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←撮影中のぽんぽこ(まん中)
 窓の外の餌代を撮影中。カメラの向こうにモモンガがいる。
 この餌台には、ヒマワリの種を目当てにヤマネ、モモンガ、リス、ヒメネズミ、ウソ(鳥)、時にはそれらを狙うオコジョも現れるそうだ。
 両脇の二人は照明係。ふまじめでやる気のないやつらだが、たまには役に立つ。帰り道は僕のカメラリュックを背負ってくれた。

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現地施設

長野県
八ヶ岳 山彦荘
長野県茅野市玉川2382-5
電話 0266-72-3260
モモンガとヤマネの山荘 山彦荘。30年前からモモンガとヤマネが出入りをはじめ、今では毎日必ず、現れる。日中はニホンリス、ウソもやってくる。
詳しくは、長野県八ヶ岳 山彦荘 HPへ
標高2400m、八ヶ岳 夏沢峠にある。登山口から歩くこと約4時間。4月〜11月、年末年始営業。要予約。1泊大人2食付7200円、子ども6500円。


山彦荘で出会える動物・・・ヤマネ・モモンガニホンリスウソ
← ヒマワリに夢中

 固唾をのんで見守る山小屋の客たちにあまり動じることなく、食べるのに夢中。
 それでもふと「見られている」ことに気がつくと「ぎょっ」とした顔をして、ささーっと穴に逃げていく。

 食事に夢中になっている間に撮影するのがコツである。

撮影 : 長野県南牧村・山彦荘(八ヶ岳)  平成16年7月24日

← 山彦荘の外観

 早朝の山小屋の様子。

 歴代の山小屋の世話人が動物たちの餌付けを続けている。
観察会の企画もある。
詳しくはホームページを。
 棚からそっと顔をのぞかせた、この小さな動物のことを知っている人はきっと少ないはずだ。名をヤマネという。
 八ヶ岳・夏沢峠にある山小屋「山彦荘」では、夏の夜にヤマネたちが姿を見せる。ヤマネはこの山小屋に住み着いているのだ。先祖代々20年、本棚が彼らの食事場所だ。

ヤマネ

げっ歯目ヤマネ科(日本固有種)  大きさ 6cm〜8cm  本州〜九州 
天然記念物 絶滅危惧種(IUCN)
まりねずみとかこおりねずみとか地方によってさまざまな呼び名がある。森にすみ、木の穴や落ち葉の下などで、丸くなって冬眠する。背中の黒い帯が特徴。眠る姿がかわいい森の妖精だ。
ウォッチングのコツ・・・7月〜10月初旬までが活動期間。その期間でも、寒かったり雨が降り続いたりすると一時冬眠してしまうらしい。夏の観察がいいだろう。写真集などでは冬眠中の丸まったヤマネがよく出てくるが、僕たち素人が無造作に踏み込んでよい領域ではない。。意外と身近に、民家の納屋や小鳥用の巣箱などにいることがあるらしいが、狙って観察することは難しい。夜行性。餌付けしていたり、ヤマネ観察用の巣箱などを設置してある場所で観察するのがいいだろう。
 おすすめは北八ヶ岳の山彦荘。ヤマネを餌付けしており、絶好の観察場所だ。

 ヤマネの体長は5cm前後、しっぽを入れても10cmそこそこの小さな動物だ。
 チャームポイントは背中、頭からおしりにかけて一本の太い黒線が走る。これがなかなかおしゃれなのだ。樹上を中心に生活するヤマネは、しっぽと四肢を上手に使って、細い枝も器用に走り抜ける。木にぶら下がって走る時に背中のラインが枝と重なり、カモフラージュになるらしい。

 山の夜は早い。18:30には20人いた客の半分は床に着く。僕らは5人のグループで来たのだが、もろもろの事情があって一番遅くに小屋に着く。
 いや・・・・・白状すると、「もろもろの事情」ではなく、僕一人、のぼりの登山でバテてしまい、皆の足を引っ張ってしまった。だいたいフル装備のカメラ機材を担いでの登山のしんどさなんて、連中にわかるはずない。しかも、半分も登らないうちに100枚も撮影し、終わると駆け上がっていたんだから、バテてもしかたないと僕は思う。ちなみにマクロ撮影中に、僕はいつ呼吸すればいいのかわからない。呼吸ができないから、写し終えるとたいていゼーゼーしてる。まるで小学生の頃の、プールでの潜水競争のあと状態だ。まったく僕はハイキングしに来たんじゃない。僕はヤマネに会いに来ただけなのだ。
 山彦荘に遅れて着いた事情とはそういうことだ。19:00、ようやく食事を始める。
 で、飯を食いながら酒を飲んでしまうと、僕の一日はほぼ終わる。あー充実していた。ついでにヤマネが現れるといいなぁ・・・なんて思っていると・・・・・
    
  出たー!ヤっマネー!!

 さて、小屋のご主人によると、ヤマネの餌付けはもう20年も前から始まったそうだ。
 きっかけは「向こうから勝手に出てきたからだよ」とのこと。小屋の建て替えの際に住み着いたらしい。
 「もう何代も(繁殖が)続いているから、こういう生活がDNAに組み込まれているんだと思うよ」、「歴史が長いから、やつらもこっちも自然体なんだよ」、「餌付けっていうより、ともに生きてるって感じなんだよな」と語ってくれた。

 なるほど、いろんなところで動物たちの餌付けを見てきたけれど、たいていはどこか人間側の一方通行であって、「自然体」とは言いがたい。標高2400mを超える荘厳な自然の中だからこそ、人も動物も対等にちっぽけであり、寄り添いあうように生きていけるのだろう。

 21:30、僕らは床に着く。屋根の上をモモンガがかさかさと駆け回る。手を伸ばせば届きそうなくらい、すぐそこにある気配になぜか安心する。僕はすっかり眠れなくなった。
 翌朝、朝食は15分遅れた。「俺が寝坊したからよ」とご主人。ずっと僕らのヤマネ観察に付き合ってくれたから。

 ヤマネはげっ歯目といって、ネズミやリスの親戚である。一見ネズミに似ているが、ネズミ科ではなくヤマネ科。体を球のように丸くして冬眠することが有名で、梅雨時など、夏でも寒ければ夏眠してしまう。冬眠中は体温が0℃近くまで下がり、呼吸も30分に1回くらいしかなくなるという。
 食事をしてるその最中、突然10人くらいの客から歓声があがる。窓の外の餌代にモモンガが来た。「モモンガじゃないわよ、だって小さいもん」という勘違いの女性客。それはムササビ。撮影を終え、ランプのみの薄暗い灯りの中で食事を済ませた頃、どこからかカサカサとかすかな音が聞こえる。そっとライトを向けると、小さな動物の姿が浮かんだ。ヤマネだ。壁の隙間から室内にもぐりこみ、本棚にまかれたヒマワリの種を食べ始めた。モモンガが現れてちょうど一時間後のことだ。

そして山彦荘に朝が来る。登山もけっこう悪くないかも・・・。

公開:2005.4.27
更新:2005.12.8

bunbuku

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