アイアス・小アイアス / A I A S / A J A X / ΑΙΑΣ

ロクリス地方のオプスの王オイレウスの息子で、テラモンの息子のアイアスと区別して小アイアスとも呼ばれ、トロイア戦争に参加したギリシア側の武将の一人である。しかしトロイア陥落の時、アテナ像にすがるトロイア王女カッサンドラを犯してアテナの怒りを買い、帰還する際に溺死させられた。

常に登場する場面

  • カッサンドラを犯すアイアス
アイアス・大アイアス / A I A S / A J A X / .

アイアスはサラミス王テラモンとペソボイアとの息子で、オイレウスの息子のアイアスと区別するために大アイアスとも呼ばれ、トロイア戦争に参加したギリシア側の英雄の中でアキレウスに次ぐ武将である。トロイア側の大将ヘクトルと一騎打ちをしたが決着が付かず、贈り物を交換しあって引き上げた。その後パリスの矢によって斃れたアキレウスの鎧をめぐってオデュッセウスと争って敗れ、狂乱して起こした事件を恥じて自害した。陶器画ではアキレウスよりもやや年長の、髭を生やした人物として描かれ、大型で8の字型をしたボイオティア式の盾を持つ。

常に登場する場面

  • 将棋を指すアキレウスとアイアス
  • アイアスとヘクトルの戦い
  • 贈り物を交わすアイアスとヘクトル
  • アキレウスの遺体の救出
  • アキレウスの鎧をめぐるオデュッセウスとアイアスの争い
  • アキレウスの鎧の帰属を決めるための投票
  • アイアスの自害

まれに登場する場面

  • ポリュクセナの犠牲
アイギストス / A I G I S T H O S / .

ミュケナイの王テュエステスとその娘ペロピアとの不義の息子で、ミュケナイ王アガメムノンの従兄弟。王がトロイア戦争で不在の間に妻のクリュタイムネストラと通じ、帰還したところを殺した。しかし王の息子のオレステスによって殺された。

常に登場する場面

  • アガメムノンの暗殺
  • アイギストス殺害
アイギナ / A I G I N A / .

アソポス河神とメトペとの娘で、ゼウスに誘拐されて後に彼女の名前をとってアイギナと呼ばれるようになる島に連れていかれ、この島の王となるアイアコスを生んだ。

常に登場する場面

  • アイギナを追うゼウス
アイゲウス / A I G E U S / .

アテナイ王パンディオンとピュリアとの息子で父の死後二人の兄弟を追い出して王座についた。子供のなかった彼はデルフォイの神託をうかがいに行き、帰路立ち寄ったトロイゼンで王女のアイトラと結ばれ、身ごもった息子がテセウスであった。テセウスが成長して彼の息子と認められて後クレタ島へ犠牲として送られ、戻る船の帆が変わっていないのを見て息子が死んだものと思い、アクロポリスの崖から飛び降りて自殺した。

常に登場する場面

  • テセウスを認知するアイゲウス
  • デルフォイで神託を聞くアイゲウス

しばしば登場する場面

  • マラトンの牡牛を退治するテセウス
アイトラ / A I T H R A / ΑΙΘΡΑ

トロイゼン王ピッテウスの娘。アテナイ王アイゲウスとの間にテセウスをもうけた。テセウスがスパルタからヘレネを誘拐し、その留守中に奪回しに来たカストルポリュデウケスによってスパルタへ連れ去られた。パリスヘレネを誘拐したときその乳母となっていたアイトラもトロイアへ同行した。トロイアが陥落したとき孫のアカマスデモフォンによって救出された。

常に登場する場面

  • アイトラの救出
  • アイトラを追うポセイドン
  • アイトラを追うテセウス

しばしば登場する場面

  • 剣の取り出し
アイネイアス / A I N E I A S / ΑΙΝΕΙΑΣ

トロイア王家の一族アンキセスアフロディテとの息子で、トロイア王プリアモスの娘クレウサとの間に息子アスカニオスをもうけた。トロイア戦争ではイダ山中にあるダルダニアの軍を率いて活躍した。 パリスと母とともにスパルタへ向かうと王妃ヘレネを誘拐し、これを取り返そうとするギリシア軍がトロイアへ攻め寄せて戦争に発展した。アルゴス王ディオメデスと一騎打ちをしたが傷を受け、彼を守ろうとしたアフロディテまで怪我した。トロイアが陥落すると父と妻子とともに脱出をはかったが途中で妻とはぐれてしまった。その後数々の冒険を繰り返しながらイタリアにたどり着き、ローマ建国の祖となった。

常に登場する場面

  • ディオメデスとアイネイアスの戦い
  • トロイアから落ち延びるアイネイアス一家

しばしば登場する場面

  • ヘレネを誘拐するパリス
  • トロイロスの遺体をめぐるアキレウスとヘクトルの戦い
アウトノエ / A U T O N O E / .

テーバイ王カドモスハルモニアとの娘。姉妹アガウエとともにディオニュソスの信者となっていたが、アガウエの息子でテーバイ王のペンテウスディオニュソス教を弾圧したことに腹を立てた神はアウトノエやアガウエを狂乱させ、ペンテウスをライオンと見誤った彼女たちはこれを引き裂いて殺してしまった。

常に登場する場面

  • ペンテウスの死
アガウエ / A G A U E / .

