トンボ目トンボ科  大きさ 腹長(ふくちょう)10mm〜14mm
 分布 本州〜九州(産地は限られている)
 日本のトンボでは最小種。オスはあざやかな赤だが、メスは褐色。平地や低山地の日当たりの良い湿地にすむが、尾瀬ヶ原のような高地にもいる。
ウォッチングのコツ
 
人気のあるトンボなので、各地で保護されていたり、ビジターセンターなどで発生状況を把握しているので、インターネットで調べたり、現地で聞いてみよう。
 成虫の発生時期が限られているので、タイミングをはずさずに生息地に行けば、かなりの確率で出会える。ただし、日本一小さなトンボなので、見つけるまでがひと苦労かもしれない。倍率の低い双眼鏡などを準備しておこう。一度見つけてしまえば、その周辺に何匹もいるはずだ。
 湿原の中に入らず、観察すること。
 

撮影 : 栃木県塩原町(平成15年6月)

ハッチョウトンボ

←アキアカネ

 湿原に行ったらじっとトンボを観察しよう。普段は見られないきれいなトンボがたくさんいる。気にかけなければ見過ごしてしまいそうな、地味だけど味のあるやつがけっこういるものだ。

 僕の場合、塩原温泉ビジターセンターで撮影した場所を教えてもらったので、塩原で見たい人は直接センターに確認することをおすすめする。情報はオープンにしており、現地への道順なども含め、とてもていねいに教えてもらった。

 ハッチョウトンボは湿原のトンボである。年1回、7月ごろに繁殖し、ヤゴのまま冬を越すため、冬に水のない場所では生きていけない。卵で冬を越すトンボのように、田んぼでは生息できないのだ。

←おしりをあげてとまる
 たいていはこの姿勢でとまっているところを発見した。

 この沼では、3m手前までしか飛んでこないから、初挑戦の人は双眼鏡を使ったほうがいいかも。
 日本で一番小さな、2cmに満たないトンボなのだから、とにかく見つけにくい。

 ちなみにハッチョウトンボはほとんど水面近くを飛んでいた。もう少し高く飛んでくれれば見つやすいのだろうが・・・・。

←オスのハッチョウトンボ

 撮影した平成15年では、ハッチョウトンボの出現は6月22日。7月上旬にはオスが減り、メスが飛び始めたとのこと(塩原温泉ビジターセンターより)。

 発生する期間が短いし、その年によって発生時期が多少違うので、情報の確認は必要だ。また、時期が遅くなるとメスばかりになるそうなので、地味でがっかりするだけでなく、多少探しにくくなる。


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←オスのハッチョウトンボ。
オスはあざやかな赤、メスは褐色で地味な体色。

現地施設

塩原温泉ビジターセンター 〒329-2921
栃木県那須郡塩原町大字下塩原前山国有林内
電話
 0287-32-3050
詳しくはビジターセンターHP
那須塩原の豊かな自然を紹介。新緑ウォーク、森のコンサート、秋の紅葉ウォーク、自然観察会そして冬のカンジキウォッチング等のイベントを開催
開館 午前9時〜午後4時30分
休館 毎週火曜日(祝日の場合翌日) 年末年始


塩原の他の生き物・・・モリアオガエルジムグリイモリヒキガエル 
← モウセンゴケ
 
 ハッチョウトンボの生息地には、モウセンゴケなどの湿原植物がたくさん見られた。
 湿原は長い時間をかけて形成される。そんな環境や植物のため、湿原に足を踏み入れないように。
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