青年海外協力隊 (モザンビーク 理数科教師)
短期隊員との活動記録 『びりびり日記』 その1
〜プロローグ〜
「帰りやがれ」
バスを待っていた。暑い陽射しの下の2005年4月29日(土)。配属先であるナマーシャ中学校(マプト州ナマーシャ郡)にて開催される理科実験の講習会(セミナー)に参加する予定の近隣中学の先生方を乗せたバスを。朝の9時に来ると言っていた気がするけどすでに1時間が経過しているじゃないですか。
そう、私は今回のセミナーの――かっこよく言えば――講師(化学担当)なのであります。同じくナマーシャ中学校に配属している先輩隊員(物理担当)の提案で今回のセミナーが開かれることになっているのですが、参加者誰も来ず。
すこし時計を戻して、同日午前8時。学校にて数学のコンテストの開会式が行われた。何でもインターネットを利用して数学の問題を一斉配布してコンテストを行うだの、独立記念日(6月)に本番を行うとか何とか。詳しいことは正直知らないけど、モザンビークでインターネットを利用した行事は活気的なもの。州知事や科学技術省の大臣が来賓として招かれ全国紙やテレビカメラも入っていた。
今月の前半に日本大使が実験器具引渡し式に来られ、3月までは「きったい」状態だった校庭も、授業を中止してまで思い切り行った掃除、野焼き(?)、ゴミ拾いをしていたので比較的きれいな状態でテレビ放映にも耐えうる。
光栄なことにその来賓の皆様に対して、玄関前にて「けん玉」を披露する機会を与えられたのです。州知事には先週も見てもらったのだけれども。
選りすぐりの生徒4人に主役を譲って、自分は説明するだけ。
初めて見る日本の遊び道具けん玉を、モザンビークの生徒が上手く〈普通の日本人でも驚くくらい〉操る姿に惜しみない拍手を頂きました。
さて、数学コンテスト組はパソコン室へ行き実験セミナー組は「待ち」の状態になっているところ。。。モザンビーク生活も慣れてきたので、少しくらいの待ち時間はなんとも思わない。
けどなぁ、こういうオフィシャルな講習会でこっちは準備して待っているのに待たされていると、だんだん腹も立ってくるというもの。
大体のところ、この講習会について知らされたのは、2日前の夕方。コンロを置く台のない我が家にて、地べたにウンコすわりをしながら料理をしていた時のこと。校長が家にやってきて、
「エイッパァ、言い忘れてたけど、土曜日に他の中学校の理科の先生が数名来るので、そのときに化学の実験を2つ3つ見せてやってくれ」
「はい。」
という程度のものだった。まぁ、簡単なことなのかと思っていたら、次の日に
学校に言った際には、何だか大勢の先生を対象にした「セミナー」だから、先生方も一緒になってできるものを4つ5つ紹介しろ、という話になっている・・・
前述の数学コンテストのこともこの日に聞いて(まぁ当日に言われるよりはマシだけど)、
「お前はけん玉チームを指揮して、けん玉の紹介をしろ」
と言うではないですか。生徒はもう帰っちゃってるんですけど。。。
仕方がないので、生徒の家まで歩いて行って連絡を入れる。なんで電話もまともにない国で、インターネットのコンテストを開くねん。順番おかしいやんけ。
まぁ、校長をはじめ、郡長さんもけん玉のことがお気に入りで、こうやって声をかけてくれるのは素直に嬉しいことではあるんだけどね。でも、まずは国籍と、けん玉という名前は完璧に覚えて欲しいな。ちょっと前に別件で郡から来た手紙には
「中国人による、KEN‐DAMEの紹介」
と書かれていたことがあった。「けんだめ」はないだろう・・・・
おっと、話が逸れてしまったけれども、そうやって急に言われて、準備をダッシュでやって待っているのだから・・・早くこいよバカヤロー、と言いたくもなるわけ。
