「ペコちゃん、いくつ」キャンペーン(不二家)
私の記憶の中では、このペコちゃんというのは、お菓子屋さんのイメージそのものであります。「60年代のお菓子」のコーナーの「渡辺のジュースの素」で、私は、「駄菓子屋」「お菓子屋」「食料品店」という、何を基準に分けるのだろうと思われる言葉の使い分けをしていますが、ここで言う「お菓子屋さん」というのは、何を隠そう、何も隠すことはありませんが、実は、ペコちゃん人形が置いてある、というのが絶対的な基準になっていたのです。お菓子を売っていても、このペコちゃん人形が置いてなければ、そのお店は、何と言おうと、何も言われませんでしたが、私の頭の中では、お菓子屋さんのカテゴリーにはインプットされなかったわけです。
私のペコちゃん人形へのこだわりはともかく、不二家は、恐らく、このペコちゃんというキャラクターの市場への浸透を図るためだったと思われますが、まだ、テレビ放送が始まったばかりの、昭和29年に、早くも、テレビCMを使った「ペコちゃん、いくつ」キャンペーンを展開するという、極めて斬新な手法を、私が生れる前に行っていたわけであります。私が生れる前ですし、当然、我が家にテレビが来る前であり、テレビを放送していたのもNHKと日本テレビだけという時代で、私が生れ育った新潟県長岡市には、ローカルの民放局さえなかった時に、もう、こんなCMが流れていたわけであります。
やたら、能書きばかり長くなっておりますが、このCMキャンペーンは、ペコちゃんの赤ちゃん時代、幼少時代、お姉さん時代を見せながら、このペコちゃん人形のモデルになっているペコちゃんの年齢を当てて下さいというものだったようであります。私が繰り返し言っているペコちゃん人形というのは、このキャンペーンの3等の商品にもなっています。この商品がそのまま、不二家のキャラクター・マスコットとして、全国の不二家商品を扱うお店に配られたものと思われ、そのペコちゃん人形を不二家の思惑通り店内に飾ったお店だけが、幼き日の60年代評論家・鈴木清美によって「お菓子屋さん」と認定される栄誉に浴したというわけであります。
不二家がこのキャンペーンにどんなに力を注いだかということは、商品にも現れており、恐らく、大学初任給の月給が1万円にも満たなかったであろうこの時代に、何と外車のルノーを1等にしてしまっているほどです。2等も自転車で、私の記憶によれば、この頃のプロ野球オールスター戦で、MVPに選ばれたプレーヤーに贈られる商品は自動車ではなく、自転車だったはずで、やっぱり、これは、すごいキャンペーンだったのではないかと思う次第であります。
というわけで、とりあえず、本題の60年代のTVコマーシャルに入る前に、先史時代とも言うべき50年代の代表的TVコマーシャルをご紹介させていただきました。
あ、ちなみに、このキャンペーンで、ペコちゃんは6歳に決定したそうです。
ところで、このキャンペーンの2等の商品の画像に出てくるペコちゃんの右側で自転車に乗っている男の子のポコちゃんは、最近、見かけなくなりましたが、どうしているのでしょうか。
|