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モザンビーク鉄道の旅 その2

――本日はご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。脱線事故の復旧作業のため、発車は十二時の予定でございます――


 等というような駅からの公式な発表はある筈も無く、ただ、「七時からは乗り込めるらしい」「十時には出るらしい」等という根拠の無い情報が待っている黒い人々の間に飛び交う。

 もう今日はいいや・・・なんとも煮え切らない気分を、ちょっと高いホテルのレストランの朝食にぶつける。とは言ってもいつも通り、オムレツ。美味い。  

のんびりと飲むインスタントのコーヒーも、駅での人ごみとアクシデントを忘れる事ができるのなら、百円払う価値がある。

十時に出る、という情報を心の片隅で期待し、九時に戻る。

あのチケットを買ってくれた兄ちゃんと再会。

「乗車時は、ヤバイくらいに混乱が起きる。あれは戦争だ。」

 そりゃ困る。

「そこにいる警備員に10コント(50円)払えば、安全に席が取れるぞ」

 彼は何でも知っている。警備員も、ここで待ってろ、と慣れた様子。

 

 警備員の側で2時間。11時にはプラットフォームへのフェンスが開く。

 乗り込み開始。千人もの人間が、その狭いフェンスに向けて猛ダッシュ。

  てか、入り口の数増やせよ!!  


  こんなの日本じゃ見たこと無い。隣の警備員を見る。

 「よし、お前も走っていけ!!」

良かった、最初にお金払わなくて。

  とにかく押し合い、へし合いの世界。
  あんなトコ通る気にならない。のんびりと後ろを歩いていく。

――日本人は列で前の人を押さなくなった。品が良くなった――

 何かの本でそう読んだことがある。が、ここに品は無い

窓から荷物を投げ込み、よじ登って入るおっさん。
子どもがはぐれて、名前を大声で叫ぶおばちゃん。
列車の中は我先にとイスを争う黒い人の群。

「よし、ここだ!」 

 根拠は無いが、そう思い前から三両目に入る。入り口は混乱。

中は意外にも人は多くない。中央右側。イスは踏まれて泥だらけになっているものの、一つ席が空いている。紙で拭いて、座る。

「やっと出発やね」 隣のおっちゃんに話しかける。

 
  そこからさらに一時間半待ち。

どんどん人が増えて、乗車率は二〇〇%だけど、別に大したことはない。

周りに日本人は一人。むしろ外国人は一人しかいない三等席。

ポォォ〜〜〜ッ!

 
 大きな汽笛と共に八時間半遅れの列車の旅が動き出す。


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