7日目(8月8日 金曜日)

昨日の夜のニュースでバッキンガム宮殿が入場できるようになったと報道していた。10月の初めまで開催しているという。ガイドブックには7・8月と書いてあったのに、8・9月ではないか。

ガイドブックもあてにならないものだ。


なんにしても、旅行の期間に間に合ったのは幸運だった。今日はマーケット巡りをする予定だったが、午前中にカムデンマーケットに行き、午後からバッキンガム宮殿に行くよう予定を変更した。ロンドンには数えきれない程のマーケットがあるが、JTBの「るるぶ」によると、次の5大マーケットがお勧めらしい。

・カムデン・マーケット(初心者にお勧め。屋台が3000軒もある)
・ポートベロー・マーケット(30年の歴史のアンティーク市)
・カムデン・パッセージ(アンティークの宝庫)
・チャーチストリート・マーケット(野菜市場とアンティーク街)
・グリニッジ・アーツ&クラフツ・マーケット(船で行こう)

閉まってる!?全部はとてもまわりきれないので、初心者向けのカムデン・マーケットに行く事にした。カムデン・マーケットといっても、一つのマーケットではなくて、カムデンにある6軒のマーケットと屋台郡の総称である。場所はユーストン駅からノーザン線で2駅と近い。ガイドブックには木〜日が営業と書いてあった。
しかし、行って見ると開いていたのは6軒の内、小規模なマーケットが1軒だけで、屋台もほとんどお休みだった。もしかして他にもやっている所があるのではないかと、目抜き通りのカムデン・ハイストリートをずっと歩いてみたが、一軒も開いていない。土日営業と書いてあった。

全くガイドブックなんてあてにならない。


しょうがないので、マーケットは最終日の明日土曜日にして、バッキンガム宮殿に行く事にした。地下鉄の駅から北へ相当歩いた。また歩いて引返すのはつらいので、最寄りのバス停からバスで行く事にした。バス停には若い男性が一人と子供を数人連れたおばさんがいた。時刻表を見ると、15分間隔で運行しているようだ。待っている人もいるので、直ぐ来るだろうと暫く待ったが、全く来る気配がない。時間はどんどん過ぎていく。こんなところで貴重な時間を費やすのはバカらしい。
バスは諦めて、地下鉄の駅まで歩く事にして、歩きはじめた。暫く歩くと後ろで「ピュー!」と口笛の音がする。振返ると、バス停で待っていた若い男性が呼んでいる。バスが来ているのを知らせてくれたのだ。走ってバス停に戻り、バスに乗る事ができた。知らせてくれた彼にお礼をいう。

やっぱり英国人は親切だ。


チケット売場に長蛇の列バスをユーストンで地下鉄に乗換えて、バッキンガム宮殿に着くとチケット売場に長蛇の列ができていた。並んでいる人に聞くと1時間待ちだという。係員にいつから開いたのかと聞いてみたら、今日からだという。ほんとうに?昨日のニュースでやってたので、てっきり昨日からかと思っていた。もう一度確認したが、間違えないという。何にしても入れるのは幸運だ。炎天下に延々と我慢強く並び、ようやくチケットを入手した。
チケットを買うだけで、なんでこんなに待たせるのかと不信に思ったが、売場の前まで来てようやく理由が分かった。チケットをクレジットカードで買っている人がかなりいるのだ。たった£10の入場料をクレジットカードで買うなんてとんでもない。それが、当たり前という感覚というのは、相当カード社会が進んでいるという事だろう。

チケットを入手したものの、また入り口で長蛇の列だ。そこで30分待ち、ようやく中に入れた。中は撮影禁止。手荷物も厳重にチェックされた。宮殿の中を全部公開している訳ではなく、半分くらいしか見れなかったが、さすがに現女王が住んでいるだけの事はある。豪華絢爛。

溜め息しかでない。


回りの観光客もしきりに溜め息をもらしている。こんな所に住んでいる人もいるのだ。ダイアナはどうしてこんな生活を捨ててまで離婚したんだろう。と女房が何度もいう。

ちょっと中断。
いま、これを書いている時にダイアナが死亡したというニュース速報が入ってきた。97/8/31の12時50分だ。
とんでも無い事になった。事情はよくわからないが、ゴッシプ紙の取材のバイクに追いかけられていての事故だという事だ。加熱した取材合戦が原因に違いない。思えば、我々の旅行中にダイアナとハッロズの御曹司との新しいロマンスがスクープされ、大衆紙のサンやデイリーミラーが連日報道していた。
今後これらの報道姿勢が厳しく非難される事になるだろう。原因を作った新聞社は潰されるかもしれない。息子を殺された大富豪の怒りを買うだろうし、英国人が黙っていないだろう。いずれにしても残念だ。ダイアナが死ぬなんて信じられない事だ。英国中が深い悲しみに暮れる事だろう。女房は葬儀に参列したいと言っているが、ちょっと出かけるには遠すぎる。

ここで御冥福をお祈りしたい。


話しを元に戻そう。バッキンガム宮殿はセント・ジェームス公園を通るザ・モールという道を真っ直ぐ入って行くとビクトリア女王の記念碑があり、その前が東門になっていて、ここで有名な衛兵の交代がある。この東門が正面かと思っていたが、中に入ってみると実は西側が正面だということが分かった。東門は裏側なのだ。観光客は宮殿の裏側をありがたく見て記念写真をとったりしていたのだ。

セール中のローラ・アシュレイ観光ルートの出口は宮殿の南口で、最寄りの駅はビクトリア駅だ。駅の近くのバブで昼食にした。いつものように一つの皿をシェアした。一品しか頼まないのをウェイトレスが不思議がっていたので「我々日本人は少ししか食べない。」と言ったら笑っていた。
ビクトリア駅からビクトリア線で北へオックスフォード・サーカスまで行き、買物の続きをすることにした。
オックスフォード・ストリートにあるセルフリッジ、ローラ・アシュレイ、マークス&スペンサーで買物をした。女房はローラ・アシュレイで£100のワンピースがバーゲンで£15になっているのに狂喜して、3着も買った。私はというと、マークス&スペンサーでパンツを£5で3枚。

えらい違いだ。


ダイアナもM&Sの下着を愛用したとか?マークス&スペンサーの下着は有名で、英国人の8割が愛用しているという人気ものだ。確かに縫製がしっかりしていて丈夫で長持ち。ちょっと高いが結局はお買得だ。
買物を終え、バスと地下鉄を乗り継いでホテルまで帰り、それから夕食を食べに大英博物館の側にある「わがまま」というラーメン屋に歩いていった。「わがまま」に行くと行列ができている。英国人に人気の日本料理屋だ。しばらく待って中に入ると満席ですごい熱気だ。ラーメンとヤキソバ、ギョーザとビールを食べたが、暑くてたまらない。
早々に店を出て、いつものパブに行き最後の夜をエールをしこたま飲んで楽しんだ。


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