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府中市・郷土の森で“ちょっとむかし展”開催

1998年7月19日〜8月31日

 府中市で開かれた「第38回商工まつり」のスペシャル・イベント“ジャッキー吉川とニューブルーコメッツ・コンサート”を集中的に取り上げさせていただいたのに続き、今度も、府中市の「郷土の森」という大きな公園で開かれている“ちょっとむかし展”という催しを紹介させていただこうと思います。まるで、府中市広報のような雰囲気になってきておりますが、たまたま、私が狂信的ファンだったブルコメのコンサートに続き、この「60年代通信」をそのまま展示会にしたようなイベントが開かれているということでありまして、まったくの偶然ですので、悪しからず、ご了承いただきたいと思います。
 この「ちょっとむかし展」というのは、60年代〜70年代辺りを中心に、歌謡曲やマンガ、アニメ、キャラクターグッズなど、この「60年代通信」をご覧いただいている皆様には、懐かしさのあまり、思わず、ノドから手が出かねないような垂涎の的であろう品々が、会場いっぱいに展示されているのであります。
 左の画像は、夏休み期間中の「郷土の森博物館」の行事案内パンフレットの説明部分でありますが、例によりまして、この画像では文字が読みにくいのではないかと思われますので、私が打ち込ませていただきます。
 「30代、40代のおとうさん、おかあさんたち! あなたたちがまだ小さかった頃、そして青春真っ只中だった頃に見たもの、聞いたもの、遊んだもの、愛用していたものが大集合します。60年代後半から80年代中頃までを彩る若者文化のサブカルチャーは、このひと夏、ちょっぴりノスタルジックな思い出探しの旅を満喫させてくれるでしょう」
 ということで、突然、話が私事に及んで恐縮ですが、この府中市の「郷土の森」という公園は、私達一家が京王線の中河原駅の近くに住んでいた頃に出来た公園で、当時、私達一家は、ほとんど毎週末、お弁当を持っては出かけていた自分ちの庭みたいなところでありまして、さらに、私事にわたる話を続けさせていただきますと、ウチのカミさんは、この「郷土の森」という公園で、大体、月に一度くらいの頻度で、子供たちを集めて紙芝居やお話し会などをやっている市民サークルにも参加させていただいておりまして、我が家にとっては、非常に、馴染の深い公園であります。
 プライベートな話をさせていただいてしまいましたが、この「郷土の森」という公園は、広い公園の敷地の中に、明治時代くらいからの府中市の町役場や郵便局、商店など古い木造建築物などが、そのまま移築されており、その中には、小学校の木造校舎もあり、私のお気に入りの公園となっています。古い民家や農家などが、博物館のように展示の対象になっているわけですが、私の子供時代には、日常生活の中で当たり前に使われていた品々などが、既に、博物館入りするような時代になってしまっていることに驚いてしまう一方、本当に、懐かしく、心落ち着く場所でもあるわけです。小学校の木造校舎も、ほとんど、私達が子供時代に勉強していた頃と変わらないもので、恐らく、40代以上の方には、たまらなくノスタルジーをそそられることと思います。
 この「ちょっとむかし展」が開かれている間に、是非、一度、「郷土の森」を訪れてみてはいかがでしょうか。
 「60年代通信」をご覧いただいている皆様には、きっと何か、収穫を得ることができる公園だと思います。
 ということで、例によりまして、前振りが異様に長くなってしまいましたが、先週末に行って来た「ちょっとむかし展」の様子を、簡単にレポートさせていただきます。

 博物館の正面玄関脇では、鉄腕アトムが私達を迎えてくれます。
 オヤジの影響で、60年代サブカルチャーを、あたかもリアルタイムで経験しているかのように錯覚させられ、当時のキャラクターも熟知している私の次男は、アトムを見るやいなや、いきなり、「あっ、アトムだ」といって、アトム人形を囲っていた鎖をかいくぐり、アトムと記念撮影をしてしまったのでありました。
 正面玄関の前に容易されたショウケースの中には、今年初めに亡くなられた石ノ森章太郎さんの「ジュン」の単行本や、ブルーコメッツのデビューシングルである「青い瞳」なども飾られていました。

 「ちょっとむかし展」の入場料は大人200円ですが、「郷土の森」の入園料が大人50円ですので、この「ちょっとむかし展」の会場に入るためには250円が必要ということになります。
 i会場の入り口で200円を払って中に入りますと、左手のショウケースには、60年代を象徴するビッグイベント、というよりも、恐らく、日本の社会を60年代以前と60年代以後とにはっきり区別させる最大の分水嶺となった東京オリンピック関連の資料が並べられていました。続きまして、なぜか、オープンリールのテープレコーダーが数台並べられ、その一番端には、私自身にとっても、いわゆるウォークマン製品としては初めて購入したアイワの初代カセットボーイも飾られていました。私が、現在、使っているSONYのウォークマンは、私が使う一連のウォークマン製品としては、既に十数台目でありますが、思えば、私のウォークマン人生は、このアイワの初代カセットボーイから始まったのでありました。ちなみに、私の初代カセットボーイは、この「60年代通信」では、たびたび言及させていただいている、京王線・中河原駅から歩いて5分ほどのところにある別宅、といっても、四畳半一間の古いアパートですが、その押し入れのダンボールの中で、静かに眠っているはずであります。



