60年代の雑誌

「月刊平凡」1967(昭和42)年11月号&12月号

1967(昭和42)年11月号

 1967(昭和42)年11月号の表紙は、男性タレントが西郷輝彦、女性タレントの方は、多分、原田糸子かと思われます。西郷輝彦は、繰り返し書かせていただいているように、橋幸夫・舟木一夫とともに“御三家”と呼ばれていた超人気スターであり、この頃には、年に2〜3回は、『月刊平凡』の表紙を飾っていたのであります。原田糸子の方は、このコーナーでも既に何度か触れておりますが、西野バレエ団の一員として、金井克子や由美かおるなどとともに、歌って踊れるタレントとして、この時期に、メキメキ売り出していたはずです。この「60年代通信」ホームページ版の“1998年新春特集”企画=60年代の女性アイドル/タレント・ダンサー編でも、レコード・ジャケットを紹介させていただいておりますので、関心のある方は、そちらもご覧いただければと思います。
 さて、新聞広告の方に目を転じてみますと、いよいよGSを代表する人気グループ“ザ・タイガース”の登場が目を引きます。ザ・タイガースは、以前にも、ちょっと紹介させていただきましたが、改めて、簡単におさらいをしてみますと、メンバー全員が京都出身であり、大阪のジャズ喫茶「ナンバ一番」の専属バンドとして出演しているところを内田裕也に見出され、渡辺プロダクションと契約し、東京に出てきたグループでした。1967(昭和42)年の正月に日劇ウエスタンカーニバルで中央デビューを果たし、同年2月にデビュー・シングル「僕のマリー」をリリース。5月の「シーサイド・バウンド」、8月の「モナリザの微笑み」と連続ヒットを放ち、先行していた古参GSのブルコメ、スパイダースなどを一気に抜き去り、GSを代表する人気バンドとなりました。この11月号が発売された頃は、「モナリザの微笑み」がヒットしていた時期で、年末の25日発売の「君だけに愛を」は予約だけで20万枚という、当時のGSとしては、レコードセールスの面でも破竹の勢いでありました。
 誌面企画は、そのザ・タイガースの「ぼくらの初恋おしえます…」ということで、GSものの企画としては、「あなたの知らないワイルドワンズ」、「対決ルポ・秋の体力テスト〜スパイダース/ブルーコメッツ」などがあり、特別付録として、タイガースとブルコメの超大型カラー・ピンアップというラインアップになっています。
 御三家など他のタレントもの企画としては、舟木一夫が「特別告白・ぼくとチーコのキスのこと…」、西郷輝彦が永井秀和との対談、三田明がナント「三田明と4人の恋人たちの座談会」などという大胆不敵な企画に登場しております。永井秀和は、2冊ある歌本付録の1冊「あなたの歌ベスト・ヒット」の中で“永井秀和のABC”でも取り上げられています。永井秀和という歌手は、若い方はご存じないでしょうが、この年の第9回日本レコード大賞新人賞に輝いた歌手であり、さすがに、注目されていたようです。
 あとは、「今月の2大対談」という企画で吉永小百合様と松原智恵子の対談が、個人的には読んでみたいなという辺りであります。


1967(昭和42)年12月号

 1967(昭和42)年12月号の表紙は、男性タレントが永井秀和、女性タレントが由美かおるです。永井秀和については、上の11月号でも書かせていただいた通り、「恋人と呼んでみたい」という曲で、この年の日本レコード大賞新人賞を受賞した人気歌手です。由美かおるも、もう何度も紹介している通り、金井克子とともに西野バレエ団の人気タレントであり、西野バレエ団は、11月号の原田糸子に続き、2号続けて『月刊平凡』の表紙を飾ったことになり、当時の勢いが偲ばれるわけです。由美かおるも、この「60年代通信」ホームページ版の98年新春特集でレコードジャケットを紹介していますので、ご興味のおありの方はご覧ください。
 新聞広告の方に目を転じますと、写真使いは表紙と同じ、永井秀和と由美かおるですが、グループサウンズ・ステッカーの写真も目を引いております。このグループサウンズ・ステッカーは特別付録で、ザ・タイガース、ザ・スパイダース、ザ・ワイルドワンズ、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、という当時の4大人気グループが名前を連ねています。私も、欲しいです。
 新聞広告のキャッチ・コピーに「今月はグループ・サウンズの話題がいっぱい!」と謳ってあるほどで、かなり、GS色が強くなってきており、他のGSもの企画としては、「特別大座談会」ということで、ブルコメの井上忠夫、スパイダースの堺正章、タイガースの沢田研二、ワイルドワンズの植田芳暁の4人が登場。さらに、超特大カラー・ピンアップでスパイダース、2冊ある歌本のうちの1冊が「ザ・タイガースカラーアルバム」となっています。この「ザ・タイガースカラーアルバム」というのは、私の長岡の実家のどこかにまだ保存してあるはずですので、何れ紹介させていただこうと思います。さらに、「ワイド特集/人気GSのホットプライバシー」ということで、ブル・スパ・タイ・ワイのほかに、ザ・ヴィレッジシンガーズ、ザ・ジャガーズ、フォーリーブス、ザ・テンプターズ、ザ・カーナビーツが名前を連ねています。
 この時期になると、かなり、GS一色という趣きが強くなってきていますが、GS以外の企画ものとしては、超特大カラー・ピンアップと対談の2つの企画で舟木一夫が登場し、GSが台頭してきている中で、舟木一夫の踏ん張りが目立つ形となっております。







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