文学との関係でいえば、多くの場合神話とのつながりがあるので、ここでは悲劇や喜劇などとのつながりを考えてみたいと思います。ギリシア、特にアテネの陶器画家にとって同時代に上演された演劇は題材としては好材料であったようで、悲劇や喜劇、あるいはサテュロス劇に取材したと思われる陶器が数多く出土しています。その演劇が現存するものであれば陶器画家がその場面をどのように理解していたかを探ることが可能であるし、現存しないものであれば陶器画の内容からその演劇を復元することも不可能ではないのです。また特に南イタリアやシチリアの陶器には演劇の舞台を描いたものが数多く見られ、当時の演劇の舞台構成などを探る絶好の資料ともなっています。 |