テーバイ王カドモスハルモニアとの娘。姉妹アウトノエとともにディオニュソスの信者となっていたが、アガウエの息子でテーバイ王のペンテウスディオニュソス教を弾圧したことに腹を立てた神はアウトノエやアガウエを狂乱させ、ペンテウスをライオンと見誤った彼女たちはこれを引き裂いて殺してしまった。

常に登場する場面

  • ペンテウスの死
アカマス / A K A M A S / .

アテナイ王テセウスとファイドラの息子で、テセウスがメネステウスに王座を追われると兄弟のデモフォンとともにエウボイアのアバス族の王エレフェノルのもとに逃れた。王とともにトロイア遠征に参加し、トロイアが陥落すると祖母アイトラを救出した。

常に登場する場面

  • ニンフに預けられるアカマスとデモフォン
  • アイトラの救出
アガメムノン / A G A M E M N O N / ΑΓΑΜΕΜΝΩΝ

ミュケナイ王アトレウスとアナクシビアとの息子でミュケナイ王。スパルタ王テュンダレオスの娘クリュタイムネストラとの間にイフィゲネイア、エレクトラ、クリュソテミスの三人の娘と一人の息子オレステスをもうけた。 トロイア遠征のギリシア軍の総大将となったが、逆風で出航できず、そのためにはイフィゲネイアを犠牲に捧げねばならなかった。やむなく彼は娘を捧げたが、アルテミスが彼女を助けて自分の巫女とした。トロイアと間違えてミュシアに上陸した時にテウトラニアの王テレフォスアキレウスが傷つけた。その後ギリシア軍は一時帰国していたが、テレフォスはその傷は傷を付けたものによってのみ癒されるという神託を聞いたので密かにミュケナイに赴き、クリュタイムネストラの助言に従ってオレステスを人質に取り、治療してもらう代わりにトロイアへの道案内をすることになった。

 トロイアで戦う中で得たアポロン神殿の神官クリュセスの娘クリュセイスを返還しなくてはならなくなったとき、代わりとしてアキレウスの妾ブリセイスを奪ったためアキレウスは怒りのあまり陣営に引きこもってしまった。パトロクロスの死後和解し、その後トロイアを落とすことができた。 ギリシアへ帰還するほかの仲間が嵐に翻弄されている中で唯一帰還できたが、留守中に通じていた妻と従兄弟のアイギストスとに暗殺された。 

常に登場する場面

  • アガメムノン暗殺

しばしば登場する場面

  • オレステスを人質に取るテレフォス
  • ブリセイスを連れ去るアガメムノン

まれに登場する場面

  • 蛇の毒に犯されるフィロクテテス
アキレウス / A C H I L L E U S / ΑΧΙΛΛΕΥΣ

テッサリアのプティアの王ペレウスと海の女神テティスとの息子でトロイア戦争の中心人物。母は彼を不死にしようとしたがかかとの部分だけは不死にならなかった。幼少の頃にケンタウロス族の賢者ケイロンに預けられ、英雄としての教育を受けた。トロイア遠征を決めたギリシア軍は勝利にアキレウスが不可欠であることを知り彼を迎えに行った。しかし彼が戦いに参加すれば二度と帰ることができない運命にあることを知っていたため、母は彼を女装させてスキュロスのリュコメデス王の元に隠していた。しかしオデュッセウスに見破られると遠征に参加することを決意した。 トロイアに赴いた彼は華々しい活躍をした。彼はトロイアの王子トロイロスがもし成人に達すれば二度とトロイアは落とせないという神託を知ると彼を泉のそばで待ち伏せして殺した。彼らはトロイア周辺の都市を次々に落としていったが、彼がその戦利品として得たブリセイスという美しい女性をアガメムノンが奪い取ったことに腹を立てて陣営に引きこもってしまった。オデュッセウスなどが彼を説得しにやってきたが頑なにこれを断った。形勢が逆転し、追いつめられた戦況を憂えた彼の従者で親友のパトロクロスは彼の鎧を借りて討ってでてトロイア軍を追い返したが、深追いしすぎてトロイア王子ヘクトルに殺され、鎧も奪われた。

 復讐に燃える彼は戦いに戻ることを決意し、新たにヘファイストスがつくった鎧を母から受け取るとトロイア軍を蹴散らし、ヘクトルと一騎打ちして倒した。それでも怒りは収まらず、戦車にその遺体をくくりつけて引きずり回したが、母に説得されて遺体をプリアモス王に返すことを決意した。パトロクロスの葬礼競技を催した後、彼のもとを一人で訪れたプリアモスに遺体を返した。 その後もトロイア勢に加勢したアマゾン族の女王ペンテシレイアやエチオピア王メムノンなどを倒したが、トロイア王子パリスの射た矢がかかとを射抜き、ついに斃れた。その遺体はアイアスに奪還され、トロイア陥落後彼の墓にはトロイアの王女ポリュクセネが生け贄として捧げられた。  

常に登場する場面

  • ケイロンに預けられるアキレウス
  • トロイロスの待ち伏せ
  • トロイロスの遺体をめぐるアキレウスとヘクトルの戦い
  • 将棋を指すアキレウスとアイアス
  • パトロクロスを治療するアキレウス
  • ブリセイスを連れ去るアガメムノン
  • アキレウスへの使節
  • テティスから鎧を受け取るアキレウス
  • ヘクトルを追うアキレウス
  • アキレウスとヘクトルの戦い
  • パトロクロスの葬礼競技
  • ヘクトルの遺体を引き回すアキレウス
  • ヘクトルの遺体返還
  • ペンテシレイアとアキレウスの戦い
  • メムノンとアキレウスの戦い
  • メムノンとアキレウスのプシュコスタシア
  • アキレウスを射るパリス
  • アキレウスの遺体の救出
アクタイオン / A K T A I O N / .

