雑器
カドス / Kados / ΚΑΔΟΣ

丸い胴部の左右に縦の把手がついた壷で、口が大きく、把手に紐を結んでバケツのように使用した。

大きさ:20−30cm

レカネ / Lekane / ΛΕΚΑΝΗ

左右に水平の把手がついた頑丈な大型の鉢で、様々な目的に使用された雑器。

大きさ:20−30cm

シトゥラ / Situla


ラテン語で「バケツ」を意味する陶器で、様々な目的に使用されたと考えられる。金属器を起源とする器形。南イタリアでまれに制作された。
Cf. Boston 1992.317 (Nagoya Boston Museum).

大きさ:20cm前後

アミス / Amis / ΑΜΙΣ


ギリシアで使用された尿瓶。アゴラ出土の例では卵型で、上に把手がつき、正面の丸い大きな穴の上には飛び散って汚れないようにするためか、ひさしのようなものがついている。

大きさ:20cm前後

 

授乳器 / Feeder


細長い注口のついた授乳器で、上面に穴があり、注口の90度の位置に丸い把手がつく。

大きさ:5−10cm


エピネトロン / Epinetron / ΕΠΙΝΗΤΡΟΝ


半円筒形の胴部の一方が丸くなり、その先に女性の胸像が取り付けられたもので、上面は表面が凸凹になっている。その用途は糸を紡ぐ際に膝の上に乗せて羊毛をほぐすのに使用されたと考えられている。しばしばオノス(Onos / ΟΝΟΣ)と呼ばれるが、これは足を乗せる台を意味する語であるから正しい呼び名ではない。

黒像式の例は多いが、赤像式は少なく、五世紀後半の例が数点存在するのみである。両者とも胴部の両側面を画面とし、前面の丸い部分にフリーズ状の画面を配したものもある。
Cf. Harvard 1960.322 (Perseus Project).

大きさ:幅およそ30cm前後。

カラトス / Kalathos / ΚΑΛΑΘΟΣ


本来は羊毛などを入れる籠に付けられた名称だが、その形を模した逆円錐形の小型の陶器に当てはめられている。中には籠と同じ用途に使用されたと思われるものもあるが、小型のものはカップなどとして使用された可能性もある。
Cf. St. Louis 156.1922 (Perseus Project).

大きさ:10−30cm

 

ランプ / Lamp

平坦な胴部は上面が丸くあいていて、注口の先端には灯芯を入れる穴があいている。

大きさ:幅10cm程度

ルテリオン / Louterion / ΛΟΥΤΗΡΙΟΝ

「洗う」を意味する陶器で、左右に把手のついた注口付きの鉢に当てはめられた名称。

Cf. Lidoriki (Odysseus).

ペリランテリオン / Perirrhanterion / ΠΕΡΙΡΡΑΝΤΗΡΙΟΝ

「(水などを)撒く」という意味を持ち、高い脚を持つ水盤に用いられているが、石製のものも多い。