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ステップ1ステップ2

ステップバイステップ日本語教授法

ステップ1
 

1−1 何を?

   日本語教育では、外国語としての日本語(Japanese as foreign language/ second language)を教えます。日本語を第1言語(母語)としていない人に対して、第2言語(外国語)として教えることをいいます。


1−2 だれが?    

あなたはどんな先生に教わりたいですか
   外国語を習いたいと思ったとき、どんな先生に教わりたいと思いますか。
   「とにかく、覚えたことを使って会話してみたい。自分の言葉が通じるかどうか話してみたい」と思ったとき、その言葉が話されている地域へ行って、たとえば市場で買い物をしてみる、公園でベンチに座っているお年寄りや子供たちと話してみる。こんなときには、その言葉を日常生活で使っている人であれば、会話の先生としてあなたの役にたってくれるでしょう。

   「身近な人に、楽しく生活の中で教えてもらいたい」という時、その言葉を使っている人を見つけて、料理をしながらとか絵本を見ながらなどして、楽しみながら教わることで学習効果があがる場合もあります。
   また、「まったく初めて習う外国語を、短期間に効果的に身につけたい」と思ったとき、第2言語教授法、外国語教育学などを身につけた専門の教師に教えてもらう方が能率的に学習できるということもあるでしょう。
   外国語を習う方法はいろいろあり、教える立場もいろいろあります。

日本語教育を担当する人とは、どんな人でしょうか
   あなたが、日本語を教えようと思ったとき、次のどの条件で教えますか。

1)日本語を「読み書き話す」ことができるから教えられる
2)国語科教師、英語科教師などの教員免許を持っているから(取得見込みだから)教えられる
3)日本語教育能力検定試験に合格したから教えられる
4)大学主専攻副専攻で、日本語教員養成講座の単位を取得したから教えられる
5)420時間の日本語教師養成講座を受講したから教えられる。
             (3,4,5,について1−5参照)

   一般的にみて、どこでだれに教えるかによって教師に求められる条件がかわってきます。「海外でTA(Teaching assistant)として教える」「知人と結婚した外国育ちの配偶者にボランティアとして教える」など、「日本語を教える人」の活動する場面はいろいろあります。だれにどこで教えるかによって、教える人に要求される資格条件もさまざまです。

   文化庁報告書(1976)は「日本語教師の教授能力」として、53項目にのぼる「資質・能力」をあげています。大きくまとめると、「日本語、日本語教育について十分な知識を持っている」「授業方法など、教授技術を持っている」「言葉への関心、人への関心を持ち適切な教授活動をとることができる」などがあげられます。

   しかし、さまざまな人に共通して一番大切な資質は、「日本語を学ぶ人が、自分の力で伸びていくことを助けられる熱意を持っていること」「人とふれあうことに喜びを持つことができること」ではないでしょうか。

次の項目を自分自身でチェックしてみてください

1) 学習を手助けする熱意を持っていますか。
2) 人とふれあうことが好きですか。
3) 日本語、日本文化などについての知識がありますか。
4) 「日本語のモデル」として、学習者に示すことができる標準的な日本語の発音、表記ができますか。
5)  第2言語(外国語)としての日本語(Japanese as second / foreign  language)を効果的効率的に教える教授能力を持っていますか。


1−3 だれに?どこで?

日本語を学ぶのはどんな人たち?教えるのはどこでしょうか

   「日本語学習者」とは、日本語を第1言語(母語)としていない人が第2言語として日本語を学んでいる場合をいいます。国籍は日本であっても「海外で生まれ育ったため日本語が話せないから学ぶ」という場合もあるし、海外の中学生高校生が正規の外国語教科として学習するという場合もあり、学習者の背景はさまざまです。

   自国で学ぶ学習者と日本で学ぶ学習者を整理してあげておきましょう。どのような学習者か、という問題は、日本語教師がどこで教えるのか、ということと関連し、どのような資格が要求されるかも関連してきます。海外の高校で正規の語学科目として日本語を教えるという場合、教員や第二言語教授法の正規資格が要求されることが多いし、ボランティアとして友人に教えるなら、教える熱意と親しみやすさが大きなポイントとなる、というように、必要な条件も変わってきます。

