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ドイス「K]・アフリカ旅行記(モザンビーク観光情報など)






兄弟 

 パン屋に行くとあいつがいた。

 この日は睨まず歯を見せる。ちゃんといい顔できるやん。

昨日彼に話しかけていたのは兄弟らしい。

ヴィアージン(8)とガブリエル(13)。耳が聞こえないのは弟。

宿に水を置いて、けん玉を持つ。一年の最後の夜。パン屋の明かりの下から近くの街灯に移動し、けん玉教室納め。参加者、2人。

屈託のない笑顔というのは、こういうものを云うんだろうか。けん玉を見せた瞬間から、前日のあの睨みつけるような鋭い目を持った子とは思えない。

 不器用だけど、必死にけん玉に取り組む。

「ん〜!ん〜!」

 不器用に喜びを声に出して、乗ったよ、とアピールしてくる。兄ちゃんとの会話は、おそらく二人だけに通じるジェスチャーと顔の表情で。

 昨日のお金は受け取った弟が独り占めしたようだ。

 兄弟とはいえ、「商売敵」。

厳しいなぁ。強いなぁ。

 毎日、あの店でああやって「仕事」をしているという。

「何時までやってるんだい?」

「夜中まで」

「いっぱい儲かるか?」

「いっぱいじゃないけど、10か20コント位」 つまり50円から100円。

40分程けん玉をして、彼らは仕事に戻っていった。

子どもがこんな生活をしなくてもいい位には、発展して欲しい。

 13歳の兄ちゃんの方だって、日本の小学校3,4年生の体格だ。

 彼らが去る時、けん玉2本と、本を1冊あげた。

「毎日練習しろよ」。

ありがとう、兄ちゃんが弟の分までお礼を言ってくれた。

「売るなよ」とは言えなかった。

寒いリシンガ。彼らのお陰で少し温かくなった2004年の大晦日。


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