青年海外協力隊 (モザンビーク 理数科教師)
短期隊員との活動記録 『びりびり日記』 その26
昼からはけん玉の時間・・・ってか、15時半には帰るんじゃなかったっけ?
おれ達を学校に降ろし、リカちゃんはまた飲みに戻っていく。
けん玉の時間、1クラスだけだという予定で始めるけど、そんな思い通りに行くわけがないのが常。
いつの間にか学校中の生徒、先生が集まって来て、でっかい輪が出来た。
けん玉のことや、日本人の紹介をいつも通り行って、けん玉の技を紹介していく。理科の実験だけでは、学校の全ての人とつながりを持つことはできなかったけど、こうしてけん玉という第二の道具を使って学校中の人と触れ合うことができるのは、素敵なことではないかと思ってしまう。
これまでの学校でも勿論けん玉は盛り上がったけど、このマビリビリの盛り上がり方は半端ではなかった。どんな簡単な技でも、一技決まるたびに、それはそれは大きな拍手に歓声、ため息が漏れる。
200人の輪。一つの道具で、これだけの人が一つになって、皆で同じ感覚を共有できる。もちろん、ポル語を話せる自分がいて、練習を積んだ6人もの人がいてこそなのかも知れないけれど、けん玉の魅力はこういう部分にあるんじゃないかな。日本の遊び、けん玉。アフリカはモザンビークでもけん玉。
けん玉は50本持ってきているけど、この場所で50人に配ってしまうと、絶対にゴチャゴチャになって、無くなってしまう。盗まれるのは、辛い。
できるだけたくさんの人に触れて欲しいのはあるけれど、結局は選び出した20人の人が輪の中に整列して体験することにする。生徒が大半だけど、数人は先生だ。
ホント、簡単な技しか教えることはできないけれど、けんの先に刺すところまでは一緒に練習をする。この練習でも、すごい歓声があがる。やっている人よりも、周りで見ている人のほうが体を動かして、声を出しているよ・・・。
そして、その20本のけん玉は記念にマビリビリの学校に贈った。
ホントいつか学校対抗で試合ができるくらいになればいいのになぁ。
先生達からは、理科の実験についても、けん玉についても大絶賛を頂き(けん玉のほうが誉められたかもしれないけど)、けん玉は体育の授業に取り入れると約束をしてくれました。まぁ、こんな約束はハナから信用していないけど、それでも嬉しいものは嬉しいね。あのけん玉20本は生徒が使うことなく、先生達のポケットの中に行く事になるのかも知れないけど。
16時を過ぎても、迎えの車は来ない。酔い過ぎて運転できないのだろうか。
本気で心配してしまう。帰れるのかな、ホントに。
こないものは仕方が無いので、まだ残っている子ども達と一緒にけん玉。
17時・・・太陽が赤い。
マビリビリの先生も待ちくたびれたのか、飽きたのか、
「またセミナーを開催してね」
と言って、家に帰っていく。
17時半、夕陽がくっきりと赤い輪郭を見せる頃、車に乗り込む。教頭はめちゃくちゃなハイテンションで、酒臭い。酔いながら、彼の長男がこの学校で勉強をしていると言い、長男を車まで呼んで、
「これがおれの長男なんだ。グエッヘッヘッヘ」
と同じセリフを4回も言って、紹介してくれた。
