60年代の遊び・おもちゃ

レーシング・カー その2

その1 はこちら


 前回の「60年代のおもちゃ/レーシングカーその1」では、『週刊少年サンデー』(1966[昭和41]年2月13日号)の見開き懸賞ページと「カネボウハリスガム」のプレゼント・キャンペーン広告をベースにお話を展開させていただきましたが、今回は、レーシングカーそのものの広告とレーシングカー関連の連載記事を紹介させていただこうと思います。
 私は、40代になった現在も、車の運転免許を持っておりませんし、子供のころから、いわゆるメカニックとしての車に対する関心などというのも、ほとんどなかった人間で、今でも、車の車種というのは殆ど知りません。ただ、星を見に行ったり、キャンプに行ったりするのが好きなので、免許もないくせに、三菱のパジェロとかデリカ、富士重工のレガシーなんかが欲しいなどと、とんでもないことを考える人間なので、その辺の車種は分かりますが、他の乗用車などは、殆ど、何が何だか分かりません。
 ですから、レーシングカーが流行っていたころも、詳しい奴は、やたらに、車種の話やメカニックの話をしたり、その手の本を読んだりしていましたが、私の場合、とにかく、コントローラーのボタンを押すと、自分の押した通りに、車が走るということに面白さを感じていただけでしたから、右の画像の広告にあるようなバラ売りのレーシングカーなどには、まったく関心がありませんでした。それに、以前、どこかで書かせていただきましたが、とにかく、悲劇的に不器用な子供でしたので、プラモデルなんかを作ると、セメダインがハミ出しまくって、ほとんど原型が分からなくなるほどでしたし、組み立てた後に、自分でプラカラーなんかで色を付けたりすると、すべて、迷彩色状態になるという始末でしたから、レーシングカーの懸賞や広告も、基本的には、セットものにしか、関心がいかなかったものでありました。
 ですから、このレーシングカーの広告にある車も、恐らく、60年代を代表する名車ばかりなのかもしれませんが、私は、その辺りの評価は全く出来ない人間であります。
 右の画像は、1966(昭和41)年2月23日号の『週刊少年サンデー』に掲載されていた広告ですが、文字も小さいですし、私もウンチクの傾けようがない世界ですので、広告の文字をそのまま、打ち込ませていただきます。

「〈クリヤーシリーズ〉
 初心者からマニヤまで、簡単に組立てられスピードを満足出来る待望の製品です。
 ○サイドワインダー方式 2.7:1 ○ 固定ジュラルミンシャーシー使用○グランプリタイヤ使用 ○ステンレスシャフト使用
 ○使用モーターFT-36・FT-36D共用 ○スペヤーボデー付 簡単に塗れるよう工夫してあります
 No.1 フォードコブラ(完全塗装済) ロータス30(無色透明)スペヤーボデー
 No.2 フェラーリ250 L/M (完全塗装済)
     フォードGT(無色透明)スペヤーボデー スペヤボデー付(モーター別) 定価各1,100円(No.1・No.2ともに)
 アルファロメオカングーロ 1/24 ○パイプフレーム使用のため軽くて丈夫です○Wクラウンギヤー使用 3.5:1・4:1 ○グランプリタイヤ使用 高性能が発揮されます ○ステンレスシャフト使用 予備部品入りです○FT-36、FT-16モーター共用 定価1,000円(モーター別)
 ホンダF−1 レーサー1/24 ○ステンレスシャフト使用○軽くて丈夫なアングル方式○グランプリタイヤ使用○Wクラウンギヤー使用○使用モーター FT-16 定価 800円(モーター別)
 ○全国有名デパート・模型店・玩具店でお求めください。
 株式会社 緑商会東京都荒川区町屋」

