ガイア、ゲー / G A I A / G E / ΓΗ

世界の誕生の時カオスから生まれた大地の女神。一人の力で天の神ウラノス、海の神ポントスを生み、ウラノスとの間にゼウスらの父となるクロノスをはじめとするティタン神族を生んだ。クロノスがウラノスを倒して支配者となるのに手を貸し、またクロノスの支配を奪うものとして生まれてきたゼウスが父に飲み込まれるのを救った。しかしゼウスが勝利して父をはじめとするティタン神族を幽閉したことに腹を立てたガイアは巨人族ギガスたちを差し向けてギガントマキアと呼ばれる戦争を起こしたが、ヘラクレスの参加によってゼウスらオリンポス神が勝利し、ガイアは巨人たちの助命を乞うたが聞き入れられなかった。

 またアテナに欲情したヘファイストスがこぼした精液を受けとめると後にアテナイ王となるエリクトニオスを生み、アテナに預けて育てさせた。

常に登場する場面

  • エリクトニオスの誕生

しばしば登場する場面

  • ギガントマキア
カイネウス / K A I N E U S / .

テッサリア王エラトスの娘カイニスとして産まれたが、ポセイドンに犯され、何でも望みを叶えるという彼の約束に対し、剣では傷つけられない屈強な男にしてもらった。ラピタイ族の族長となった彼は、ラピタイ族の王ペイリトオスの結婚式で争いとなったケンタウロス族と戦ったが、剣では殺すことができないことを知ったケンタウロス族は岩などを投げつけて彼を生き埋めにして殺した。

常に登場する場面

  • 生き埋めにされるカイネウス
カストル / K A S T O R / .

スパルタ王テュンダレオスレダとの息子だが、実際の父親はゼウスで、双子の兄弟ポリュデウケスとともにゼウスの息子を意味する「ディオスクウロイ」の名前で呼ばれ、ラコニアなどを中心に神として崇められた。しかしポリュデウケスが不死なのに対して彼は限りある命であった。 二人はアルゴナウタイに参加したが、カストルはあまり活躍しなかった。その後カリュドンの猪狩りにも参加した。また妹のヘレネテセウスに誘拐されると、テセウスの留守中にヘレネを連れ戻し、テセウスの母アイトラも連れ去って、テセウスの政敵メネステウスを王位につけた。 また二人は既に彼らの従兄弟のイダスとリュンケウスとの結婚が決まっていたレウキッポスの娘フォイベヒラエイラを誘拐してそれぞれの妻として迎えた。これが原因でイダスらとの争いが生じ、ポリュデウケスだけが生き残った。彼は命の半分をカストルに分けて交代でオリンポスとハデスを行き来することになった。

常に登場する場面

  • レウキッポスの娘たちを誘拐するディオスクウロイ
  • ディオスクウロイの帰還

しばしば登場する場面

  • タロスを殺すメデイア
  • カリュドンの猪狩り
  • ヘレネの誕生
カッサンドラ / K A S S A N D R A / .

トロイア王プリアモスヘカベとの娘。アポロンは彼女に恋してその気を引こうと予言の力を与えたが、彼女が彼を拒んだため彼女の予言を誰も信じないようにした。捨てられていたパリスがトロイアへ戻ってきたとき、彼女はトロイアの破滅を招くことになるだろうと予言したが聞き入れられなかった。 トロイアが陥落したとき、彼女はアテナ神殿の神像にすがったが、オイレウスの息子のアイアスは彼女を無理矢理犯したためアテナから罰を受けた。彼女はギリシアの大将アガメムノンの妾としてミュケナイに連れられていき、自分たちを待ち受ける悲惨な運命を予言したが誰も信じず、アガメムノンとともにクリュタイムネストラアイギストスによって殺された。

常に登場する場面

  • カッサンドラを犯すアイアス
  • カッサンドラを殺すクリュタイムネストラ

しばしば登場する場面

  • アガメムノンの暗殺
カドモス / K A D M O S / ΚΑΔΜΟΣ

テュロス王アゲノルの息子。ゼウスに誘拐された姉妹のエウロパを追ってギリシアにやってきたが、デルフォイの神託に従ってその探索をやめ、テーバイの国を建国した。彼がのちのテーバイとなる土地にやってくると、泉に水を汲みに行った仲間を殺した竜を退治した。アテナの助言に従って竜の歯を集めて大地に巻くと武装した男たちが産まれて互いに殺しあい、生き残ったものたちはのちのテーバイ市民となった。彼にはアフロディテアレスの娘ハルモニアが与えられ、その結婚式には多くの神々が出席したが、引き出物として与えられた首飾りと花嫁衣装は彼らの子孫に暗い影を投げかけることになった。二人の間にはディオニュソスの母となるセメレを始め、イノアガウエアウトノエといった娘と、息子ポリュドロスが産まれた。

常に登場する場面

  • 竜と戦うカドモス
ガニュメデス / G A N Y M E D E / .

