昭和30年代から40年代にかけ「青春」をテーマに、世の人々から絶大なる支持を受け、一時代を画した一群の歌がありました。年端もいかぬ少年だった私も、胸をときめかせながら聞いては歌い、歌っては聞いていたものです。
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「高校三年生」「学園広場」「修学旅行」「ただいま授業中」「君たちがいて僕がいた」「仲間たち」「ああ青春の胸の血は」など、青春歌謡という言葉はこの人のためにあったのではないかと思えるほど、そのヒット曲の数々はどこまでも“青春”をテーマにしたものでありました。
橋幸夫、舟木一夫とともに御三家の一角を占めていた西郷輝彦は、3人の中ではデビューが一番遅かったこともあり、デビュー曲の「君だけを」から始まる一連のヒット曲は、最もリアルタイムで楽しませてもらいました。小学校高学年の頃、同級生の女の子たちの間でも最も人気が高く、恐らく、御三家の中では、一番低い年齢層のファンを持っていた歌手だと思われます。
橋幸夫のデビュー曲「潮来笠」は、私が生まれて初めて覚え、自分で歌うことが出来るようになった流行歌であり、私の歌謡曲人生は、橋幸夫から始まったと言っても過言ではありません。その橋幸夫の、いわゆる「青春歌謡」と呼ばれるヒット曲の数々を振り返ってみたいと思います。
1960年代の青春歌謡史に燦然と輝く佳曲「わが愛を星に祈りて」を歌ったコンビとして、私には忘れることのできないのが、梶光夫と高田美和の二人であります。それぞれ、ソロでも青春歌謡を代表するようなヒット曲を放っておりますが、何はともあれ、私の“初恋のテーマ曲”でもあった「わが愛を星に祈りて」から、この二人のお話を始めさせていただきます。
(C)1997 Kiyomi Suzuki