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◆ピグミージェルボアって何?
2002年5月21日更新

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バルチスタン・ピグミージェルボア
バルチスタンコミミトビネズミ
■学名Salpingotulus michaelis(1属1種)
■原産地
パキスタン南西部に位置する、バルーチスターン地方。
■野生種・生息環境情報
周囲を山地山脈に囲まれた高地盆地の砂漠地帯に生息、年間を通じて殆ど雨量が記録されません。ですが、夏と冬の季節はハッキリと分かれた砂漠地帯(砂漠と言うより荒れ地や岩盤地帯で、草木などは生えています。)です。
夏期の日中温度は30゜Cぐらいまで上昇し、夜間は25゜Cぐらいです。冬季は厳しく夜間はマイナスに達する事もあります。この時期、冬眠をしないとされていますが代謝を落とし仮冬眠の様な状態ではないかと思われます。

ウォーカーズ 世界のほ乳類(和訳)
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■歴史
学術的に知られたのもまだ浅く、1980年に記載されたばかりです。日本では2000年10月に<Rep JAPAN様>の手により紹介されました。紹介されると共にその反響はもの凄く、瞬く間に一躍有名になりました。日本での普及はまだまだこれからですが必ずや小動物ペットの人気上位につけることとなると思います。
<生態研究>
野性下と飼育下
■体・特徴
- 体長は36mm〜47mmと非常に小さいです。500円玉ほどの大きさです。尻尾が長くて、72mm〜94mmになります。普通のネズミの様に這いながら歩くのではなく、カンガルーの様に飛ぶように移動します。
寝るときの姿がまるで死んで(笑)いるようで、皆さんビックリされる様です。
ヒゲが口元に密集して生え、短い髭から長い髭へと綺麗に並んで生えてます。手は足にくらべ非常に小さくて短く正面から見ると見えないときがあり、一瞬手がないのかと思ってしまいます。ルックスは非常に可愛くまるで、アニメや漫画・ゲームの世界から飛び出してきた様な風貌です。丸い毛のボンボリにくりくりした目がついて、爪楊枝を半分に折ってつけたような足です。
■野性での平均体重考察
-現時点でのピグミージェルボアは野性の個体であり、日本に入って来た状態での平均的な体重を測っていってみると、生活していく上でベストな体重が分かります。
オス・メスで若干の差異があります。平均的にオスよりメスの方が大きいです。
まず、成熟個体のオスの平均体重は3.2〜3.5g程です。この体重で性器の成熟が見られるため、野性下ではこれが成熟されたオスの個体の平均的な体重と言えます。
次にメスの体重は3.8〜4.1g程です。
4gを越える個体は妊娠している可能性もあります。妊娠時の体重は4.1〜4.8g程です。これぐらいの体重で妊娠しているため、メスの成熟個体の野性下での平均体重は4.0g程までがベストな状態と言えるでしょう。
ピグミージェルボアは飼育下に置くと、餌が常に豊富な状態にあるため、体重が6〜7g以上程まで上がってしまいます。これは
野性下での平均体重の約2倍相当になってしまい、単純に考えても異常な肥満状態と言えます。人間に当てはめて考えてみれば、日本人平均成人男性70kg程に対し120kg〜140kgにもなってしまいます、これがどんなに危険な状態か私が言わなくても想像できますね^^;。長期飼育がなかなかうまく行かない現在は、長期肥満による、内臓疾患などの理由も考えて行かなければ行けません。長期に渡ると主に肝臓などに障害を来してしまうのが非常に心配です。体重キープはこれからの課題になるでしょう。
■尻尾について2002年5月21日
-尻尾は健康状態を把握するにも非常に重要です。ピグミージェルボアは尻尾に脂肪を蓄積すると言われており、砂漠の生き物なのでここに蓄積しているので、ある程度水を与えなくても生きて行かれると考えられています。(ようはラクダのように考えて頂ければ良いと思います。)
尻尾の太い(脂肪貯蓄)されている事は状態的に良いと思いますが、ここ最近では果たしてそれが良い状態の印なのか?と言う疑問も湧いてきます。と言うのも、日本に入ってきた直後の子達で尻尾の太い子達はまず居ません。こちらでも紹介している拡張版・ウォーカーズ・世界のほ乳類(和訳)にもあります様に現地における統計的にも数が少ないです。また、輸入間もなくの子で尻尾が細い子も非常に元気でいます。
