住宅購入

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物件探し

アメリカでは中古物件の売買が盛んです。アパートを借りるよりも家を購入する理由の 1 つとして、景気さえよければ(アメリカ全体の景気と言うよりも、物件を買う場所での景気が重要になります)家を売るときにそれほど困らないどころか評価額の上昇分得をするという話があります。さらに固定資産税とローンの利息分は所得税から控除できるという利点もあります。

ただ景気の良さがずっと続くことが分かっていれば皆儲かることになり、そんなにおいしい話がないのは世の常です。これは未だに続いているサブプライムローン問題を見ても明らかです。さらに購入後は以下の出費が予想されます。

所得税からの控除は、標準控除ではなく項目別控除を選択しないと住宅購入による減税の恩恵を受けることができません。ローン額が小さかったり年の終わりに住宅購入した場合などには控除額的に標準控除を選択せざるを得ず、住宅購入がすぐに減税につながるというわけではありません。

以上の理由により、個人的には本当に家が必要と思わない限り買わない方がよいと思います。家が必要になる理由として以下が考えられます。

家を買うと決めた場合、物件探しをする前にまずはどの辺りに住みたいかアパート以上によく必要があります。治安、子供が行くことになる学校の質、静かさなど、考えるべき要素はいくつかあります。長く住んでいる場所であれば自分で判断できることと思いますが、新しい土地であればぜひ長く住んでいる人に意見を聞くべきだと思います。以下、静かさを考える上で重要と思われることを挙げます。

物件購入の形態は大きく 2 通りあります。

物件探しは自分が気に入った場所周辺をドライブして売り家の看板が出ている物件を探してもいいですし、インターネットのホームページ上でよさそうな物件を探すのもいいです。アラバマではインターネット上で家の間取り図や建坪(実際には square feet ですが)が出ていないのが普通です。また新しく売りに出された物件を除いて、いつ頃売りに出されたかは全く書いてありません。不動産屋に聞けばある程度分かると思いますが、売り出している期間が長いほど値段の付け方や物件自体に問題がある可能性が高いです。個人売買で売れ残って不動産屋を通している物件もたまにあります。

物件の情報欄より

ローン (Mortgage Loan)

物件探しを本格的にはじめる前にローンについてよく考える必要があります。FI Planning が非常に参考になります。クレジットヒストリーさえよければ保証人が必要な日本よりもローンを組むのは簡単ですが、無理なく返済できる額を自分で把握することが重要だと思います。

不動産業者を通す場合には、物件を一緒に見に行く前にまずローンの事前承認 (pre-approval) をもらってくるように言われるかもしれません。不動産業者がよく知っている住宅金融専門会社の担当者を紹介してくれることでしょう。現在の法律では住宅金融専門会社から不動産業者への見返りを禁止しているようなので、普通は仕事ができる人を紹介してもらえると思います。ただ強制ではないので、自分が知っている範囲で他の金融機関数社に利率などを確認して、いちばん条件がよいところにした方がいいでしょう。

アメリカでは金融機関から融資を受けた後、金融機関側が他の金融機関にローンを売ってしまうことはよくあることのようです。その場合、借り手は元の金融機関に返済するのではなく、売られた先に直接返済することになります。金融機関にローンを売る意志がある場合には、契約の際に借り手にきちんと説明することになっています。

オファーを出す

気に入った家が見つかった際には、売り手側にオファーを出すことになります。手付け金 (earnest money) が必要になるので、小切手帳をお忘れなく。金額を決めるのも重要ですが、購入条件も重要です。物件の状態は素人目にはよく分からないので、物件検査は必須です。カーテンやブラインド、照明器具、冷蔵庫なども含めてもらいたい場合には明記する必要があります。その他、もしローンが下りなかった場合にどうするかなどの条件が付けられます。

物件検査 (Inspection)

買い手は普通、オファーの中で物件の検査結果を購入の条件にします。インスペクションしないという選択肢もあり得ますが、たとえ新築だったとしてもインスペクションすることを強くお勧めします。売り手・買い手の双方が合意に達した後、まず inspector を選びます。サンプルレポートがあれば判断材料としてぜひ見せてもらった方がいいです。ホームページを持っている inspector であればそこで公開しているかもしれません。

検査には $300-400 ほどかかりますが、半日ほどかけて詳しく問題点を挙げてくれます。ただし価格査定と異なり、物件の評価額を算出することはしません。立ち会わなくても問題ないですが、ついて回って不明な点があればその場で質問することをお勧めします。問題点があったとすれば、レポートには普通載らない解決策や修理額の目安なども教えてもらえるので、非常に勉強になると思います。