アポロンの息子アリスタイオスとアウトノエの息子。水浴するアルテミス女神の裸を見たため、あるいは女神よりも狩りがうまいと自慢したためにその怒りを買い、鹿に変身させられ、自分の連れていた猟犬に噛み殺されてしまった。 

常に登場する場面

  • アクタイオンの死
アクトル / A K T O R / .

テーバイの武将で、アドラストス率いるアルゴス軍と戦った一人。

しばしば登場する場面

  • テーバイ攻め
アグラウロス / A G L A U R O S / .

アテナイ王ケクロプスと同名の母アグラウロスとの娘。姉妹のヘルセやパンドロソスとともに大地から生まれたエリクトニオスアテナから預かったが、アグラウロスとヘルセは赤子の入った箱を開けてはいけないというアテナのいさめに従わずに開けてしまい、赤子が蛇であったため、あるいは蛇が巻き付いていたために驚き、アクロポリスから身を投げてしまった。

常に登場する場面

  • アグラウロスを追いかけるアテナ

まれに登場する場面

  • エリクトニオスの誕生
アクリシオス / A K R I S I O S / .

アルゴス王アバスの息子。エウリュディケとの間に娘のダナエをもうけたが、娘から生まれる息子によって殺されるという予言を受けたアクリシオスはダナエを青銅の部屋に閉じこめた。しかしダナエを見初めたゼウスは黄金の雨となって進入するとダナエと交わった。これを知ったアクリシオスはダナエと生まれた孫ペルセウスを箱に閉じこめると海に流した。しかしペルセウスが成長して戻ってきて、たまたま参加した競技で投げた円盤がアクリシオスの頭を直撃し、予言は現実のものとなった。

常に登場する場面

  • 箱に閉じこめられるダナエとペルセウス
アケロオス / A C H E L O O S / .

オケアノスとテテュスとの息子でギリシア北西部にある同名の川の神。デイアネイラの愛を勝ち取るためにヘラクレスと戦ったが、雄牛の姿に変身したときに角を折られて敗れた。 

常に登場する場面

  • ヘラクレスとアケロオスの格闘
アスカニオス / A S K A N I O S / .

トロイアの武将アイネイアスクレウサとの息子。トロイア戦争でトロイアが陥落すると、父と祖父とともに脱出し、数々の苦難を経てイタリアにたどり着き、ローマ建国の祖となった。 

しばしば登場する場面

  • トロイアから落ち延びるアイネイアス一家
アスクレピオス / A S K L E P I O S / ΑΣΚΛΗΠΙΟΣ

アポロンとコロニスとの息子で医術の神。彼の聖なる動物は蛇。母は出産の前にアルテミスに射殺されたが、アポロンに救出されてケイロンに預けられた。エピオネと結婚した彼は娘ヒュギエイアと二人の息子マカオンとポダレイリオスをもうけた。彼は神ではあったが不死でなく、死者を医術によって蘇らせたためにゼウスの怒りを買い、雷に討たれて死んでしまった。 

常に登場する場面

  • アスクレピオスの誕生
アステュアナクス / A S T Y A N A X / .

トロイアの王子ヘクトルアンドロマケとの息子。トロイア戦争当時まだ幼かったが、戦いで父が死に、トロイアが陥落するとアキレウスの息子ネオプトレモスに捕らえられて城壁からたたき落とされて死んだ。 

常に登場する場面

  • アステュアナクス殺害
アステリア / A S T E R I A / .

ティタン神族コイオスとフォイベとの娘で星座の女神。神話で重要な役割を演じることはほとんどないが、エオスらとともに天空を有翼の馬の引く戦車でめぐる姿がしばしば描かれる。

常に登場する場面

  • 天空をめぐるアステリア
アタナシア / A T H A N A S I A / .

不死の女神。アテナはテーバイ攻めに参加したテュデウスを愛していたので彼を不死身にしようとしてアタナシアを送った。テーバイの予言者アムフィアラオスは無理矢理彼を遠征に参加させたテュデウスを恨んでいたのでこの事実を知ると、敵将メラニッポスの首を切ると彼のもとに投げつけた。すると彼はその脳味噌をむさぼり、それを見たアテナは不快に思ってアタナシアを引き上げさせたため、そのままテュデウスは死んでしまった。

常に登場する場面

  • テュデウスのもとから不死の女神アタナシアを連れ去るアテナ
アタランテ / A T A L A N T A / .

