ドイス「K]・アフリカ旅行記(モザンビーク観光情報など)
モザンビークの鉄道 その5
静かな筈の列車の旅もモザンビークではそうもいかない。
買いたてのでかいラジカセを持ったおじさん、爆音で音楽を流し続ける。他の乗客も文句などでない。むしろ暇すぎるくらいの移動だ。
その音楽に耳を傾ける。
長い。曇った空が、次第に灰色から黒を少しずつ混ぜるように色を移す。
夜、三等席に電気は無い。あるのは二等車と一等車のみ。
移動も半分を過ぎ、いつの間にか列車の速度も速くなる。暗くなってくると何故か乗客の――何故か左側の客のみの――テンションが上がってくる。
口笛、手拍子から始まって、ラジカセの音楽に合わせて歌いだす。
楽しいお国柄だなぁ、なんて思いながら右側の窓から暗くなり始めた大地を、夕闇より暗い木のシルエットを遠くに見ながら歌を聴く。
チカッ、チカッ、と小さな緑の光が見えた。
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