検査後、レポートがもらえます。インターネット上でアクセスできればすぐに見られるので便利です。これを元に、売り主と問題点の修理や値段の引き下げなどの交渉に再度なります。オファーを出した際にインスペクションの結果次第で購入を断る可能性について触れておけば、購入しないことも可能です。この交渉がまとまれば、ローンが下りないなどの問題点がない限り購入が確定となります。個人的な経験から注意点として、売り主との交渉はすべて書面で行うことをお勧めします。電話で話したとしても要点を文書として送ってもらってください。交渉の過程で売り主が間違った情報を提供したとしても、文書が残っていないと追求が非常に難しくなります。

家の階数

日本では土地の制約から 2 階建て以上が圧倒的に多いですが、特に排水管関係の修理が必要になった際のことを考えると、私としては床下 (crawl space)・屋根裏に簡単にアクセスできるようになっている平屋建てがお勧めです。シロアリ検査(場合によっては駆除)の際にも床下に簡単に入れことは非常に重要ですが、普通のアメリカの家屋は日本と違い床下に簡単に入れるようになっています。2 階建てとなっていても、1 階部分が梁などがむき出しで仕上げがされていない状態 (unfinished) のガレージであれば修理のしやすさは同じです。

自分で家を持つまであまり意識しない判断基準かと思いますが、インスペクターとの話題の一つとしてもいいでしょう。日本で取引の対象と見なされないような築数十年以上の古い物件を買う際には特に検討されることをお勧めします。ただ寒い地方では 2 階建て以上の方が熱効率的にはいいと思うので、答えを出すのは難しくなりそうです。

アルミニウム配線

アメリカで 1960 年代後半から 1970 年代前半にかけて銅価格が高騰した際、電気配線に通常使用される銅ではなくアルミの使用も許可されていました。十分な安全性が考慮されていれば問題なかったのですが、当時は家庭用配線に使用した場合の危険性の認識が十分でありませんでした。アルミが銅に比べて電気抵抗が大きいことは考慮され、一回り太い線が使われています。しかし実際はアルミは銅に比べて腐食も熱膨張もしやすく、これらは配線として使うには非常に困った特性です。そのためアルミ配線が原因の火災は、銅配線と比べて 55 倍も高いという統計もあります。

現在はアルミの新規配線は禁止されていますが、中古物件ではそのまま残っているものがかなりあります。築年でアルミ配線の可能性を予め検討してみてください。インスペクションの際にブレーカーのカバーを外せば配線の金属の色で簡単にアルミ配線かどうか分かります。

鉛ペンキ

1978 年以前に建てられたアメリカの建物では、ペンキに鉛が入っている可能性があります。鉛は特に子供や妊婦に悪影響を及ぼします。1950 年以前の建物でなければ使われている可能性はそれほど高くないようですが、注意が必要です。塗り直しなどでペンキをはがす際には、周辺を汚染しないように業者に頼んだ方がいいようです。

石膏ボード (drywall)

アメリカでは 2 x 4 工法に従って角材と石膏ボードの組み合わせで家を建てるのが普通です。2 x 4 工法の利点は熟練を要さず簡単に家が建てられることです。素人でも壁の補修など簡単にできます。

2 x 4 工法では壁・天井材として石膏ボードが多用されますが、2001-2007 年にかけて中国から輸入された石膏ボードに粗悪な材料を使ったものがあり、Chinese Drywall として問題になっています。バーミングハム周辺でも 2006 年前後に使われる機会があったようです。症状として石膏ボードから硫化水素などのガスが発生し、健康を害するのはもちろん、金属を腐食させる作用があるのであらゆる電化製品が壊れ、装飾品は磨いてもつやがすぐになくなり、電気配線や銅の配水管にまで影響を与えるとのことです。対処法としては石膏ボードの全交換はもちろん、土台・構造材と屋根以外ほとんど全部交換する必要があるようで、このような物件に当たってしまうと大損害です。さらに厄介なことに普通の石膏ボードよりも脆く、取り除く際に気を付けないと粉末で周辺を汚染するとのことです。

住宅保険

不動産会社を通した場合、inspection 後に自分ですべき手続きはあまりないです。ただ住宅保険は closing までに手続きが終わっていないといけません。ローンを組む場合には必ず保険をかける必要があります。自動車保険と同じ会社にできれば複数保険契約割引もあるので、その会社を第一に考えた方がいいです。もし保険料が高ければ、この機会に保険会社を替えてしまうのも選択肢の 1 つです。