アルカディア王イアソス、あるいはオルコメネス王スコイネウスとクリュメネとの娘。生まれるとすぐに捨てられ、雌熊に育てられたのち猟師に拾われたため狩猟を好み、男勝りの女性として成長した。 イオルコスの王ペリアスが死んだときに行われた葬礼競技ではレスリングに参加し、アキレウスの父ペレウスを破った。カリュドンで猪が大暴れしたとき、他の英雄たちとともに狩りに参加したが、彼女に最高の栄誉が与えられたことに異を唱えるものと争いが起きた。また彼女は求婚者に対して競走で勝てば結婚することを約束したがいずれも敗れて殺されてしまった。しかしメラニオンあるいはヒッポメネスはアフロディテに助けられて、黄金のリンゴを三つ授けられると競走中にわざとこれを落とし、彼女が拾っている間に勝利した。二人は結ばれたが神域を汚したためにライオンに変えられてしまった。  

常に登場する場面

  • ペリアスの葬礼競技
  • レスリングをするペレウスとアタランテ
  • カリュドンの猪狩り
  • アタランテとメラニオンの競走
アテナ / A T H E N A / ΑΘΗΝΑ

ゼウスとティタン神族のメティスとの娘で勝利を伴う戦いの神であり、工芸の神でもある。ほとんどの場合が完全武装した姿で描かれ、アトリビュートはアッティカ式の兜と丸い盾及び槍で、アイギスと呼ばれる房飾りのついた胸あてにはペルセウスによって退治されたメドゥーサの頭部がはめ込まれている。彼女を象徴する鳥はフクロウ、植物はオリーヴである。 メティスがアテナを身ごもると、その次に生む子供は父を倒して世界を支配するという予言を知ったゼウスはまだ出産前のメティスを丸ごと飲み込んでしまった。母とともに飲み込まれたアテナはゼウスの頭の中に移動し、ヘファイストスゼウスの頭を斧で割ると完全武装した姿のアテナが生まれた。 彼女はポセイドンとアテナイの街の守護神の地位を争って戦い、ポセイドンがアクロポリスに塩水の泉をわき出させたのに対し、アテナはオリーヴの木を生やし、アテナイ市民は彼女を守護神に選んだ。また彼女は大地から生まれたエリクトニオスガイアから受け取って養育し、彼をアテナイ王にした。誰が一番美しい女神かを争うパリスの審判の場面ではパリスに対して戦いでの常なる勝利を約束したが、世界一美しい女性との結婚を約束したアフロディテに敗れた。 彼女は英雄たちの保護者としてペルセウスベレロフォンヘラクレスイアソンテセウスオデュッセウスなどの数々の冒険を見守っている。また巨人族との戦いギガントマキアではヘラクレスとともに戦車に乗って多くの敵を倒した。 

常に登場する場面

  • アテナの誕生
  • エリクトニオスの誕生
  • アグラウロスを追いかけるアテナ
  • テュデウスのもとから不死の女神アタナシアを連れ去るアテナ
  • パリスの審判

しばしば登場する場面

  • ヘファイストスの帰還
  • パンドラの誕生
  • アポロンとマルシュアスの競演
  • 竜と戦うカドモス
  • メドゥーサを退治するペルセウス
  • ゴルゴンから逃れるペルセウス
  • ポリュデクテスを石化するペルセウス
  • 蛇を絞め殺すヘラクレス
  • ネメアのライオンと戦うヘラクレス
  • レルネのヒュドラを退治するヘラクレス
  • ケリュネイアの鹿を生け捕るヘラクレス
  • ケリュネイアの鹿をめぐって争うヘラクレスとアポロン
  • エリュマントスの猪を生け捕るヘラクレス
  • クレタの牡牛を生け捕るヘラクレス
  • ヘラクレスとアマゾンの戦い
  • ゲリュオンとヘラクレスの戦い
  • キュクノスとヘラクレスの戦い
  • ヘラクレスとアレスの戦い
  • アンタイオスとヘラクレスの戦い
  • ケルベロスを生け捕るヘラクレス
  • デルフォイの鼎を奪うヘラクレス
  • シュレウスとヘラクレスの戦い
  • ギガントマキア
  • アルキュオネウスを退治するヘラクレス
  • ヘラクレスとアケロオスの格闘
  • ヒュロスの誕生
  • オリムポス入りするヘラクレス
  • アルゴナウタイの出発
  • 竜の口から逃れるイアソン
  • 黄金羊皮を盗むイアソン
  • 海の宮殿を訪れるテセウス
  • アリアドネを見捨てるテセウス
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
  • トロイア戦争を計画するテミスとゼウス
  • ペレウスとテティスの結婚
  • トロイロスの遺体をめぐるアキレウスとヘクトルの戦い
  • ディオメデスとアイネイアスの戦い
  • 将棋を指すアキレウスとアイアス
  • アキレウスとヘクトルの戦い
  • アキレウスの鎧の帰属を決めるための投票
  • パラディオンを盗み出すオデュッセウスとディオメデス
  • ナウシカアと出会うオデュッセウス

まれに登場する場面

  • ファオンとアフロディテ
  • ヒッポダメイアを連れ去るペロプス
  • スフィンクスの謎を解くオイディプス
  • トロイロスの待ち伏せ
アドニス / A D O N I S / .

