60年代の遊び・おもちゃ

レーシング・カー その1

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 「60年代の遊び・おもちゃ」は、前回(1998年4月18日)のデータ更新で「打撃練習器」なるものを取り上げさせていただきましたが、今回は、私の認識では、“60年代の遊び・おもちゃ”ベスト10というものを決定するとしたら、社会現象に近いところまでいったという意味も含めて、間違いなくベスト3には入るであろうと思われるレーシングカーであります。
 以前、この「60年代の遊び・おもちゃ」の「トランシーバー」の時にも書かせていただいた通り、昭和40年代初めの一時期、少年雑誌の懸賞といえば、この「レーシングカー」と「トランシーバー」が2大定番アイテムでありました。
 これも、どかかで書かせていただきましたが、私は、このレーシングカー・セットが欲しくて欲しくてたまりませんでしたが、何故か、買ってもらうことはできませんでした。
 家が貧乏だったということもあるかもしれませんが、例えば、この懸賞の商品になっているバンダイの“No.3レーシング(立体交差セット”の場合、市価4,950円となっておりまして、当時、エポック社の野球盤とサッカー盤とバスケットボール盤は買ってもらっていましたから、盤ゲームを我慢すれば買ってもらえたのではないかという気もします。
 この「60年代の遊び・おもちゃ」の第1回で取り上げさせていただいた野球盤のコーナーをご覧いただいてもお分かりになるように、こうした盤ゲームの平均単価は大体、2000円前後でしたから、家の場合、おもちゃを買ってもらう場合、単価2000円程度というのが上限だったのかもしれません。それにしても、それを2回分合わせれば買ってもらえなかったこともなかったのではないかという気もするわけで、私に、そういう長期的な視野に立っておもちゃを買ってもらうという戦略的思考が働かなかったのか、あるいは、欲しくて欲しくてたまらなかったものの、当時、野球少年で球技全般が大好きだった私にとっては、球技系の盤ゲームの方がプライオリティが高かったのか、はたまた、両親のポリシーとして、レーシングカーは買ってもらえなかったのか、よく覚えていません。
 何れにしても、家にレーシングカー・セットがなかった私は、立派なセットを持っていた同級生のW君の家に行っては、遊ばせれもらっていたものでありました。
 さて、上の画像の説明に入らせていただきます。
 これは、『週刊少年サンデー』の1966(昭和41)年2月13日号の見開き懸賞ページです。金賞のレーシング・セットは35名に当たることになっておりますが、ただ申し込むだけではダメで、問題に答えなければなりません。
 右ページの右下にある「問題ときまり」というコラムを打ち込んでみます。
「【問題】つぎのうち、いちばん、はやいのは、どれですか。
      ★光 ★宇宙ロケット ★音
 【きまり】◎問題の答えと、(6)と、学校名・学年・住所・氏名をはっきりと書いてください。
 ▼あて先 東京都神田局区内 小学館 少年サンデー『レーシング大懸賞』係
 ▼しめきり 昭和41年2月9日
 ▼発表 少年サンデー 第10号誌上 」
 ということで、「★宇宙ロケット」とか「★音」とかと答えてしまった人は、抽選の対象からは外れてしまったわけです。
 ちなみに、左ページで紹介されているバンダイの『チャンピオンNo.3レーシングセット』のセット内容は以下のようなものでありました。
「・レースカー…2台、・パワーパック…1コ、スピードコントローラー…2コ、・長直トラック…6本、・曲トラック…9本、ターミナルトラック…1本、・橋ゲタ…6コ、ガードレール…10本、・クリップ…16コ、ゴムヤスリ…1コ、カーシール…1組 【市価 4,950円】」



 続きまして、右の画像をご覧ください。
 これは、上の懸賞に先立つこと約3カ月、同じ『週刊少年サンデー』ですが、前年の1965(昭和40)年11月28日号に掲載された「カネボウハリスガム」の広告です。
 オリジナルの画像自体が、あまり鮮明ではないため、縮小した画像では殆ど文字がお読みになれないだろうと思いますので、例によりまして、私が、そのまま、打ち込ませていただきます。
「カネボウハリスガムで最新型レーシングカーを当てよう!」
「毎週1000名さま」
「サーキットでもご家庭でも遊べます」
「カネボウハリスガムの外包紙50円分を1口としてお送りください。何口でも結構です(郵便は開封ですと7口まで10円切手で送れます)」
「■抽選で毎週1000名の方にカネボウ特注レーシングカー・キット(サーキット/家庭両用)を差し上げます」
「■送り先/大阪市都島局区内 カネボウ ハリス レーシングカー係」
「■期間/10月18日〜41年1月15日まで」
「■発表/商品発送をもってかえます」
「●テレビ番組 少年SF冒険まんが(宇宙エース)毎週土曜日/午後6:15-6:45 フジテレビ系」
 ということで、カネボウハリスは、私が認定している60年代における「2大オモチャ」(認定基準は、多分に、私が欲しくてたまらなかったのに買ってもらえなかった、という一点に尽きております)を、10円のガムの景品として、惜しげもなく振る舞っていたのであります。
 以前、この「60年代の遊び・おもちゃ」の「トランシーバー」のコーナーで、このカネボウハリスガムの景品広告をご紹介させていただいたときには、ガムのキャラクターは「ハリス無段」でありましたが、この広告では、ガムのキャラクターは、広告の中でも放映時間が告知されている「宇宙エース」と「ハリスの旋風」であります。
 トランシーバーがもらえるカネボウハリスの景品キャンペーンは同じ1965(昭和40)年の3月1日〜6月30日までの3カ月間であり、中3カ月ほどのインターバルで、今度は、10月18日〜1月15日間の3カ月にわたってレーシングカーの景品キャンペーンを打ったことになるわけで、この時期のカネボウハリスは、私たちのような貧乏人の子供たちの物欲をくすぐりまくっていたわけでありました。







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