 さて、次に展開されるのが、マンガの展示でありまして、光文社のカッパコミックスの「鉄腕アトム」シリーズなどとともに、懐かしい「ビッグエックス」や「スーパージェッター」「宇宙エース」などの特集本も展示されておりました。
 また、私達の子供時代に児童文学の世界で一世を風靡していた「ひろすけ童話」のシリーズも飾られており、大変に懐かしく思いました。

 さて、展示会場の中央部には、この「60年代通信」の「60年代のCM」のコーナーで第一号として取り上げさせていただいた不二家のペコちゃん人形や、グリコの一連の懸賞グッズの中でも最も人気が高かったと言われ、私自身も持っていた「せっかち君」と「おとぼけ君」も飾られていました。個人的に言いますと、この「せっかち君」の現物を、およそ30年ぶりに、この目で見ることが出来ただけでも、200円の入場料の元は十分に取れたという気分になれました。

 また、会場の一隅には、懐かしい懐かしい、とオリエンタル・カレーのCMソングのようなフレーズになっておりますが、本当に懐かしい60年代の茶の間も再現されておりました。ちゃぶ台もガチャガチャとチャンネルを回すテレビも、ダイヤルを回す黒電話も、私達にとっては、ほんのちょっと前まで、当たり前に使っていたと思われるものが、既に、こうして、博物館の催しで展示されてしまうような時代になってしまっているわけです。

 続きましては、この「60年代通信」の「マンガ」や「テレビ」のコーナーでも資料として大いに活用させていただいている朝日ソノラマに代表されるソノシートの世界の展示であります。
 私がリアルタイムで知っているのソノシートの世界というのは、「鉄腕アトム」や「鉄人28号」などのテレビ・アニメがソノシート化されるようになってからですが、それ以前からも、我々の世代の「おかあさんといっしょ」の人気キャラクターだったブーフーウーなどもソノシートになっていたというのは、今回の展示で初めて知りました。
 さらに、「日本合戦唱歌」などというコテコテのレアものや、「4枚タッタ200円」シリーズにも受け継がれていった「世界国家集」などというのも展示されており、ソノシート・レコードの文化も非常に奥行きの深いものであることを改めて思い知らされた次第であります。
 例によりまして、電車狂いの私の次男は、展示されているソノシートの中から、「こだま号」の特集を目ざとく見つけ、暫く、見入っておりました。
 なお、このコーナーには、懐かしいポータブル・レコード・プレーヤーも一緒に飾られていました。

 さらに、歌謡曲の世界についても、夥しい数のシングル・レコード、いわゆるドーナツ盤も飾られていました。思えば、このドーナツ盤などという言葉も、既に、死語と化しているわけであります。
 時代は下りますが、キャンディーズ関係の展示も、かなり充実しており、70年代アイドルにどっぷり浸っていた私にとっては、これもまた、懐かしいものでありました。
 さらに、アメリカン・ポップスというかロックなどの洋盤もののLPレコードや洋画のパンフレットのコーナーも用意されています。

 映画の世界も、70年代を代表する「宇宙戦艦ヤマト」のシリーズや80年代の「機動戦士ガンダムの展示もありましたが、その片隅に「サイボーグ009」の資料も置いてありまして、ヤマトやガンダムといった映画シリーズの先駆者としての009の位置づけに思いをいたしたりしたわけであります。
 出口附近には、円谷プロダクションのウルトラマンシリーズのヒーロー人形と怪獣人形も並べられており、この辺になってくると、今なおシリーズが続いているだけに、私達の子供たちの世代でも楽しめるかもしれません。
 会場の外には、アトム関連グッズのショップや、8マン、鉄腕アトム、鉄人28号などのマンガの単行本や文庫本、さらには、講談社から刊行されている「週刊20世紀」の50年代〜80年代のものも販売されていて、この辺りの資料をまとめて揃えたいとお考えの皆さんにも、いい機会になるのではないかと思います。

 ということで、駆け足で、「ちょっとむかし展」をレポートさせていただきましたが、私が紹介させていただいた以外にも、プロ野球やプロレス関係などの展示もありました。
 会場に来ていた小学生くらいの3人連れの男の子達は、展示を見ながら、「何だよ。ちょっと昔じゃなくて、すっげぇ昔じゃねぇか」と言っておりましたが、私がレポートさせていただいた内容が「すっげぇ昔」ではなく「ちょっと昔」に思え、甘いノスタルジーをそそられるアナタ、この展示会は8月31日までということですので、子供時代の夏休みの宿題を片づけるようなつもりで、時間を見つけて「郷土の森」を訪ねてみてください。
 前にも、書かせていただいた通り、「60年代通信」も、この「郷土の森」のテーマに通じるものを持っているような気がしていますし、実際に行かれてみれば、この展示会だけでなく、「郷土の森」という公園全体が、何か、懐かしい、心休まる場所であることに気づかれるのではないかと思います。

[参考データ]

府中市郷土の森博物館
〒183-0026 東京都府中市南町6-32 TEL:042-368-7921

※8月の休園日は8月3日(月)だけですので、今月中は、ずっとやっているはずですが、お出かけの際は、念のため、電話で確認してからの方が無難だと思います。行き方としては、府中近辺の土地カンがおありにならない方は、京王線の分倍河原からバスを利用されることをお勧めします。















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