キュプロス島のパポスの王キニュラスとその娘ミュラとの息子。ミュラは神に罰せられて没薬の木に変身させられたが、その木から生まれたのがアドニスであった。アフロディテはその美しさに魅了されて助け、ペルセフォネに預けた。しかし返還を要求しても返そうとしないのでゼウスに訴え、一年の三分の一ずつをそれぞれの女神のもとで、残りの三分の一を自分の好きなところで過ごすように取り決められた。しかし森の中で狩りをしているときに猪におそわれて死んでしまい、悲しみのあまりアフロディテが流した血の涙からアミュモネの花が生まれたという。 アテナイではアドニスの死を悼むアドニス祭が毎年行われた。

常に登場する場面

  • アフロディテと過ごすアドニス
アドメトス / A D M E T O S / .

テッサリアのペライの王フェレスの息子。カリュドンの猪狩りに参加したのち、イオルコス王ペリアスの娘を妻にしようとしたが、王は求婚者に対してライオンと猪の引く戦車を操ることを条件とした。アドメトスは以前アポロンが奴隷となって人間のもとで働かなくてはならなくなったときに優しく迎えたので、彼に助けられてこの難題を成し遂げて彼女を妻とした。 アドメトスが死ぬ運命となったとき、アポロンは彼を愛していたので誰かを身代わりにすれば生きながらえることを約束した。しかしおいた彼の両親もこれを拒んだため、アルケスティスが自ら身代わりとなることを申し出た。死の神タナトスが彼女を迎えに来たが、たまたまアドメトスを訪ねてきたヘラクレスタナトスを追い返したので、彼女は死なずに済んだ。

アトラス / A T L A S / .

ティタン神族のイアペトスとクリュメネの息子で天空を双肩で支えている。彼のそばでは彼の娘たちヘスペリスデスが大蛇ラドンとともに黄金のリンゴを守っていた。ヘラクレスが難行の一つとしてそのリンゴを取りに来たとき、アテナの助言でアトラスにリンゴを取りにいってもらい、そのあいだにヘラクレスが天空を担いでいた。戻ってきたアトラスはもう二度と担ぎたくなかったので、自分が代わりにリンゴを届けるといって逃げようとした。ヘラクレスは担ぐ位置を直したいからそのあいだだけ変わってくれといってアトラスに担がせると、リンゴも奪って逃げ去ってしまい、アトラスは永遠に天空を支える羽目になった。 

常に登場する場面

  • 天を支えるアトラス
  • ヘスペリデスのリンゴをヘラクレスに渡すアトラス
アドラストス / A D R A S T O S / .

アルゴス王タラオスとリュシマケとの息子で、父が殺されて奪われた王座を取り返した。テーバイを追われたオイディプスの息子のポリュネイケスを助け、仲間の七将の軍を率いてテーバイを攻めたが、彼以外の全員が斃れて失敗に終わった。十年後にその息子たちを率いて再びテーバイを攻めてこれを落としたが、自らの息子のアイギアレウスを失った悲しみのあまりに世を去った。 

しばしば登場する場面

  • テーバイ攻めの準備
  • テーバイ攻め
アフロディテ / A P H R O D I T E / ΑΦΡΟΔΙΤΗ

愛と豊饒の女神で、ゼウスに切り取られて海に投げ込まれたクロノスの男根から生まれたとも、ゼウスとディオネの娘とも言われる。アトリビュートは特に存在しないが、エロスを伴うことが多く、白鳥などがともに描かれることもある。 一番美しい女神を決めるパリスの審判ではアテナヘラを破ってその栄冠を勝ち取り、パリスに一番美しい人間の女性を妻として与えることを約束した。その女性とはスパルタ王メネラオスの妻ヘレネで、ゼウスの娘であった。アフロディテはパリスとともにスパルタに向かい、ヘレネをそそのかしてトロイアへ連れ去った。これが原因となってトロイア戦争が始まった。 

常に登場する場面

  • アフロディテの誕生
  • ファオンとアフロディテ
  • アフロディテと過ごすアドニス
  • パリスの審判

しばしば登場する場面

  • ハルモニアの婚礼準備
  • アルケスティスの婚礼準備
  • アタランテとメラニオンの競走
  • ギガントマキア
  • レウキッポスの娘たちを誘拐するディオスクウロイ
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
  • ペレウスとテティスの結婚
  • ヘレネを誘拐するパリス
  • パリスとメネラオスの戦い
  • ディオメデスとアイネイアスの戦い
  • ヘレネと再会するメネラオス

まれに登場する場面

  • ヘファイストスの帰還
アポロン / A P O L L O N / ΑΠΟΛΛΩΝ

ゼウスレトとの息子でアルテミスの双子の兄弟。音楽、予言、医術、弓術の神。アトリビュートは弓矢と竪琴で、聖樹は月桂樹。古い時代には髭の生えた姿で描かれたが、六世紀には髭のない若者の姿で描かれるようになった。 レトを犯そうとした巨人ティテュオスアルテミスとともに射殺し、レトよりも子供の多いことを自慢したニオベを罰するためにその子供たちをアルテミスとともに殺した。アルテミスの聖獣であるケリュネイアの鹿を生捕りにしようとしたヘラクレスを阻止しようとして争い、デルフォイの巫女に対して腹を立て、聖なる鼎を奪おうとしたヘラクレスと再び争った。 ゼウスに罰せられて人間の奴隷として働かなくてはならなくなったときに親切にしてくれたテッサリアのペリアの王アドメトスの恩に報いるため、娘アルケスティスを彼に嫁がせる条件としてその父が課したライオンと猪の引く戦車を操るという難行の成功に力を貸した。またエウエノスの娘マルペッサをめぐってイダスと格闘したが、ゼウスの仲裁で彼女の好きな方を選ばせるとイダスが選ばれた。トロイア戦争ではトロイア側に味方し、パリスの矢をあやつってアキレウスのかかとを射抜かせた。このほか父の敵である母を殺したオレステスを守護し、無実を勝ち取らせた。 

