青年海外協力隊 (モザンビーク 理数科教師)
短期隊員との活動記録 『びりびり日記』 その23
出発
8月29日(月)。朝からサライバに
「さぁ、いこうか」
と当然のように一緒にシャパに乗りに行く。車は??
今日の目的地は、ボアネにあるチサノ中学校。イタリアの援助によって建てられた学校で、開校式に前大統領のチサノさんがきたため、大統領の名前が残っている・・・変なの。
94年にできただけの比較的新しい中学校。教室が多いし地面がコンクリートで固められている。理科室も二つあって――まぁ、どっちも実際には使われていないけど――中を覗くとなかなかすごい。キレイ。基本が白色。机もちゃんとあるし、日本の実験室を想像させるような感じだ。棚には想像以上の実験器具が並んでいる。ってかその数は半端ではない。
黒板を見れば、なんかそれっぽいか化学式が書いてある。予備実験でもしていたのかな。式は間違っているけど、やらないよりはマシかな。
引き出しを開け、中を覗くと、すごい数の試薬やらガラス器具が眠っている。ってか、使い方がわからないものまで大量に。モザンビークではナマーシャの実験室が一番物が揃っているかとも思っていたけど、ここには余裕で負けるわ。
この学校の校長先生に、
「いや〜、すごい良い実験室ですね」
というと、なぜかイヤそうな顔をして、
「あ〜、うちには何にも無いんだよ。物が足りない」
と言われたのには驚いた。いったいこの先生は何を求めてそんな事を言えるんだよ。求めるだけで、何もしようとしない姿を見てしまった。
まぁ確かに水が出ないのは不便だけど、中学校の授業で使うには充分な設備が揃っているのに。
すごい理科室だし、ものもあるし、講習会を始めるために集まってきた先生たちの顔も心なしか、賢そうに見える。
こっちが持ってきた身近な材料でできる実験でええんかいなぁ・・・なんて思いつつ、講習会をスタート。変なプレッシャーを感じつつ。
まぁモザンビークの中学校の先生が実験を一つでも知っているなんてことはありえないことで、皆さん真剣にこちらに耳を傾けてくれた。
化学の実験を7,8個紹介して、その後一緒に練習してから(この時点ですでに体力も精神的にも疲れ果てているんだけど)、けん玉の時間。
まぁこれをしに来ているんだからね。
この日も無事に終了し、次の日も別の学校にて同じような予定をこなす。と。
8月31日(水)。日本で言えば、夏休み最後の日。
短期隊員との最後の活動場所は、マビリビリ中学校。
なんか痛そうな名前だな。ちなみに、学校の先生なんかと話をするとき、マビリビリに行くと言うと、
「ヒエェ〜、エッパァ」
「どえらい遠いぞ」「向こうで寝ることになる」
と頭を抱えて恐れられるくらい、日帰りで行くのは無謀な土地らしい。
距離ではない。問題なのは、道。ボコボコで、そして砂ボコリだらけになるほど、条件の悪い場所のようなんです。
この前日、サライバちゃんが車はあると言った。
日本人の中では「無い」が常識。シャパでの移動を覚悟。もうモザンビーク人の言うことの適当さがわかってきたようだ。
朝、校庭の前で20分も待っていると。ホントに来たよ。車。
初日の移動で使った教育長の車だ。
ナマーシャ中学校の乾いた赤土の上をホコリたてまくってやってくる。
運転手は校長。このやろう、最後の日にやっと顔を出したか・・・。
車は1台。人数は校長を入れて8人。・・・と思いきや、教頭のリカちゃんまで行くとか言ってるし。9人。
車の中に5人と、荷物。実験道具にけん玉道具。
二台に4人。おれ、かつお、やっくん、リカちゃん。日本じゃいまどき荷台に乗って移動なんてなくなったけど、ここでは当り前。まぁそれはいいけど、誰もが驚くような道のりを二台で過ごすのは・・・しんどいな。
ナマーシャのガソリンスタンドで満タンにして、出発だ。
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