野性下では尻尾が細い状態が通常であると思われます。
尻尾に脂肪を貯蓄すると言う習性は、野性下での過酷な餌の事情を生きていく手段であり、餌が豊富に摂れる時期、もしくは過剰に摂取出来た時は一時的に尻尾に貯めて置くものと思われます。餌が摂れない時や過酷な冬の時期はこれにより乗り切れるモノと考えます。ですが、飼育下に置いては
常に尻尾に脂肪を貯蓄されている状態は、上の体重考察でも書いた通り、慢性的な肥満状態にあるモノと思われます。尻尾に脂肪を貯蓄されるのが悪いと言っているのではなく、それは状態を見た上では良い事であるが、それが長期に渡ってその状態になると果たして本当に健康に良いのか?とされた場合、?が出るのが現状です。
■普段の行動・生活2002年5月21日
-通常では夜行性です。飼育下では昼間でも行動したりするようになります。
寝ているときは表現が悪いですが、死んでいる様であり、代謝自体もかなり落として寝ている様です。完全に熟睡しているときは、人が触っても動きが鈍く、反応も殆ど無いときがあります。これは、野性下では眠る時は完全に、巣穴に潜ってしまい寝ているモノと思われます。かなり無防備に寝ているので、完全に隠れられる場所でないと捕食されてしまう事でしょう・・・。
また、野性下では複数の個体が肩を寄せ合い寝ているモノと思われ、飼育下においても複数飼育する場合自然と集まって寝ています。個体が集まると暖かいと言う事を自然と分かるのが微笑ましいです。また、寝起きも非常に悪く、完全に代謝を落としてしまっているとき等は、起きるのに時間が掛かります。まどろんでいる時間も長いです。この代謝を落とすと言うのは、無駄なカロリーを消費しない為にも過酷な野性下では非常に有効な手段といえ、それが習性になっているものと思われます。
また、20度を下回って来るとこの代謝を落とす習性が躊躇に出てきます。この様な時、丸1日ぐらいは平気で寝たままと言うこともあり得る話です。単独飼いでは暖が取れませんので、ホットプレートなどの設置は欠かせないと思います。単独でいる場合と複数で寝ている場合では明らかに動きに違いがあります。複数でいる場合は、折り重なる様に寝るため代わる代わる上に行く行動が見られますが、単独の場合は動きが無くなって来ます。ホットプレートなどが無い場合は代謝が落ちすぎる可能性があるので注意した方が良いかもしれません。また、暖かくなってもホットプレートのある場所に集まってきます。寝ている間はそれ程まで代謝を落とす傾向があると言うことではないでしょうか。
■食生活
-現時点での飼育下においての餌の事情はまだ発展途上にありベストなものとは言えないです。それは1年近く、友の会の方々を含め色々な方々が飼われた上でもそう思われます。
ピグミージェルボアの
食性は雑食性と言えます。種子系を中心に色々なモノを口にします。野性下でも色々なモノを食べて行かないと生きていけない状況だと考えられます。考えられるのは種子類・草木類・土壌性生物・幼虫等々・・・ただ、完全な成虫の昆虫は食さない様です。また、現時点で動物性たんぱく質も非常に重要な栄養素と思われ、これをいかに補給させるかも課題となります。小鳥用の活餌でも有名なミルワームを与えたり、茹でたササミなども食す様です。
ここで気を付けなければ行けないのが、餌の分量です。餌皿一杯に盛った状態では、
餌に選り好みが見られ結果偏った食性になる可能性が非常に高いです。少なすぎると思うぐらいが丁度良く、そうすると食べれるモノは結構なんでも食べます(もちろん食さないものもありますが。)。色々なモノを食べさせると言うことは結果栄養バランス面では良いと思います。過剰な餌の分量は偏った食性になりますのでくれぐれもご注意下さい。
また、友の会の方からの情報で、ピグミージェルボアの腸管はその他草食性の動物に見られる様な長さが無く体長の2倍程度の長さの様です。腸管が短いと言うことは草などの食物繊維質を消化するのにはあまり適していないとも考えられますが、ピグミージェルボアには食糞性もあると思われます。まだ、未消化の軟便(白っぽい糞)をもう一度食し再度消化する様促している様です。これは必ず食糞をしていると言うレベルのモノではありませんが頻繁にしている事も事実です。
■複数行動?単独行動?