常に登場する場面

  • アポロンとマルシュアスの競演
  • ティテュオスを退治するアポロンとアルテミス
  • ニオベの子供たちを射殺すアポロンとアルテミス
  • イダスと格闘するアポロン
  • アドメトスの戦車
  • ケリュネイアの鹿をめぐって争うヘラクレスとアポロン
  • デルフォイの鼎を奪うヘラクレス
  • アキレウスを射るパリス
  • デルフォイのオレステス
  • グリフィンに乗るアポロン

しばしば登場する場面

  • ギガントマキア
  • オリムポス入りするヘラクレス
  • 首だけになったオルフェウス
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
  • ペレウスとテティスの結婚

まれに登場する場面

  • アテナの誕生
  • クレタの牡牛を生け捕るヘラクレス
  • パリスの審判
  • トロイロスの待ち伏せ
  • アキレウスとヘクトルの戦い
  • ヘレネと再会するメネラオス
アマゾン / A M A Z O N / ΑΜΑΖΩΝ

女性だけからなる好戦的な民族で、カウカソスやコルキス、スキュティアなど北部地方に住んでいた。ヘラクレスが難行の一つとしてアマゾン族の女王ヒッポリュテの帯を求めにやってきたとき、ヘラの策略によって戦いとなり、女王は殺された。その後テセウスがアマゾン族遠征に訪れたときヒッポリュテの姉妹アンティオペを捕らえて連れ帰った。これに腹を立てたアマゾン族はアッティカまで攻め寄せたが激戦の末敗れた。トロイア戦争ではトロイアに味方して戦ったが、女王ペンテシレイアアキレウスに敗れた。

常に登場する場面

  • ヘラクレスとアマゾンの戦い

しばしば登場する場面

  • ペンテシレイアとアキレウスの戦い
アミュコス / A M Y K O S / .

ポセイドンの息子でビテュニアのベブリュクス人の王。自分の国にやってきた人間に拳闘の勝負を挑んでは殺していた。しかしイアソン率いるアルゴナウタイの一行が訪れたとき、拳闘の名人ポリュデウケスに敗れ、殺されたとも、ポリュデウケスの言うことにすべて従わなくてはならなくなったとも言われる。 

アミュモネ / A M Y M O N E / .

リュビア王ダナオスの娘の一人。父とともにアルゴスに逃れたとき、泉に水を汲みにいったところをサテュロスに襲われそうになった。しかしポセイドンに助けられて、息子ナウプリオスを産んだ。

常に登場する場面

  • アミュモネを襲うサテュロス
  • アミュモネを追いかけるポセイドン
アムフィアラオス / A M P H I A R A O S / .

オイクレスとヒュペルムネストラとの息子でアルゴスの武将。予言の能力を持ち、ポリュネイケスがテーバイを追われてアルゴスを訪れ、彼を王位に戻すためのテーバイ攻めが決定したとき、アムフィアラオスはこの戦いが失敗に終わり、自らも命を落とすことを知って参加を断った。しかしポリュネイケスが先祖から伝わるネックレスで彼の妻エリヒュレを買収し、アルゴス王アドラストスと和睦した際に問題が起きたときはエリヒュレの判決に従うという取り決めがなされていたために戦いに赴かざるを得なくなった。そのため彼は息子たちに自分の敵を討ち、母を殺すよう誓わせて出発した。 テーバイにおいてまさに殺されそうになったとき、ゼウスが彼を憐れんで大地を裂き、乗っていた戦車ごと彼を飲み込んだ。 

常に登場する場面

  • テーバイ攻めの準備
  • アムフィアラオスの出陣
  • テーバイ攻め

しばしば登場する場面

  • ペリアスの葬礼競技
アムフィトリテ / A M P H I T R I T E / .

ネレウスとドリスとの娘で海の女王。ポセイドンの妻となり、トリトンを始めたくさんの子供をもうけた。 ポセイドンの息子とされるテセウスがその事実を確かめるためにクレタ王ミノスが海に投げ込んだ金の指輪を探して海に飛び込んだとき、彼を迎えて指輪を渡すとともに黄金の冠を与えた。 

しばしば登場する場面

  • 海の宮殿を訪れるテセウス
  • ペレウスとテティスの結婚

まれに登場する場面

  • タロスを殺すメデイア
アムフィトリュオン / A M P H I T R I O N / .

ペルセウスの息子アルカイオスとアステュダメイア、あるいはリュシディケとの息子。彼が戦場に赴いている間に妻アルクメネはアムフィトリュオンに姿を変えたゼウスと交わってゼウスの子供ヘラクレスとアムフィトリュオンの子供イフィクレスの双子を産んだ。

しばしば登場する場面

  • 蛇を絞め殺すヘラクレス
アムフィロコス / A M P H I L O C H O S / .