トロイア王トロス、あるいはラオメドンの息子で、美少年であった。彼を気に入ったゼウスは鷲を使わして、あるいは自ら鷲の姿となって彼を誘拐してオリムポスに招き、彼の酒杯へ酒を注ぐ従者として側に置いた。彼を失った父親の元には不死の牝馬二頭と黄金のぶどうの木が送られた。

常に登場する場面

  • ガニュメデスを誘拐するゼウス
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス

まれに登場する場面

  • ヒッポダメイアを連れ去るペロプス
カパネウス / K A P A N E U S / .

ヒッポノオスとアステュノメとの息子でアルゴスの武将。ペリアスの葬礼競技にも参加している。アドラストスポリュネイケスらとともにテーバイを攻めたが、城壁をよじ登ったときに自らの勢いはゼウスにも止められないだろうと慢心したためにゼウスの雷に討たれて死んだ。

しばしば登場する場面

  • テーバイ攻めの準備
  • テーバイ攻め

まれに登場する場面

  • ペリアスの葬礼競技
カライス / K A L A I S / .

北風の神ボレアスオレイテュイアとの息子でゼテスの兄弟。兄弟ともに背中に翼を持ち、ヘルメスのように翼の生えた靴を履いた姿で描かれることもある。アルゴナウタイに参加した彼らはサルミュデッソスの盲目の王フィネウスの食卓から食べ物を奪い去り彼を困らせていた怪鳥ハルピュイアたちを追い払った。 航海を終えた後彼らはペリアスの葬礼競技に参加して徒競走に勝利した。しかし航海の途中で彼らに見捨てられて置いてけぼりにされたヘラクレスに恨みを買い、二人とも殺されてしまった。

常に登場する場面

  • フィネウスを助けるカライスとゼテス
カリクロ / C H A R I K L O / .

水の精の一人でケンタウロス族の賢者ケイロンの妻。しかし神話にはほとんど登場しない。

まれに登場する場面

  • ペレウスとテティスの結婚
カリス・複カリテス / C H A R I S / .

ゼウスとオケアノスの娘エウリュノメとの三人の娘たちで、アフロディテに仕える美の女神。それぞれ典雅と優美と友愛を擬人化したものである。神話に登場することは極めて少なく、ヘファイストスヒュプノスの妻として登場する程度である。

まれに登場する場面

  • ペレウスとテティスの結婚
カロン / C H A R O N / .

暗闇の神エレボスと夜の女神ニュクスとの息子で、三途の川にあたるステュクス川を渡ってハデスへ死者を渡す渡し守。みすぼらしい老人の姿で描かれることが多く、多くの場合で帽子を被り、オールを手に船に乗っている。ヘラクレスケルベロスを連れに冥界へやってきたとき力ずくでハデスに渡させた。

ギガス・複ギガンテス / G I A N T / .

クロノスに切り取られたウラノスの男根からこぼれた血液から生まれた巨人族。ゼウスがティタン神族を幽閉したことに腹を立てた大地母神ガイアはギガスたちをけしかけてギガントマキアと呼ばれる戦争を起こした。人間の英雄の助力によって勝利がもたらされることを知ったゼウスアルクメネと交わってヘラクレスをもうけた。

 ギガスたちはエウリュメドン王を筆頭に戦ったが、アルキュオネウスヘラクレスに、ポリュピュリオンはゼウスに、エピアルテスはアポロンヘラクレスに倒された。エンケラドスはアテナの、ミマスはヘファイストスの投げた岩の下敷きとなってそれぞれエトナ山とヴェスヴィオ山の下から炎を吐き出している。ポリュボテスはポセイドンの投げる岩の下敷きとなり、ヒッポリュトスはヘルメスに、グラティオンはアルテミスに、エウリュトスはディオニュソスに、クリュテイオンはヘカテに、アグリオスとトアスはモイラたちによって倒された。そしてこれらのギガスたちにとどめを刺したのはヒュドラの毒を塗ったヘラクレスの矢であった。ガイアは彼らの助命を乞うたが聞き入れられなかった。

常に登場する場面

  • ギガントマキア
キマイラ / C H I M A I R A / .