-野性下では複数でコロニーの様なモノを形成し、生活している様ですが、それでは複数で行動しているのかと言うと、普段地表に出ている時は単独で行動しているものと思われます。寝ている時は複数で折り重なって寝ていると言うレベルでしょう。現に行動をしているときはお互いに干渉せず、と言った所です。
また、見知らぬ個体が出会った時は、お互いに挨拶の様な行動(ムービーのコーナーでクルクルダンスと言っている行動)が見られますが、これは良く分かっていません。私の経験から私見的に見ると、完全にメスと分かっている個体同士、オス同士だとあまり見られません。オスとメスが出会った時に見られる行動と言った方が統計的には多いです。また、繁殖期の行動とも思える節があります。発情が見られない(性器が発達していない?)個体には見られない時が多いですが、なんとも言えません。
また、
個体によっては攻撃的な個体もおり、複数飼いをするには注意が必要です。動物性たんぱく質の欠如からか共食いをする場合もあり得ます。
■ハゲに対する考察
-飼育下に長く置いていると、ひどいハゲが出来てくる場合が多いです。これは現在の飼育状況を物語っていると思いますが、実は野性下でも禿げている子は結構いると思われます。これは輸入直後の子にもそう言った個体が混ざっています。ひどいハゲではありませんが、禿げている場合は頭部にハゲが出来ています。その場合はオスの場合が多い様ですが、定かではないです。全身にハゲが広がっていく場合は、やはり栄養の偏りやビタミン不足、その他理由が考えられますが、頭部だけ禿げて来るのはまた違った理由があるのかもしれません(高齢のような?)。しかし決定的な事ではないです。
■オス・メスの違い2002年5月21日
-繁殖期・発情でない時期に、オスメスを見分けるのは現時点では非常に困難な事だと思います。また、長期飼育し肥満になってしまっている個体は、生殖器が未発達もしくは、発情不全に陥っている可能性も考えられます。
輸入間もない発情期の成熟個体は、オスが結構分かりやすく、
睾丸部が躊躇に大きくなり見た目にハッキリと、あ・・オスだ・・・と分かるようになります。また妊娠しているメスも非常に分かりやすく、体重でも、ん?重いなあ・・と思い、腹部を見ると、乳首の発達が見られます。また、お腹の膨れ具合を見て直ぐ妊娠していると分かります(もちろん比較経験が問われますが^^;)。
また、
明らかに妊娠している個体は統計的にウエットテール(お尻が濡れた様な感じになり、砂等が付着する)になっていますので、コクシジウムなどその他寄生虫の可能性と見分け付きませんのでご注意下さい。体重の稿でも書いていますが、輸入直後の個体だった場合、妊娠期のメスの体重は4g以上になります。
■繁殖・出産2002年5月21日
-繁殖期は2002年5月初旬にすでに妊娠している個体が出てきているため、冬ごもりを終えた直後から繁殖が始まると思われます。繁殖に適した個体は、生殖器の発達が躊躇に見られます。個体の大きさに対し、出産される子供は比較的大きく体長1cm程あります、その為、一回の出産に少ないと1匹、多くて4匹程です。平均2〜3匹だと考えられます。離乳は約1ヶ月強ほどと思われ、その直後に再度妊娠〜出産に入ります。出産は10月に入っても確認されており、年に2回と言われていますが、実際の所は繁殖に入ると2回と言わず、3〜4回は産む可能性もあると思います。産まれる子供の数を見てもそれぐらいは出産されないとおかしい気がします。
また、現時点で出産されているのは、持ち込み腹によるものであり、日本で交尾し成功したと言う例は現時点での報告には無いです。発情の仕組みの解明が今後のキーポイントとなると思います。冬ごもりがネックになるかもしれませんし、巣のあり方や、体重などの関係も考えられます。
また環境変化や輸送などによるストレスからか、出産後育児放棄をする場合もあります。動物性たんぱく質の不足もしくはストレスなどにより子食いもありますので、現在では難しい課題となっています。また、現在の砂では子供が埋まってしまうトラブルもあるので、出産や育児する場所や環境なども考えた方が良いと思います。
妊娠期のメスは、鶏のささみなどを細かくほぐしたモノなどを良く食します。
協力:<Rep JAPAN>

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