ドイス「K]・アフリカ旅行記(モザンビーク観光情報など)
宿近くの公園をブラっとして出て行く時、子どもが一人走って来た。
さっきまで、シーナ(中国)!シーナ(中国)! と叫んでいた奴だ。
「どこいくねん。一緒に行こうぜ、中国人!」
偉そうに声を掛けてくる。
「シャツ買ってくれよ、中国人!」
いつもの金目当てのガキんちょか――どこに行っても子どもが(生活に困ってなさそうな子も)寄ってきて手を出してお金をせびる場面に遭う――。金が無いというと、それでも一緒に歩きたいという。まぁ一緒に歩くか、ヒマだし。
シャツの件以降は、全く何もせがむことなく、前を歩いて、ここは何だ、あそこは何だ、これは誰の家だ、次は何を見たい?・・・と、ずっと話し続けながら街を案内してくれる。
小学五年生の卒業試験に受かったばかりの十三歳。栄養状態が良くないのか、見た目は一桁の歳の体格。着ているものは、汚いと表現するにふさわしいボロボロの服。元は白かったと思われる。
肩の部分は自分で結んである、穴だらけのシャツ。子どもらしからず、眉を常に寄せ、しがらみを背負い込んだような表情を崩さない。
ごく稀に笑うときにそこが緩み、年齢相応の顔を出す。
「お前は他の外人と違うな。他の奴らは英語しか話さない。」
相変わらず偉そうな口ぶりでそう言った。
土地の言葉を話し、土地の人と生活をするという隊員の信条は子どもにも受けは良いようだ。
二時間程歩き、休憩。
「ジュース飲むか?」
「ん〜、コーラ。」
眉を緩めることなく、でもちょっと恥ずかしそうに返事が返ってきた。
ペップという服屋に行く。というか奴が行きたいと言うからだけど。入り口で、店員が「この子は駄目」という。ハーフパンツでも買おうかとも思ったけど、入るのや〜めた。
再び散歩していると、周りの奴らが「そいつはドロボウだ」と言ってくる。
確かに見た目、貧乏で、食事もロクにしてなくて、もしかしたら本当にドロボウすることもあるのかも知れないけど、街の大人達が、多くの店の店員が怪訝そうな目で彼を見てくる様子を見ていると、なんだか寂しくなってくる。
――お前らの国の子どもだろうが――とも言いたくなる。
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