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9月6日(金)・・・・旅、29日目(北海道に上陸)
駅で6時に起きて、体操とかしていた。雨は止んでいる。だんだんと人が増えてきた。高校生が多いね。電車には結構人がいます。9割は通学途中の高校生。高校生に混じって青森を目指す。途中、マナーの悪いガキが通路を挟んで反対側に来た。どうやら柔道部のようだ。おれはうるせ〜なーと思いながら見ていたけど、後から乗ってきたおあばちゃんはそんな光景をにこやかに見ている。
う〜ん、さすがだ。よく考えてみれば高校生がちょいと騒ぐなんてかわいいもんだな。1つ勉強。でも柔道やるなら生活もきちんとしろ!というのも実際のお話。そのおばあちゃんは甥っ子が亡くなったらしくて、お葬式に行く途中。お菓子とかチーズをたくさんくれた。
川辺っていう駅で列車を切り離して、青森行きと弘前行きになる。青森に着いたら、すぐに函館に行く列車があった。もちろん18切符でこのまま乗っていける。満員の列車にとりあえず乗ってはみたものの、目的地は函館ではない。津軽半島の先、竜飛岬だ。眠りそうになったけど、眠気をこらえて蟹田という駅で降りた。
ここは太宰治の故郷(?)、ゆかりの地らしい。北緯はちょうど41度。
ニューヨーク&ローマと同緯度らしい。鹿児島から北に大体1000kmか。かなり北上してきたな〜。ひっそりとした地域であんまり人は歩いてない、家はそこそこ在るけど。駅で地図を見て小学校&児童館のある方に歩いて行った。45分かけて小学校まで行ってみたけど、まずは隣の児童館にアタック。中ではおばちゃん(先生)が2人、ジャガイモの皮をむいている。
話してみると、「今、子どもはいません」。まあ当然か、学校に行ってるからね。そんなことは百も承知で、帰ってきてからのアポを取りにきたのです。3時くらいに帰ってくるらしく、その時にもう一回来てけん玉させてもらえないか聞いたら、「けん玉して、その後は?それからは?」と、おれを不審者セールスマンのように対応され、「今日はみんなでジャガイモ食べるから」と言って断られた。なんか腹立つと同時にアホらしくなってきた。
ここはかなり気温が低い。小雨が少し・・・長袖を着ました。駅に帰る途中に幼稚園発見。今度は電話をしてから行こうと思い、公衆電話を探すけど、ない。駅前までもどってやっと発見。しかしここに置いてあるタウンページにはこの町、蟹田町が載っていない!地区の違う電話帳しかないってどういうこと?!そんなにも閉鎖的ならもういいわ! 食堂に入った。この店の前にも電話帳が置いてある。ここには蟹田も載っているタウンページがあって幼稚園に電話することに成功。「日本けん玉協会の窪田というもので、・・・」と説明している間すごくいい対応で、行ける!と確信していたら「うちは遠慮しときます」だって。小学校はかけなかった。
カツ丼を食って(これまでカツ丼とラーメンを食った回数が多いなあ)、12:01のミンマヤ行き(漢字は写真参照、出てこない)の列車に乗った。中では寝てしまい、車掌さんに「終点ですよ〜」 と起こされた。
津軽半島最北の駅…鉄道マニアっぽい人が結構いる。駅から目的の竜飛岬は14km、どうやって行こう。ヒッチハイクは車も少ないし難しそうだ。ちょうど村営バスがあった。田舎のバスは高いもの、しかしさすがは「村営」、200円だった。村の中を走り、青函トンネル記念館に到着。どこまで運んでくれるかわからずここで降りてしまったものの、実は岬の灯台の所まで運んでくれたみたい、でもみんな降りるから降りてしまったわけです。風力発電(東北日本海側には風力発電が多い。風車がたくさんある)の展示と青函トンネル記念館(300円)を一通り見た。
青函トンネルは構想から42年の歳月をかけて完成した世界一のトンネルだ。多くの人の労力と技術で開通した物だ。青森と函館、両側から掘り始め、海底で開通する。わずかな測量ミスがあっても通じないという。トンネルを掘る技術もそうだが、正確な測量技術には感心した。
地底に通じるトロッコもあったけど900円もするし、めんどくさいから行かなかった。ここから灯台までは近いようでなかなか遠い、坂道だし。竜飛岬には、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」の記念碑も建っている。本当にカモメが空で鳴いている。歌詞に「北に向かう人の群れはみんな無口で」とあるけど、わかるその気持ち。この辺は本当に寂しい。灯台の方に行って、お土産屋さんとかを覗いてみた。おばちゃんに声をかけられ、イカ焼きを買った。丸1匹で100円は安い。そして美味い。この辺はイカがよく捕れるらしい。
灯台の下でのんびりとし、今度は日本で唯一の“階段国道”を通って港に下りた。階段だが、」これはれっきとした国道339号線。駅に行くバスまでは2時間待ち。14kmを歩く気にはなれないし、興味はないけど太宰治の記念碑を見に行った。「津軽」という作品のモニュメントかな?
