東ゆかり、3位「ゆうべの秘密」小川知子、4位「マサチューセッツ」ザ・ビー・ジーズ、5位「神様お願い!」ザ・テンプターズ、6位「あの時君は若かった」ザ・スパイダース、7位「デイドリーム」ザ・モンキーズ、8位「盛り場ブルース」森進一、9位「亜麻色の髪の乙女」ヴィレッジ・シンガーズ、10位「太陽の花」寺内タケシとバニーズ、ということで、ベスト10のうち5曲までがGS、ビージーズとモンキーズも外国グループながら、GSに入れてしまうと、なんと、7曲までがGSということになるわけで、まあ、この頃のGS人気の凄まじさが、改めて偲ばれるわけであります。
ちなみに、「銀河のロマンス」の項でも触れさせていただいた渡辺プロダクションと渡辺音楽出版、ワーナーミュージック・ジャパンの共同企画でワーナーから発売された“J−POPヒットバレード〜HISTORYOFWMP”という全40タイトルの一大シリーズの中には、「from
GS to ニューロックカルト編」というCDもあり、その中には、ブルコメがカバーした「花の首飾り」やタイガースがカバーした「ブルーシャトー」なども入っておりまして、大変に興味深いものがあります。
特に、ブルコメがカバーした、この「花の首飾り」は、ブルコメ・ファン歴が30年以上に及ぶ私も、このCDで初めて聞いたものでありまして、オケやストリングスは一切使わず、ブルコメの楽器編成だけで録音された曲の味わいは、また、タイガースのオリジナル曲とは異なる、独特のブルコメ・サウンドに仕上がっておりまして、一聴の価値があるのではないかと思います。
再び、FM東京が20年近く前に放送した「ソニー・ビッグ・スペシャル」のGS特集での順位に言及させていただきますと、このタイガースの「花の首飾り」は、「ブルーシャトー」「エメラルドの伝説」に続き、ベスト120曲中、第3位でありました。
シーシーシー(安井かずみ・作詞、加瀬邦彦・作曲)
1968(昭和43)年7月発売
前回の「花の首飾り/銀河のロマンス」の後、シングル盤ディスコグラフィーの番外編ということで、タイガースを起用した明治製菓の広告キャンペーンを特集させていただき、ちょっと間が空いてしまいましたが、ほぼ2カ月ぶりのシングル盤本編のデータ更新ということになります。
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