価格査定 (Appraisal)

ローンを組む場合、購入する物件は抵当となります。貸し倒れを防ぐため金融機関が専門の業者に価格査定 (Appraisal) を依頼し、物件に十分な価値があるかどうかを判断します。評価額には 2 種類あり、近辺で最近売買が成立した同程度の物件の価格を元にしたものと、家の材質などから産出したものがあります。

物件検査と異なり普通買い手は立ち会わず、知らない間に終わっていることもあるかもしれません。融資担当者にお願いすればレポートを送ってもらえます。費用は数百ドルかかりますが、closing cost の一部として後で請求されます。

測量 (Survey)

購入物件の土地の境界が曖昧な場合、新たに測量を考えた方がいいでしょう。融資担当者が測量を要求する場合もあるようです。費用は数百ドルです。

最終決裁手続き(Closing)

無事に物件を買うことが決まり、売り手と買い手で売買条件が合意に達すると、closing と呼ばれる最終決済手続きが行われます。アラバマの場合、弁護士の事務所で行われるのが普通のようです。この直前に一度物件を訪れられるようにお願いし、最終的な状態を確かめた方がいいでしょう。この日までにローン会社や保険会社に支払うべき金額 (closing cost) の情報が全部弁護士に集まるように確かめる必要があります。ただ closing cost の正確な額は直前にならないと分からないかもしれません。Closing cost として請求されるものは以下です。手付け金を closing cost の一部として使うことができます。

売り手よりも買い手がサインすべき書類がたくさんあります。全部書類を読んでいる時間はないので、弁護士の説明を聞きながら疑問があれば質問し、指示された箇所にサインしていくことになります。時間はあっという間に過ぎてしまいます。

購入後

引っ越し準備は別ページを参照してください。修理したい部分や足りないものがあるはずなので、ホームセンターのお世話になります。

鍵交換

アパートなど賃貸物件の場合は勝手に鍵の交換ができませんが、家を購入したのであれば鍵の交換を鍵屋 (locksmith) に頼んだ方が防犯上無難です。まだ十分使えそうな錠であれば rekey(錠全体を交換するのでなくシリンダー内部の組み合わせを変えて新しい鍵を作ってもらう)ができます。頼めば出張もしてくれますが出張費用は結構高いので、時間があれば自分でシリンダー部分を外して持ち込んだ方がいいです。普通の錠であればプラスドライバーだけで簡単に外れます。

ただ錠が古くなっていたり安物であれば、よい機会なので rekey ではなく新しく錠を買って自分で換えてしまった方が安上がりです。Kwikset SmartKey のように手持ちの鍵に合わせて rekey を簡単に行える錠もあるので、錠の種類が異なっていたとしても(メーカーが異なると鍵の基本形が違うことがあり、その場合は無理ですが)自分で同じ鍵が使えるように設定できます。

錠の種類は大きく 2 つあります。ばねの力で締まるもの (spring bolt) は普通ドアノブの部分にそのまま付いています。デッドボルト (deadbolt) と呼ばれるつまみまたは鍵を回して作動するものはノブとは別にドアに取り付けられており、こちらの方が構造的により安全です。デッドボルトは single と double がありますが、これは鍵が片方だけに付いているのか(反対側はノブ)、両方に付いているのかの違いです。Double deadbolt のものを鍵屋に頼んで rekey してもらうには、2 つ設定しないといけないので倍の金額がかかります。

Kwikset 97402-536 Signatures Lido SmartKey Entry Lever, Polished Brass Kwikset 99800-087 Signatures 980 Grade-1 Security Single Cylinder SmartKey Deadbolt, Polished Brass Kwikset 99850-055 Signatures 985 Grade 1 Security Double Cylinder SmartKey Deadbolt, Polished Brass Kwikset 99910-039 Signatures Lido Lever SmartKey Combo Pack, Polished Brass Kwikset 83262-001 SmartKey Re-keying Kit

カーペットクリーニング

普通のアメリカ人は室内でも靴を履くので、中古物件の場合には綺麗そうに見えてもカーペットクリーニングをした方がいいです。業者に依頼することもできますし、カーペットクリーナーを借りてきて自分でやることもできます。

課税額査定者 (tax assessor)

購入した住宅を実際に住居として利用する場合(投資目的や家賃収入を得る目的などでない場合)、アラバマでは固定資産税が半額で済みますが手続きが必要です。Closing の際にもらう書類を tax assessor に提出する必要があるかもしれません。



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