ドイス「K]・アフリカ旅行記(モザンビーク観光情報など)
マラウイ湖
巨大なバオバブの木の前で写真を撮る。彼にシャッターを頼むも、木しか写ってない。予測して何枚も撮らせたのに・・・わざとやってんのか、あいつ。
そいつの家にしぶしぶ付いていく。
母ちゃんを紹介してやるよ、というのだ。
家はバオバブ数本を見下ろして、小高い丘の上にある。到着したら、土の壁、草の屋根、屋根の下には木の柱、というこの地域典型の家からどんどん人が出てくる。母ちゃん、弟、姉ちゃん、妹、叔母さん、従兄妹に、ばあちゃん達。
今、外に出ている人もいるという。狭い家、一体何人住んでいるんだろう。
帰ろうとすると、彼が小声で「写真とってやってくれよ」という。どうやら家族は写真を撮って欲しかったようだ。
北に来れば来るほど、写真を撮ってくれという声や、カメラを見たときの反応が大きくなる。それだけカメラを見る機会も少ないということか。お姉さん、おばさんの目は相変わらず冷ややかで、カメラを向けることは出来ない。自ずと写真は男と子ども、けん玉になる。
けん玉を見せる。そもそも散歩はけん玉教室を開くために出たのだ。
「やってみるか?」
「いらない」
家族のチビッ子が言った。誰も手を出さない・・・
気持ちだけが空回りした、九回目のけん玉教室は幻に終わった。
宿に戻って湖畔でボケェ〜っとする。前にはマラウイ湖、後ろにはバオバブ、おれは今、アフリカにいる。
子どもらが寄ってくる。
「写真とって〜」・・・・パシャリ。けん玉、再挑戦。
さらに子どもらが集まってくる。下は五歳から上は二〇歳位まで。
今度こそ、青空けん玉教室マラウイ湖畔。バオバブの木の下に移動する。バオバブの下でけん玉をするのを、アフリカに来る前から頭に描いていた。
十五人ほどになっただろうか。すでにけん玉はそんなに無い。
交代々々。
ポルトガル語できる人も、年齢の大きい四、五人のみ。まいった。
でもまぁ、いいや。皆で「ケンダ〜マ」「ケンダ〜マ」と大きな声で叫びながら、手とり足取りの一時間。
木の下、湖の横、草の上、空の下。
手にはけん玉。周りはアフリカの子ども。
悪くない。大自然の中でけん玉をしていると、いつもは「小ささ」を感じてしまうのだけれども、この日は妙に充実した気分が胸に湧いてきた。
一番上手かった子と、一番年上の子ども二本けん玉を手渡す。
「みんなで練習しろよ」
「ありがとう」 彼らは帰る。
「あいつらはドロボウだよ。悪い奴等だ」
残ったやつらがそう言う。
「俺達には貸してくれない。すぐに売るんだ」
あんまりしつこいから、しぶしぶもう一本。
ってかお前らポル語できるやん。
さっき一緒に散歩したヤツが、ワインの瓶を片手にフラフラして来た。
「なんで俺にはくれないんだ?あ?」
お前がやりたがらなかったんだろうが。
「あいつはドロボウだよ」
子どもが小声で言う。お前ら皆ドロボウか。
そういえばリシンガの宿の受付のおっちゃんも、おれ教師をしていると言ったら、
「シィ〜〜ッ!ここの教師は泥棒だよ、エッパァァ! 金。金。金って」
と言っていたなぁ。泥棒っていうの流行っているのかな。
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