テュポンとエキドナから生まれた怪物で、ライオンと山羊、時には竜の首を持ち、体はライオンで尻尾は蛇という姿であった。リュキア地方を荒し回っていたが、天馬ペガソスを操るベレロフォンに倒された。

常に登場する場面

  • キマイラを退治するベレロフォン
キュクノス / K Y C N O S / .

アレスの息子で、デルフォイに向かう人々を待ち伏せしては殺していた。ヘスペリデスのリンゴを採りにいく途中のヘラクレスと出会い、父アレスの助勢を得て戦いを挑んだがアテナを後ろ盾とするヘラクレスに殺されてしまった。息子を殺されたアレスヘラクレスを殺そうとしたがゼウスが二人を仲裁した。

常に登場する場面

  • キュクノスとヘラクレスの戦い

しばしば登場する場面

  • ヘラクレスとアレスの戦い
キュクロプス・複キュクロペス / C Y C L O P S / ΚΥΚΛΩΨ

ウラノスとガイアとの息子たちで一つ目の巨人。クロノスによって幽閉されていたが、ゼウスによって解放され、その例としてゼウスには雷霆を、ポセイドンには三つ又の矛を、ハデスには姿を隠すことのできる帽子を与え、ティタン神族を倒すのに協力した。 これらとは別に、ポセイドンの息子たちにもキュクロプスたちがいて、オデュッセウスがイタケへ戻る途中に彼らの住む島に立ち寄った。その一人ポリュフェモスはその一行を捕らえたがオデュッセウスに目を潰され、彼の飼っていた羊の腹にしがみついて逃れる彼らを取り逃がしてしまった。

キルケ / C I R C E / .

ヘリオスとペルセイスとの娘でアイアイエ島に住む魔女。オデュッセウスがトロイアからイタケへ帰る途中に島に立ち寄ったが、探索に行った仲間は一人を除いて皆豚に変身させられてしまった。戻った一人から事情を知ったオデュッセウスヘルメスの協力で彼女の魔法から身を守り、仲間をもとの姿に戻させた。彼はキルケとともに一年間暮らしたが、出向する彼にキルケは帰りの航路と、冥界にいる予言者テイレシアスの助言を乞うべきことを教えた。

常に登場する場面

  • キルケの館
グライアイ / G R A I A I / .

フォルキュスとケトとの娘たちで三人の老婆。それぞれエニュオ、パンプレド、デイノという名前で、アトラス山脈の麓の洞窟に住む。彼女たちの母違いの姉妹にあたるゴルゴンたちの居場所を聞くために訪れたペルセウスは三人で一つしかない歯と目を奪い取ってその道のりを聞き出した。

常に登場する場面

  • グライアイを訪ねるペルセウス
グラウコス1 / G L A U K O S / .

クレタ王ミノスの息子であるが、幼い頃蜂蜜を入れた大甕の中に落ちて死んでしまい、そのまま行方不明になっていた。ミノスは予言者ポリュイドスにその探索を命じ、グラウコスを見つけだすことに成功した。しかしミノスはグラウコスを生き返らせることを命じてその遺体とともにポリュイドスを閉じこめてしまった。ポリュイドスは蛇が死んだ別の蛇を薬草で生き返らせたのを見てその薬草をグラウコスの口の中に入れると蘇らせることができた。ミノスはさらに予言の力をグラウコスに与えることを命じ、早く島から出たかったポリュイドスはこれに応じたが、出発の前にグラウコスにつばを自分の口の中に吐くよう命じ、その通りにするとグラウコスの予言の力は失われてしまった。

常に登場する場面

  • グラウコスを生き返らせるポリュイドス
グラウコス2 / G L A U K O S / .

リュキアのヒッポロコスの息子で、リュキアの将軍として従兄弟のサルペドンとともにトロイア戦争に参加し、トロイアを援助した。アルゴス王ディオメデスと戦ったとき、お互いの祖先が親密な関係にあったことを知ると戦いをやめて贈り物を交換しあった。

 グラウコスはパリスが倒したアキレウスの遺体をギリシア軍と奪い合ったときにアイアスに殺された。

グリフィン / G R I F F I N / .

ライオンの体に鷲の頭と翼を持つ怪物。神話にはほとんど登場しないが、その背中にアポロンが乗る場面や女性だけの部族アリマスプと戦う場面がしばしば描かれる。

常に登場する場面

  • グリュフォマキア
  • グリフィンに乗るアポロン
クリュタイムネストラ / C L Y T E M N E S T R A / .