「ここは本州の袋小路だ・・・」
まさにその通りかも。隣には食堂(ミッキー食堂)があってウニ丼とかいくら丼がある。お値段は2000円に1500円。北海道までは我慢するか〜。覗いていると中からおばちゃんが声をかけてきてくれた。「休んでいきなよー」、お言葉に甘えて休ませてもらった。
中に入ると、コーヒーやお菓子を出してくれ、「買い物に行くから駅まで乗せていってあげるね」と言われた。のんびりと日記を書いてました。3:30に送ってくれるはずだったけど、お客さんが来て待つことになった。その人たちがヒラメ定食を頼んだら、港に活きたヒラメを取りに行って持ってきたのには驚いた。びっくりしたけど、おれも食べたいよ〜。
そう思いつつ北海道の地図(秋田駅で買った)を眺めていたらおばちゃんが小声で「ご飯食べた?」「まだです」「じゃあ、あげるね」と言って、「とろろいくら丼」を作ってくれ、もずくまで出してくれた。美味い!!いや、最高の昼ご飯になりました。最近いいもんばっかり食べているような気がする。腹が出てきている、確実に。駅まで送ってくれる途中にはイカ焼を買ってくれるし、電車で食べるようにとお菓子までくれた。本当に優しいおばちゃん達(2人)でした。
電車に乗って、蟹田まで戻って函館行きに乗り換え。函館に行く列車は地下に潜るからこのミンヤマには止まらないのです。蟹田が青函トンネルを渡るための中継点。もう暗くなった。昼とは違って列車はガラガラ。乗った車両にはおれしか乗ってない。真っ暗で何にも見えないけど、昼でもトンネルの中は何も見えないか。青函トンネルの中の線路は全部溶接してあるので、電車はガッタンゴットンいいません。ただひたすらに“ゴォ〜〜”ってうるさいけど。18:37発に乗って函館には20:45に到着。寝ようと思っていたけど、寝れなくて、列車の中ではずっとけん玉をしていた、久々に。行きは青函トンネル、帰りはフェリーというのが予定だ。
はるばる来ました、函館!!気温は19℃。
とりあえず有名な夜景を見ようと思って函館山に行こうと思った。駅から歩いて30分くらいでロープウェイの駅までいける。荷物は重いし、坂はきつい。ロープウェイまで着いて、値段を見たら往復で1000円以上かかる…これは歩くしかない。ということで山の上に続いてそうな道(かなり急坂)を登っていったけど、行き止まり。
ロープウェイまで戻って係員に登山道を聞いたら“本気ですか?!”みたいな対応。
「真っ暗ですよ、砂利道だし。サンダルじゃあ・・・」
と言われた。しかしおれは函館駅に在ったパンフレットで徒歩10分と書いてあったような気がしたから(実は市電の駅からロープウェイ駅までの時間だった。函館駅〜山頂は車で25分)登山口から登り出した。背中にはリュック、両手には荷物、計15kg。口にはペンライトをくわえて真っ暗な山道を歩いている・・・この道は旧登山道で、今は車で登れる観光道路がある。まあ登山道のほうが近道に決まっている。途中からはまさに山の中。少しだけど雨まで降ってきた(涙)。息は白く、腕と肩は痛い。一体何をしているんだろう…と思いつつひたすら歩いた。足の裏は当然痛いけど慣れた。夜景が大したことなかったら怒るかも。
息をゼェゼェ言わしながら1時間かけて登った。函館駅から途中迷ったりもしながら、2時間かけて登り着いた山頂からの夜景はかなりきれいだった。でも一人というのが結構寂しい。う〜ん、弧を描いているのが魅力的なんだろうね、ここの夜景は。
ほんとに飽きるほどに夜景を見た。下山したいものの、ロープウェイは10時で終了。他の客(主にカップル)は車で来ているようだ。さらに、ここは相当に寒い。気温は低いし、風は強い。登山でかいた汗が体温を奪って行く。カップルには微妙に声をかけ辛い。山頂で1時間以上ウロウロした後、仕方ないから歩いて下りだした。今度は道路を。体が温まってきたらヒッチハイクするつもり。アキレス腱が痛い、冷えすぎたのかな。