さまざまな日本語学習者

1) 自国で日本語を学習する  

@ 第1外国語、第2外国語科目などの教科のひとつとして日本語を学ぶ(中学、高校、大学など)
A 仕事や研究で日本語を使うため日本語を学ぶ(企業・大使館などの研修コース、大学、日本語学校など)
B 日本に対する興味を持っており、趣味として日本語を学ぶ(カルチャーセンター、地域サークルなど)

2) 日本で日本語を学習する

C 交換留学高校生(高校)
D 大学や専門学校への進学を希望している就学生(日本語学校)
E 卒業、単位取得、研究などを目的として在学している(大学、大学院、専門学校)
F 研修生など、技術その他専門の習得に来日している(企業、公共機関など)
G 日本在住の社会人、種々の目的で日本に滞在している(企業、日本語学校、ボランティア教室、個人教授など)
H 日本滞在、在住者の配偶者、日本人と結婚した配偶者(自治体日本語教室、企業、ボランティア日本語教室、個人授業など) 
I 難民、中国帰国者(定住促進センターなど)
J @〜Iの子供(小学校中学校日本語クラス)


1−4 どのように?

日本語をどのように教えていったらいいのでしょうか

   日本語教育が行われてきた過程で、さまざまな研究によってよりよい教え方が探求されてきました。専門的な教師をめざすならば、これまでの日本語教育研究で得られた成果を学ぶことは必要不可欠です。まずどのような「日本語の教え方」があるのか、各種教授法や過去の授業実践を知らなければなりません。

   さて、しっかり先人の教え方を学んだ上で、日本語をどのように教えるのか、それはあなたに任されています。教室で教えるあなた自身が考え出すことです。教壇に立つまでに培ってきた日本語学や日本語教授法の知識に基づいて、自分自身でその日の授業方法を考え、授業案を作り上げるのです。
   言語学や教育学の知識を山のように積み上げても、教師として基本的な資質が欠けていれば、よい授業はできません。また既存の教案のとおりに授業を展開したからといって、その日その学習者に対してベストの授業になるとも限りません。

   教師は企画者(プランナー)であり、演出者(ディレクター)であり、実践者(アクター)であり、学生の言語習得を評価したり自分自身の授業を評価する評価者(イヴァリュエーター)でもあります。よりよい日本語教育をめざすために、常に学び続け、自己評価能力を身につけること、これが「どんなふうに教えていくのか」という課題を解決する力になります。

   人間として備わってる個性、適応力、柔軟性、好奇心、ことばや人への関心。これらまるごとすべての人間性を発揮して、教えていくことができるのです。教師の役割は「学習者が主体的に学んでいく手助けをすること」です。あなたが主体的に学ぼうと思うところから、「日本語教師」への第一歩が始まります。ステップバイステップ、段階を追って、まずは最低限度必要な「日本語の知識」「日本語教授法の知識」を身につけるところから始めましょう。


1−5 日本語教師の資格「日本語教育能力検定試験」

   現在「専門的な日本語教師」としての資格を認定する全国的な試験として、財団法人日本国際教育協会が実施する「日本語教育能力検定試験」があります。
1988年(1987年度)に第1回目の試験が実施され、毎年、約6000名の受験者が挑戦してきました。各回1000名余が合格しています。(合格率16〜17%)

   2003年から実施される日本語教育能力検定試験は、文化庁から出された報告書「日本語教員養成において必要とされる教育内容」(新シラバス)に基づき、5つの分野にわたる出題範囲の中から試験問題が出題されます。


日本語教育能力検定試験出題範囲


社会・文化・地域

1.世界と日本
 (1) 諸外国・地域と日本
 (2) 日本の社会と文化

2.異文化接触
 (1) 異文化適応・調整
 (2) 人口の移動(移民・難民政策を含む。)
 (3) 児童生徒の文化間移動

3.日本語教育の歴史と現状
 (1) 日本語教育史
 (2) 日本語教育と国語教育
 (3) 言語政策
 (4) 日本語の教育哲学
 (5) 日本語及び日本語教育に関する試験
 (6) 日本語教育事情:世界の各地域,日本の各地域