テュンダレオスレダとの娘でヘレネの姉妹。ミュケナイ王アガメムノンとの間にイフィゲネイア、エレクトラ、クリュソテミスの三人の娘と一人の息子オレステスをもうけた。 ギリシア軍がアルテミスの怒りによってトロイアへ向けて出航できず、神託に従ってイフィゲネイアを犠牲に捧げたことで夫に恨みを抱き、夫の従兄弟で以前から彼に対する憎しみを抱いていたアイギストスと通じ、トロイアから帰還した夫と、その妾として連れてこられたトロイア王女カッサンドラを殺した。 幼かったオレステスはフォキス王のもとに預けられていたが、成長した彼はミュケナイに向かい再会した姉と協力してアイギストスとクリュタイムネストラを殺害した。

常に登場する場面

  • アガメムノンの暗殺
  • カッサンドラを殺すクリュタイムネストラ
  • アイギストス殺害
クレウサ / K R E U S A / .

トロイア王プリアモスヘカベとの娘。アイネイアスと結婚して息子アスカニオスをもうけた。トロイアが陥落すると夫と息子、それに義父アンキセスとともにトロイアを脱出しようとしたが、彼女一人ははぐれてしまった。

しばしば登場する場面

  • トロイアから落ち延びるアイネイアス一家
クロノス / K R O N O S / .

ウラノスとガイアとの息子。父を倒して最高神となったが、産まれてくる子供にその地位を奪われるという予言を受けた彼は産まれた子供を次々と飲み込んでいった。ゼウスが産まれたとき彼の妻レアは産着にくるんだ岩をクロノスに与え、ゼウスをクレタ島のニンフに預けた。ゼウスに騙された彼は先に飲み込んだ子供たちを吐き出した。ゼウスは兄弟たちと協力してクロノスとその兄弟たちを倒して支配権を手に入れた。クロノスはゼウスによって冥界の奥深くに閉じこめられた。

常に登場する場面

  • クロノスにゼウスの代わりに石を飲ませるレア
ケイロン / C H I R O N / ΧΕΙΡΩΝ

クロノスとフィリュラとの息子で、ケンタウロス族の一人だが、彼一人は聡明でまた不死であった。ほかのケンタウロスは馬の首から上に人間の上半身が付くため足は四本とも馬のものだが、彼の場合は人間のお尻の部分に馬の後ろ半身が付く形であるので前の二本は人間で後ろの二本は馬の足となっている。 彼はあらゆる学問や芸術に秀でた才能を備えていたため、イアソンアスクレピオス、その息子のマカオンとポダレイリオス、アクタイオンアキレウスなど多くの英雄の教師として英雄に相応しい教育を与えた。

常に登場する場面

  • ケイロンに預けられるアキレウス

しばしば登場する場面

  • ペレウスとテティスの格闘

まれに登場する場面

  • ペレウスとテティスの結婚
ケクロプス / K E K R O P S / .

大地から産まれたアテナイの王で、下半身は蛇であった。アテナポセイドンがアテナイの所有をめぐって争ったとき、オリーヴの木を出現させたアテナに軍配を上げた。彼はアグラウロスを妻としてヘルセ、パンドロソス、アグラウロスの娘をもうけたが、ヘルセとパンドロソスはアテナから中を絶対に見ないようにといわれて預かった、大地から産まれたエリクトニオスの入った箱を開けてしまい、中の光景を見て驚き、崖から飛び降りて死んでしまった。

しばしば登場する場面

  • エリクトニオスの誕生
ケトス / K E T O S / .

エティオピア王妃カッシオペイアが娘アンドロメダを海神ネレウスの娘たちよりも美しいと誇ったためその怒りを買い、ポセイドンに頼んで送り込まれた巨大な海蛇。これを鎮めるためにはアンドロメダを生け贄に捧げなければならず、彼女は海岸の岩山に縛り付けられた。 そこへメドゥサ退治を終えたペルセウスが通りかかり、怪物はメドゥサの首を見せて石に変えられてしまった。

ケファロス / K E P H A L O S / .

フォキス王デイオンとディオメデとの息子。またヘルメスとアテナイ王女ヘルセとの息子とされることもある。妻プロクリスと幸せな生活を送っていたが、曙の女神エオスに見初められてさらわれてしまった。何年もの間彼女とともに暮らしていたが彼はあくまで妻の元へ帰ろうとした。エオスは彼を返すと夫婦の間に嫉妬心を植え付け、ついには夫の様子を密かに観察しようと草むらに隠れていた妻を彼は獲物と間違えて槍を放ち、妻を殺してしまった。 アレイオスパゴスの法廷で裁かれた彼は追放の刑に処され、ケパレニア島に逃れてその地の王となった。

常に登場する場面

  • ケファロスを誘拐するエオス
  • ケファロスの槍に刺されるプロクリス
ケフェウス / K E P H E U S / .