突然、前にタクシーが止まった。「お〜い、下まで乗せていってくれるってよ〜」と運転手さん。後部座席にはえらく酔ったおっちゃんがいて、「大変だなあ、乗っていってよ」と言う。乗るとおっちゃんが温かい缶コーヒーをくれた。手が温もって最高だ。おっちゃんは山の下にあるホテルで降りたけど、運転手さんが函館駅まで送ってくれた。
体力はかなりキツイ。腹が減ったから駅前のバスラーメンを食べた。味噌ラーメンを頼んで座っていたら、斜め向かいのおっちゃんが「観光か?どこから来たんや?」と話しかけてきた。
広島からヒッチハイクしながら来たと言うと、おっちゃんも広島からだという。呉に住む海上自衛隊の方だ。話は盛り上がって、ラーメンをおごってもらうことになった。さらに止まる場所のないおれを船に泊めてくれるという。船に電話してくれるが、つながらない。
「泊まれるかどうかはわからんのよ、特殊な船だから」
まあそうだろうね、海上自衛隊の船だし。そのうちに同僚の3人もやって来て(かなり酔っている)一緒に酒を飲んだ。ろれつが回ってない。
さらに酔ってくると話は盛り上がり
「泊まっていけ〜」
「まあええやろ、おれの権限でいける!」ということで船に泊まることに。
話の途中で、船は『潜水艦』、サブマリーンだと知った。そう、この方達は海上自衛隊、潜水隊の人達だったのです。
「潜水艦に泊まるなんて、ホンマにええ経験やで」
ほんと、その通りです。こうして、民間人第一号の潜水艦宿泊が決まった・・・・かのように思えた。タクシーで中央埠頭まで行って潜水艦を間近で初めて見た。
中に入る、ハッチの下には垂直にはしごが降りている。艦は何層にも別れている。リュックをはしごに引っ掛けながらも、もう体験することがないだろう潜水艦での記憶を残そうと酔った頭を働かせた。
中に入ったら微妙に切れかかったおっさんが「誰が連れてきたんや」と怒っている様子。
奥に入ってベッドをひとつ確保してもらった。トイレに行って使い方を教えてもらった。水を流すレバーと、便器の底をあけるレバーがあって、少しややこしい。使い方を間違うと浸水するから、気をつけないといけないらしい。海中を進むわけだからね、潜水艦は。
用を足して戻ると、
「やっぱりあかんわ」・・・「へ??」
予想してなかった言葉に戸惑った。
どうやら艦長さんが駄目だと言ったらしい。荷物をまとめて帰ることになった。かなり残念、でも仕方ないか、国の機密事項なんやから。中を見れただけでもラッキーかな。
「若いうちにいろんなことを体験するのはいいことだ」…出会った多くの人にこう言われるけど、ほんとにいろんな経験ができる。ここから25分ほどで駅だ。地図を見て公園発見。歩いて20分、足がさすがにキツイ。自分でもこれだけの体力が少し信じられない。今日はどれだけ歩いたのだろう。もう2:30だ。トイレで体を拭いてベンチで寝た。意外に寒くない。
こうして北海度の初日が終わった、長い一日、色んなことがあった。
北海道初日の寝床はベンチの上
リュックは枕、テントは今日は要らないだろう。
明日の8時には港に行って、潜水艦の出港を見送りに行きます。おやすみ。
明日はヒッチハイクで先に進む。東北ではヒッチハイクが成り立たなかった・・・北海道でもそうなのかな?!
不安もあったが、まあ何とかなるだろうというのが本当のところだ。
なんとかなるだろう・・・・こう思って流れに身を任せるのも大切だ、きっと。
置かれた状況を楽しのが、おもしろい。
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