球形の胴部を持つ香油入れで、多少の問題はあるものの、おそらくはこの器形の陶器をアリュバロスと呼んでいたと思われる。
アリュバロスには把手が一つのものと二つのものがあり、前者はコリントス式を起源とするものである。またアラバストロンが主に女性によって用いられるのに対し、アリュバロスは男性、特に陸上競技者によって用いられ、香油を全身に塗って運動後の汚れを掻き取るのが習慣であった。陶器画には紐を付けて腰から吊り下げたり、壁に掛けたりしているものが見られる。コリントスを模倣した例のほうが古く、六世紀の前半に現れている。赤像式では把手の二つのものが多く、また女性や黒人、ヘラクレスやサテュロスなどの頭部を型取ったアリュバロスも数多く生産された。装飾は陶器そのものが小さいことから簡素なものが多い。
Cf. Paris, Louvre CA2183 (Perseus
Project).
大きさ:およそ5−10cm前後。
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