エティオピアのイオッペの王で妻カッシオペイアとの間に娘アンドロメダをもうけた。妻が娘を海神ネレウスの娘たちよりも美しいと誇ったためその怒りを買い、ポセイドンに頼んで巨大な海蛇を送り込んだ。これを鎮めるためにはアンドロメダを生け贄に捧げなければならず、ケフェウスはやむなく娘を海岸の岩山に縛り付けた。 そこへメドゥサ退治を終えたペルセウスが通りかかった。ケフェウスはペルセウスにもし娘を助けたら妻として与えることを約束した。ペルセウスは怪物にメドゥサの首を見せてこれを石に変えると、アンドロメダを連れて故郷に戻った。

しばしば登場する場面

  • 縛られるアンドロメダ
ゲラス / G E R A S / .

現存する文献には登場しないが、いくつかの陶器に描かれる老年の醜い姿をした男性。ヘラクレスと会話する場面、あるいは争う場面が描かれてるいる。

常に登場する場面

  • ゲラスと戦うヘラクレス
ゲリュオン / G E R Y O N / ΓΕΡΥΩΝ

クリュサオルとカリロエとの息子で三人分の体をもつ怪物である。大西洋の果ての島に牛飼いエウリュティオンと、エキドナとテュポンから生まれた二つの頭を持つ番犬オルトスとともに暮らしていた。十番目の難行としてゲリュオンの牛を奪うことを命じられたヘラクレスヘリオスから与えられた黄金の大鉢に乗ってやってくると、エウリュティオンオルトスを殺し、牛を奪って去っていこうとした。ゲリュオンはこれを追いかけて戦いを挑んだがヒュドラの毒を塗った矢によって殺されてしまった。

常に登場する場面

  • ゲリュオンとヘラクレスの戦い
ケルキュオン / K E R C Y O N / .

エレウシスの王で通りかかる旅人にレスリングを挑んでは殺していたが、アテナイに向かっていたテセウスに勝負を挑んで敗れ、殺された。

常に登場する場面

  • ケルキュオンを退治するテセウス
ケルコペス / K E R K O P E S / .

醜い姿をした二人の小人で、テッサリアに住む盗賊。この地を訪れたヘラクレスの鎧を盗もうとしたが捕らえられた。ヘラクレスは一本の棒の両端に彼らを逆さにして縛り付けたが、彼らの卑わいな言葉に思わず笑ってしまい彼らを許して解放した。しかしその後彼らはゼウスに罰せられて猿に変えられた。

常に登場する場面

  • ケルコペスを退治するヘラクレス
ケルベロス / K E R B E R O S / ΚΕΡΒΕΡΟΣ

テュポンとエキドナから生まれた怪物で、三つないしは百の頭と蛇の尻尾を持つ地獄の番犬であった。 十二の難行の最後としてケルベロスを生け捕りにして連れてくることを命じられたヘラクレスは冥界へやってきた。ハデスは素手で戦うことを条件にこれを許すとヘラクレスは見事にケルベロスを捕らえ、地上へ連れてくると再び冥界に連れ返した。

常に登場する場面

  • ケルベロスを生け捕るヘラクレス
ケンタウロス / C E N T A U R / .

馬の胴体と足を持ち、人間の上半身を持つ一族でテッサリアに住んでいた。 ラピタイ族の王ペイリトオスヒッポダメイアとの結婚式に招かれた彼らは酒によってラピタイ族の女たちに乱暴しようとした。ここから両者の間に戦いが生じ、ペイリトオスの親友で同じく結婚式に招かれていたテセウスの活躍もあってケンタウロスたちはテッサリアを追われてしまった。 ケンタウロス族のフォロス及びネッソスについてはそれぞれを参照。

常に登場する場面

  • ケンタウロスと争うヘラクレス
  • ラピタイ族とケンタウロスの戦い
  • 生き埋めにされるカイネウス
ゴルゴン / G O R G O N / ΓΟΡΓΩΝ

フォルキュスとケトの娘たちで、ステンノ、エウリュアレメドゥサの三人。本来は美しい女性たちだったが、メドゥサポセイドンアテナの神殿の中で交わったことに腹を立てたアテナによって髪の毛は蛇で目は大きく、口は大きくて牙の生えた醜い姿に変えられてしまった。彼女たちのうちメドゥサのみが不死ではなかった。

 メドゥサ退治を命じられたペルセウスアテナの助けを得てメドゥサを倒し、ほかの姉妹は逃げる彼を追いかけたけれどもヘルメスから借りた羽の生えた靴を履き、アテナに守られた彼を捕らえることはできなかった。

常に登場する場面

  • ゴルゴンから逃れるペルセウス