 ということで、前回の「カネボウハリスガム」のプレゼント・キャンペーン広告の中で、「サーキットでもご家庭でも遊べます」「カネボウ特注レーシングカー・キット(サーキット/家庭両用)というような表現が出てきておりますが、当時のレーシングカーの遊び方としては、前回の懸賞にあったバンダイの『チャンピオンNo.3レーシングセット』のようなものを買ってきて家で遊ぶというほかに、ちょっと腕に覚えのある少年たちは、上の広告にあるようなバラ売りや自分で組立てるレーシングカーを持って、大きな模型店なんかにセットされたコースで技を競い合ったものでありました。私が育った新潟県長岡市でも、当時、繁華街の真ん中にあった長岡観光会館という映画館や遊園地や演芸場、大浴場などの揃った娯楽センターのようなところで、冬場はスケートリンクだった大きなホールにレーシングカーのコースが作られ、1周50円くらいの値段で、レーシングカーを走らせることができたような記憶があります。



 それほどの大ブームになったレーシングカーでしたので、やはり、少年向けのマンガ雑誌などでは、こぞって、レーシングカー関連の記事などが特集されたりしていたはずで、私の手元に残っている『週刊少年サンデー』の1965(昭和40)年11月28日号には、「ホームレーシング大学」という連載企画の第9回が掲載されています。


ホームレーシング大学(9)
 バランスを良くしてカーブをつっ走るコツ

 レーシングカーを走らせたとき、走行性能のいいわるいは、☆カーブでの安定性☆直線での加速度で決まります。

〈カーブでの安定性〉
(1)まず、車の重量のバランスをよくする
 人によってちがいますが、平均してみると、車の重さは、前半分が40%、うしろ半分が60%というのが、普通です。
 どんなコースでも、こんなバランスの車なら、うまく使えるでしょう。
(2)車の重さと、タイヤとのバランスをよくする
 タイヤにかかる車の重量によって、車の性能も、大きく、かわってきます。
 タイヤにかかる車の重さが大きすぎると、カーブで車がはねたり、ひっくりかえってしまいます。
 ぎゃくに、タイヤにかかる車の重さが小さすぎても、コースから、はずれてしまいます。 車を作ったら、タイヤをいろいろかえてみて、よく車にあったものを使いましょう。
 また、車に、いろいろなオモリをつけてみて、いちばんカーブをうまく回ったときのオモリを、車にとりつけましょう。
(3)重心をひくくすること
 これは、少年サンデー46号でも書きましたように、ボディのネジどめするところをけずったりして改良できます。

〈車を軽くしよう〉
 車の加速力を良くするには、前号でしらべたギア比も問題になりますが、車を軽くすることによって、スピードと加速力がつきます。 モーターの力にたいして、車が、かるければかるいほど、いいわけです。
 しかし、かるいと、スタートするときに、タイヤがすべってスピードがでないこともあります。
 つまり、コースとタイヤのあいだに、あるていどのマサツがないといけません。 この点も考えて、よくタイヤをえらびましょう。〈特別コースの運転法〉 いままで、お話したことは、ふつうのコースでの、車の重さとバランスのことです。
 ところが、最近、レーシング場で多くなっている『バンクのついたコース』(カーブの外側が高くなっているコース)では、このままではいけません。 こんなコースでは、車の前半分の重さを大きくすることが必要です。
 うしろの重量が多いと、バンクに猛スピードではいったとき車のうしろが、外側にとびだしてしまいます。
 こんなコースでの運転方法はカーブにはいる手まえで、速度を、おとす必要がありません。 速いスピードではいり、そのままのスピードでぬけましょう。
 以上のべたことに注意して、はじめて安定性のある、よい車が完成するのです。


 この記事は、日本モデルカーレーシング連盟理事という、その道の権威の方がお書きになっていたもので、この連載が掲載されていた1965(昭和40)年から1966(昭和41)年にかけての辺りが、このレーシングカー・ブームのピークだったのだろうと思われます。

 ということで、このページを作っているうちに、本当に、また、レーシングカー・セットが欲しくなってきてしまいましたので、長男と次男を説得して、彼らの誕生祝いとして、ぜひ、レーシングカー・セットを購入し、親子の交流を深めていこうと考えている次第であります。

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