60年代の漫画

スーパージェッター  

 これで通算6本目となる「60年代の漫画」の今回のメニューは、「スーパージェッター」です。
 「スーパージェッター」は、この「60年代の漫画」の第1回で取り上げさせていただいた「風のフジ丸」の作者でもある久松文雄であります。
 まだ、始まって6回ですが、既に、久松文雄で2作品、横山光輝も「鉄人28号」「伊賀の影丸」の2作品ということで、作者に著しい偏りが生じておりますが、ひとえに、手元の資料の制約によるものでありますので、悪しからず、ご了承ください。今後、徐々に、作者と作品の幅を広げるべく頑張っていきたいと考えています。
 さて、毎度同じ様なことばかり書かせていただきますが、この「スーパージェッター」も、「60年代の漫画」でも、「60年代のテレビ」でも、どちらの対象ともなりうる作品だと思いますが、この作品は、私の記憶の中では、『週刊少年サンデー』の人気連載漫画というイメージが強く、従いまして、「60年代の漫画」ということで取り上げさせていただきます。
 左の画像は、当時、朝日ソノラマから出ていた「スーパージェッター」のソノシート・ブックの表紙でありますが、私が初めて買った朝日ソノラマのソノシート・ブックが、この「スーパー・ジェッター」でしたので、個人的にも、非常に懐かしく思い入れの強い作品であります。当時、既に、野球少年だった私は、この頃から、毎日、自宅前の福島江の土手を走ることを日課にしており、毎月、ちゃんと走った日にはカレンダーにチェックマークが入り、完走した月には、その皆勤賞として、親父がソノシートを買ってくれることを約束してくれていました。その記念すべき皆勤賞の第一号が、この「スーパージェッター」だったというわけです。

 さて、それはともかく、『サンデー』で「スーパージェッター」の連載が開始されたのは、1965(昭和40)年1月1日号からで、その連載期間中、『サンデー』には、「伊賀の影丸」(横山光輝)、「おそ松くん」(赤塚不二夫)、「サブマリン707」(小沢さとる)、「オバケのQ太郎」(藤子不二雄)、「W3(ワンダースリー)」(手塚治虫)といった人気漫画が目白押しで、恐らく、私自身も、最も『サンデー』を夢中で読んでいた時期だったと思います。
 右の画像は、その連載第1回の口絵ですが、題字の上には、“科学冒険まんが”の文字が添えられ、右側には「1月7日からTBSより、全国放送!!」とあります。さらに、下のクレジットを見ますと、「企画TBS、え・久松文雄」となっています。つまり、この「スーパージェッター」は、当初から、テレビとの連動で作品が企画されたものであることは明らかであり、その意味では、紛れもなくテレビアニメ作品としての性格を持つものだったと思われます。
 私も、テレビアニメの方も、ほとんど毎週のように見ていましたが、『サンデー』の連載漫画としても、少なくとも、私の周囲では、非常に人気の高い作品でした。
 この口絵の図柄を見て思い出しましたが、スーパージェッターが利用していたタイムマシン兼エアカーである流星号のプラモデルというのもあって、不器用でプラモデルを作るのが悲劇的に下手クソだった私も、組み立て手順が単純で作りやすかった流星号のプラモデルで遊んでいたものであります。
 テレビ放送は、1965(昭和40)年1月7日から1966(昭和41)年6月23日までということですから、私の場合、小学校3年から小学校5年までの間だったことになります。流星号のプラモデルで遊んでいたのは、恐らく、小学校4年の頃だったのではないかと思われ、ヒネた子供だった割には、結構、幼い遊び方もしていたようです。
 手元の資料によりますと、「スーパージェッター」は、やはり、TBSが「エイトマン」の後番組として制作したもので、この作品から局サイドによって、企画・ストーリーが作られ始めたといいます。

 「スーパージェッター」を知らない方のために、朝日ソノラマから出ている『宇宙船別冊・60年代ヒーローグラフィティ・懐かしのソノシート世界』から、簡単なストーリーの説明を紹介します。

 「30世紀の未来から悪人ジャガーを追って20世紀にやってきたタイムパトロール隊員ジェッターの冒険。タイムマシン流星号の故障で20世紀に留まり、パラライザーやタイムストッパーなどの未来武器を駆使して現代の悪と戦う」
  

 ということで、左のスーパージェッターの図解説明をご覧いただければと思いますが、これも、文字まではご覧になれないだろうと思いますので、また、私の方で、上から順番に打ち込ませていただきます。

[スーパージェッターの秘密]
★力は人間の5倍
★知能は数倍優れている!!
赤外線透視めがね=暗くてもものがよくみえ、望遠鏡にもなる
防護服(説明なし)
パラライザー=人間をまひさせたり、かんたんな機械を狂わせたりすることができる
反重力ベルト=重力をけす装置があり、バックルを回すと、空中に浮き上がることができる
タイム・ストッパー=(1)アンテナを伸ばすと、愛車・流星号をよぶことができる、(2)30秒だけ、まわりの時間を止めることができる

 ということで、この[スーパージェッターの秘密]には書いてありませんが、私の記憶によれば、流星号というのは、特に、操縦捍やハンドルなどというものはなく、人工頭脳を持っていて、操縦者が思った通りに動いてくれる極めて優秀な乗り物で、私も欲しいなあと思ったものです。
 それから、登場人物としては、女性記者の水島かおる、科学捜査局の西郷長官、30世紀からジェッターに追われて逃げてきたジャガーなどというのがおりました。西郷長官の声は、「ケペル先生」や「ひょっこりひょうたん島」のトラひげの声、あるいは、「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌を歌っていたことで有名な熊倉一夫でありました。

 そして、さきほども触れた通り、この「スーパージェッター」は「エイトマン」の後番組としてTBSが企画したものであり、番組のスポンサーは「エイトマン」と同じ丸美屋でありました。
 丸美屋といえば“のりたま”、“のりたま”といえば“エイトマンのシール”でありまして、「エイトマン」の放映中には、のりたまを買うと、袋の中にエイトマンのシールが入っていたものでありますが、このスーパージェッターの時に、のりたまの袋の中にジェッターのシールが入っていたという記憶は、私にはありません。
 すでに、のりたまを食べるような年齢ではなかったため、記憶にないだけなのか、よく分かりません。
 のりたまは、現在、パッケージのデザインが変わってしまいましたが、今でも、私は、海外出張に行く時には、必ず、のりたまを持っていき、ホテルの部屋でα米を炊いて、ほかほか御飯にのりたまをかけて食べています。
 また、数年前には、まさしく、このジェッターの広告にあるニワトリの体がタマゴになっているデザインのパッケージの復刻版が販売されたことがあり、これには、しっかりとエイトマンのシールも入っていました。
 そのエイトマンのシールは、現在も、私の財布に、しっかりと貼ってあります。










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