アルクマイオンとマントとの息子。アルゴスの武将の一人としてトロイア戦争に参加した。

まれに登場する場面

  • ポリュクセナの犠牲
アリアドネ / A R I A D N E / .

クレタ王ミノスとパシファエとの娘。ミノタウロスを退治しにやってきたテセウスに恋し、彼が迷宮へ向かうときにこれを設計したダイダロスに頼んで脱出する方法を教わり、テセウスミノタウロスを倒して仲間とともに迷宮を抜け出すことができた。彼女はテセウスに連れられてクレタを出航したが、立ち寄ったナクソス島で置き去りにされた。しかし酒神ディオニュソスに見初められて救われ、彼の妻となった。 

常に登場する場面

  • アリアドネを見捨てるテセウス

しばしば登場する場面

  • 勝利のダンスを踊るテセウスとアテナイの若者たち
  • ミノタウロスを退治するテセウス
アルギオペ / A R G I O P E / .

ニンフの一人で、アポロンの息子フィラムモンとの間に息子タミュリスを産んだ。しかし夫に捨てられて息子とともにトラキアに逃れた。タミュリスムサに音楽競技を挑んで敗れ、盲目にされた。

しばしば登場する場面

  • 盲目にされるタミュリス
アルキュオネウス / A L C Y O N E U S / .

オリムポス神にギガントマキアと呼ばれる戦いを挑んだ巨人族ギガスたちの一人。しかし眠っているところをヘラクレスに殺された。

常に登場する場面

  • アルキュオネウスを退治するヘラクレス
アルクマイオン / A L K M A I O N / .

アルゴスの武将で予言者のアムフィアラオスエリヒュレとの息子。ポリュネイケスがテーバイを追われてアルゴスを訪れ、彼を王位に戻すためのテーバイ攻めが決定したとき、父はこの戦いが失敗に終わり、自らも命を落とすことを知って参加を断った。しかしポリュネイケスが先祖から伝わるネックレスでエリヒュレを買収し、以前の取り決めによって父は戦いに赴かざるを得なくなった。そのため父は息子に自分の敵を討ち、母を殺すよう誓わせて出発した。 十年後もう一度テーバイ攻めが計画されたとき、再びエリヒュレポリュネイケスの息子テルサンドロスに買収され、戦いが決定した。アルクマイオンはこの戦いに勝利すると神託に従って母を殺して誓いを遂行した。 

常に登場する場面

  • アムフィアラオスの出陣
  • エリヒュレを殺害するアルクマイオン
アルクメネ / A L K M E N E / ΑΛΚΜΗΝΗ

ミュケナイ王エレクトリュオンとアナクソとの娘で、ティリュンス王アムフィトリュオンの妻。夫が遠征に出ているとき、ゼウスが夫の姿に変身し、アルクメネと結ばれた。翌日夫が帰ってみるとすでに前日に帰ってきていたと聞いて不思議に思ったが何事もなく結婚生活を続けた。その後ヘラクレスイフィクレスの双子を身ごもったが、前者はゼウスの子、後者は夫の子であった。ゼウスの妻はこれを知ると激しく嫉妬し、ことごとく苦しみを与えてきた。まずお産の女神エイレイテュイアを説得してお産の妨害をした。また子供が産まれると毒蛇を送り込んで殺そうとしたが、赤子のヘラクレスが捕まえて絞め殺してしまった。 その後様々な苦難を乗り越えてヘラクレスヘラが和解し、夫も息子もこの世を去るとクレタ島の王ラダマンテュスと再婚した。

しばしば登場する場面

  • 蛇を絞め殺すヘラクレス
アルケスティス / A L K E S T I S / ΑΛΚΗΣΤΙΣ

イオルコス王ペリアスとアナクシビアとの娘。父は娘の求婚者に対してライオンと猪の引く戦車を操ることを条件とした。ペライの王アドメトスは以前アポロンが奴隷となって人間のもとで働かなくてはならなくなったときに優しく迎えたので、彼に助けられてこの難題を成し遂げて彼女を妻とした。 アドメトスが死ぬ運命となったとき、アポロンは彼を愛していたので誰かを身代わりにすれば生きながらえることを約束した。しかしおいた彼の両親もこれを拒んだため、アルケスティスが自ら身代わりとなることを申し出た。死の神タナトスが彼女を迎えに来たが、たまたまアドメトスを訪ねてきたヘラクレスタナトスを追い返したので、彼女は死なずに済んだ。

常に登場する場面

  • アルケスティスの婚礼準備
アルゴス / A R G O S / .

