仕上げ作業


円柱の溝がどの時点で掘られたのかは確かではありませんが、建築がほぼ終了してからということが考えられています。これは先に仕上げをしてしまうと、神殿内に建材を運ぶ最に傷をつけてしまうためです。

溝を掘る手順はいくつかの段階に分かれています。まずは釣り上げるさいの凸部を取り除き、表面の凹凸を取り除きます。次いで大まかに溝を掘った後、稜線を整えます。それと同時に基段や壁面の表面も磨かれます。

ギリシアの神殿といえば白亜のイメージがありますが、何らかの彩色が行われていたことは明らかです。石材部分への彩色は消えてしまっていることが多いのですが、テラコッタ部分には鮮やかな色彩が残っています。また石材部分を細かく調査すると彩色の痕跡が見つかることがあり、青や赤の色彩が用いられていたことが分かっています。また円柱部分には石材を保護するためのものと思われるニス状のものが塗られていたことが明らかになっています。