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ドイス「K]・アフリカ旅行記(モザンビーク観光情報など)






金がない 

2005年、元旦からベッドの上で布団に包まりながら震えていた。

 朝からマラウイ湖(モザンビークではニアサ湖と呼ぶ)を目指そうとシャパ乗り場に行くもシャパが来ないため雨と風の中、2時間待った結果がそれ。

 隣のおじさんが、

 「今日は元旦だからなぁ。運転手は酔っ払って来ないよ」

と言うのを聞いて帰ってきた。足元で緑のカップラーナに身を包み、しゃがみ込んでシャパを待っていたおばさんが印象的だった。

 正月といえ、バスが来ない事以外にそれを感じることはない。

 市場には相変わらず人がごちゃごちゃいるし、のんびり過ごす習慣はないのだろうか。余裕が無いといえばそれまでだけど。

 半袖しか持って来ていないので、寒さは辛い。石鹸一個と手拭い二枚にTシャツで一ヶ月間の旅が完成するんだから、男は楽だと思ってしまう。

 

「ん〜!ん〜!」


どこかで聞いたことのあるうなり声が、パン屋で夕食を食べる背中から聞こえてきた。昨日の彼だ。振り向くとポケットからけん玉を出して、カッチカッチと、まだまだ不器用だけど一日の練習の成果を見せてくれた。

「もしかめ」、八回。店の外にいる人達にも嬉しそうに披露していた。

宿に帰る。

 そう、金が無い。平均的な値段の宿に泊まるとして、計算すると、水代くらいしか残っていない。霞を食って生きれるのは仙人だけのはず。

新年早々から・・・まいった。

 銀行のATMに行くも、持っているカードは使えない。別の銀行のは壊れている。病院の前のも、おれの銀行のカードは使えない。

 宿の受付で、チェック(小切手)――旅に出る直前に勧められて持ってきたのを思い出す。――でも今夜の宿代を払えるかどうかを尋ねる。

 「もちろんオッケェ〜〜」

 ウイスキーを飲んで、すでにイッちゃっている受付のおじさん。

 恥を忍んで、チェックで払うから前日と前々日に払った分のお金も返して欲しいと頼む。

 さらに受付のおじさん、この東洋人を不憫に思ったのか、夕食代に百コントもつけてやるよと、提案してきた。

 そこまでは、いい。

 しかし頭の、もとい、計算能力の弱いモザンビーク人。そこに酒が入ると、幼稚園児のそろばん遊びよりもヒドイ。

 「オーケー、オーケー。問題ないよぉぉ。」と言いながらも、何にもわかってない。この足し算を教えるのに一時間。そしてやっとオーナーの元からお金を貰って来たと思ったら、全く足りない。

 自分でオーナーと、彼も酔っ払っていたけど、掛け合って無事に現金とチェックを交換する。これでなんとか生きていけるけど、節約しなくては。


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