いくつもの目を持つ怪物で、陶器画では二つの顔を持つ人間あるいは全身に目を持つ人間の姿で描かれる。ヘラの命令で牝牛に変身させられたイオの見張りを任されたとき、ゼウスに使わされたヘルメスに殺された。 

常に登場する場面

  • アルゴスを退治するヘルメス
アルテミス / A R T E M I S / ΑΡΤΕΜΙΣ

アルテミスはゼウスレトとの娘でアポロンの双子の姉妹。狩猟と野生の守護神である。アトリビュートは弓矢で、動物の毛皮を羽織り、雌鹿をはじめとする野生の動物を伴うことが多い。 彼女の裸を見た、あるいは彼女よりも狩りがうまいと自慢したアクタイオンを罰して鹿に姿を変え、その猟犬に噛み殺させた。レトよりも子供が多いことを自慢したニオベに対しては、アポロンとともにニオベの子供たちを射殺すことで罰を加えた。レトを犯そうとした巨人ティテュオスアポロンとともに射殺した。ヘラクレスがケリュネイアに住む彼女の聖獣の雌鹿を生け捕りにくると、アポロンとともに渡すまいとして争ったが、エウリュステウス王のもとに連れていったら必ず返すと約束させたのちに渡した。またアポロンがデルフォイの鼎をめぐってヘラクレスと争ったときも兄弟を支援している。 

常に登場する場面

  • ニオベの子供たちを射殺すアポロンとアルテミス
  • アクタイオンの死
  • ティテュオスを退治するアポロンとアルテミス

しばしば登場する場面

  • グリフィンに乗るアポロン
  • イダスと格闘するアポロン
  • ケリュネイアの鹿を生け捕るヘラクレス
  • ケリュネイアの鹿をめぐって争うヘラクレスとアポロン
  • デルフォイの鼎を奪うヘラクレス
  • ギガントマキア
  • ペレウスとテティスの結婚
  • パリスとメネラオスの戦い

まれに登場する場面

  • アテナの誕生
  • ヘファイストスの帰還
アレス / A R E S / ΑΡΗΣ

ゼウスヘラとの息子で、戦いの神であるがアテナと異なり必ず勝利を導くとは限らない。常に完全武装した姿で描かれ、髭を生やした青年として描かれることが多い。しかし武具以外にアトリビュートがないため、人間の戦士と区別することは難しく、ほかの神々の存在から識別されることが多い。またほかの神々に比べて演じる役割は少ない。 息子のキュクノスヘラクレスと戦ったときは息子の後ろ盾となり、息子が殺されると自らヘラクレスと一騎打ちしたが、ゼウスが雷霆を投げて両者を仲裁した。 

常に登場する場面

  • ヘラクレスとアレスの戦い

しばしば登場する場面

  • キュクノスとヘラクレスの戦い
  • ギガントマキア
  • ペレウスとテティスの結婚

まれに登場する場面

  • アテナの誕生
  • アフロディテの誕生
  • ヘファイストスの帰還
  • パンドラの誕生
  • 車輪に縛り付けられるイクシオン
アンキセス / A N C H I S E S / .

トロイア王家の一族カピュスの息子。ゼウスをはじめとする神々の策略でアフロディテが彼に夢中になってしまい、彼と結ばれるとアイネイアスが生まれた。 トロイア戦争が起こった頃にはすでに老年で戦いに加わることはできなかった。トロイアが陥落すると、アイネイアスに背負われて孫のアスカニオスとともに脱出し、新たな居住地を探す途中シチリアで没した。

常に登場する場面

  • トロイアから落ち延びるアイネイアス一家
アンタイオス / A N T A I O S / .

ポセイドンガイアとの息子で、リビュアに住んで旅人にレスリングを挑んでは殺していた。彼は巨人で、大地から力を吸収することができたために無敵であった。ヘスペリスの黄金を求める途中立ち寄ったヘラクレスにも戦いを挑んだが、持ち上げられて大地から引き離されたために力を失い、首を絞められて死んだ。 

常に登場する場面

  • ヘラクレスとアンタイオスの格闘
アンティオペ / A N T I O P E / .

アマゾン族の女王ヒッポリュテの姉妹。テセウスアマゾン族平定に乗り出したとき、彼に捕らえられてアテナイまで連れてこられた。アマゾン族は後を追ってアテナイまで攻め寄せたが敗れた。アンティオペはテセウスの妻となり、ヒッポリュトスを生んだ。 

常に登場する場面

  • アンティオペを連れ去るテセウス
アンドロマケ / A N D R O M A C H E / .

小アジア南部トロアスのテベの王エエティオンの娘でトロイア王子ヘクトルの妻。一人息子のアステュアナクスを生んだ。しかしトロイア戦争で夫がアキレウスに殺され、トロイアが陥落するとまだ幼い息子までアキレウスの息子ネオプトレモスによって殺されてしまった。その後妾としてネオプトレモスに捕らわれ、三人の子供をもうけた。 

しばしば登場する場面

  • ヘクトルの出陣
  • トロイア陥落
アンドロメダ / A N D R O M E D A / ΑΝΔΡΟΜΕΔΑ

エティオピアのイオッペの王ケフェウスとカッシオペイアとの娘。母が彼女のことを海神ネレウスの娘たちよりも美しいと誇ったためその怒りを買い、ポセイドンに頼んで巨大な海蛇を送り込んだ。これを鎮めるためにはアンドロメダを生け贄に捧げなければならず、彼女は海岸の岩山に縛り付けられた。 そこへメドゥーサ退治を終えたペルセウスが通りかかり、怪物にメドゥーサの首を見せてこれを石に変えてしまった。ペルセウスと結ばれたアンドロメダは数多くの英雄の祖となる子供たちを生んだ。 

常に登場する場面

  • 縛られるアンドロメダ