4.日本語教員の資質・能力

言語と社会

1.言語と社会の関係
 (1) 社会文化能力
 (2) 言語接触・言語管理
 (3) 言語政策
 (4) 各国の教育制度・教育事情
 (5) 社会言語学・言語社会学

2.言語使用と社会
 (1) 言語変種
 (2) 待遇・敬意表現
 (3) 言語・非言語行動
 (4) コミュニケーション学

3.異文化コミュニケーションと社会
 (1) 言語・文化相対主義
 (2) 二言語併用主義(バイリンガリズム(政策))
 (3) 多文化・多言語主義
 (4) アイデンテイテイ(自己確認,帰属意識)

言語と心理

1.言語理解の過程
 (1) 予測・推測能力
 (2) 談話理解
 (3) 記憶・視点
 (4) 心理言語学・認知言語学

2.言語習得・発達
 (1) 習得過程(第一言語・第二言語)
 (2) 中間言語
 (3) 二言語併用主義(バイリンガリズム)
 (4) ストラテジー(学習方略)
 (5) 学習者タイプ

3.異文化理解と心理
 (1) 社会的技能・技術(スキル)
 (2) 異文化受容・適応
 (3) 日本語教育・学習の情意的側面
 (4) 日本語教育と障害者教育

言語と教育

1.言語教育法・実技(実習)
 (1) 実践的知識・能力
 (2) コースデザイン(教育課程編成),カリキュラム編成
 (3) 教授法
 (4) 評価法
 (5) 教育実技(実習)
 (6) 自己点検・授業分析能力
 (7) 誤用分析
 (8) 教材分析・開発
 (9) 教室・言語環境の設定
 (10) 目的・対象別日本語教育法

2.異文化間教育・コミュニケーション教育
 (1) 異文化間教育・多文化教育
 (2) 国際・比較教育
 (3) 国際理解教育
 (4) コミュニケーション教育
 (5) 異文化受容訓練
 (6) 言語間対照
 (7) 学習者の権利

3.言語教育と情報
 (1) データ処理
 (2) メディア/情報技術活用能力(リテラシー)
 (3) 学習支援・促進者(ファシリテータ)の養成
 (4) 教材開発・選択
 (5) 知的所有権問題
 (6) 教育工学

言語一般

1.言語の構造一般
 (1) 言語の類型
 (2) 世界の諸言語
 (3) 一般言語学・日本語学・対照言語学
 (4) 理論言語学・応用言語学

2.日本語の構造
 (1) 日本語の構造
 (2) 音声・音韻体系
 (3) 形態・語彙体系
 (4) 文法体系
 (5) 意味体系
 (6) 語用論的規範
 (7) 文字と表記
 (8) 日本語史

3.コミュニケーション能力
 (1) 受容・理解能力
 (2) 言語運用能力
 (3) 社会文化能力
 (4) 対人関係能力
 (5) 異文化調整能力


1−6 日本語教師の資格「養成講座修了」

   大学の主専攻、副専攻として、日本語教師養成関連の単位を取得する、また、日本語学校などで実施される養成講座を受講し、修了証を受けて日本語教師として仕事を始めるという人もいます。

ある大学日本語教師養成講座の課程

日本語の世界(日本語学概論)、日本語の変遷(日本語史)、ことばの姿(言語学概論)日本語学研究(文体・表現、文字・表記、文法、語彙・意味)・社会言語学,対照言語学、教授法概論、教材・教具、日本語教育実習、など

ある日本語教師養成講座の420時間授業内容

理論260時間:
日本事情、国際関係、留学生政策、日本語教育事情、音声・音韻、社会言語学、異文化コミュニケーション、言語習得論、日本語表現、語彙・意味、評価法、指導法、異文化間教育、言語学概論、日本語文法、文章・談話言語教育情報論、コースデザイン、文字表記、日本語史、対照言語学、など
実習200時間:
外国人生徒の前で実際に教壇に立って授業を行う

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