ペイトー / P E I T H O / .

説得の女神。パリスヘレネを連れ去る場面などに登場する。

まれに登場する場面

  • ハルモニアの婚礼準備
ペイリトオス / P E I R I T H O O S / .

ゼウスとディアとの息子でテッサリアのラピタイ族の王。アテナイのテセウスの噂を聞くと彼を試したくなり、わざと彼の牛を奪った。しかしテセウスは彼を罰するどころか気に入ってしまい、二人は親友になった。

 彼はテセウスアマゾン族遠征に参加し、アンティオペ誘拐を助けた。また彼とヒッポダメイアとの結婚式でケンタウロス族と争いになり、テセウスの協力によって彼らを追い払うことに成功した。その後ヒッポダメイアが死ぬと、同じく妻を亡くしたテセウスとともに新しい妻を捜すことにした。テセウスの妻としてスパルタ王女ヘレネを誘拐したのち、ハデスの妻ペルセフォネを妻とするために冥界に向かった。しかしハデスに騙されて忘却の椅子に座らされると自分が誰で、何をしに来たのか忘れてしまい、そのまま冥界に閉じこめられた。ケルベロスを生け捕りにヘラクレスが訪れたとき、テセウスは解放されたが、ペイリトオスは永遠に冥界に取り残された。

常に登場する場面

  • 冥界に閉じこめられたテセウス

しばしば登場する場面

  • アンティオペを連れ去るテセウス
  • ラピタイ族とケンタウロスの戦い
  • ヘレネを誘拐するテセウス
ペガソス / P E G A S O S / .

ペルセウスが切り落としたメドゥサの首から滴り落ちる血から産まれた怪物で有翼の馬。キマイラ退治を命じられたコリントス王子ベレロフォンキマイラを捕らえて調教し、これに乗って上空から矢を放ってキマイラを退治した。ベレロフォンは彼をキマイラ退治に追いやったアルゴス王妃ステネボイアに復讐するために彼女をペガソスに乗せると彼女を突き落として殺した。

 しかし彼自身も神への慢心のためにペガソスから振り落とされて死んだ。

常に登場する場面

  • キマイラを退治するベレロフォン

まれに登場する場面

  • メドゥーサを退治するペルセウス
ヘカテ / H E K A T E / .

本来は地母神であるが、冥界と結びつけられるようになった。そのためデメテルペルセフォネとも結びつけられてエレウシスの秘儀においても重要な役割を持ち、しばしば松明を持つ姿で描かれる。しかしその両親については様々な説があり、父親はティタン神族のコイオスやペルセス、あるいはゼウスともいわれ、母親もフォイベ、アステリアデメテルと一定しない。

しばしば登場する場面

  • 地上に戻ったペルセフォネ
  • 麦の栽培を伝えに旅立つトリプトレモス
  • エレウシスの秘儀に入信するヘラクレス
ヘカベ / H E K A B E / .

フリュギア王デュマスの娘でトロイア王プリアモスの妻。パリスヘクトルトロイロスといった息子やカッサンドラポリュクセネなどの娘を生んだ。パリスが産まれるときにこの子どもがトロイアを滅亡に導くことになることを知ったので羊飼いに捨てさせたが、密かに育てられ、成長したのちに再開して予言を忘れて彼を迎え入れた。パリスがスパルタ王妃ヘレネを誘拐するとこれを取り返すためにギリシア軍が攻め寄せてきた。 トロイアが陥落すると孫アステュアナクスを目の前で殺され、自身も捕虜としてオデュッセウスに連れられていった。

常に登場する場面

  • トロイア王家に迎えられるパリス

しばしば登場する場面

  • ヘクトルの出陣
  • ヘクトルの遺体を引き回すアキレウス
  • アステュアナクス殺害
ヘクトル / H E K T O R / `ΕΚΤΩΡ

トロイア王プリアモスヘカベとの息子。テベの王女アンドロマケとの間にアステュアナクスをもうけた。彼はトロイアの総大将であり、最も勇敢な戦士であった。 兄弟パリスがスパルタ王妃ヘレネを誘拐するとこれを奪回するためにギリシア軍が押し寄せてきた。戦いは常にトロイア劣勢で推移したが、アキレウスが陣営に引きこもると少しずつ形勢が傾いてきた。彼は妻と子供に最後の別れをすると戦場に向かった。敵の猛将アイアスと一騎打ちをしたが勝負が付かず、贈り物を交換して別れた。ギリシア軍を海岸まで追いつめると、アキレウスの鎧を身につけたパトロクロスが現れ、ひるんだトロイア勢は一気に引いてしまった。しかし深追いしたパトロクロスをヘクトルが倒し、その鎧を奪ったが、遺体はメネラオスアイアスに奪われた。 親友の死にアキレウスは出陣を決意し、トロイア勢は皆城壁の中に隠れたがヘクトル一人はその外にとどまってアキレウスを待ち受けた。しかし直前で恐ろしくなって城壁の周りを逃げ回ったがついに決意して一騎打ちを試み、ついに討たれた。彼の遺体を持ち帰ったアキレウスは戦車の後ろに縛り付けて引き回し続けた。しかし母の説得に応じて単身彼のもとを訪れたプリアモス王に遺体を返した。

常に登場する場面

  • トロイロスの遺体をめぐるアキレウスとヘクトルの戦い
  • アイアスとヘクトルの戦い
  • 贈り物を交わすアイアスとヘクトル
  • ヘクトルの出陣
  • ヘクトルを追うアキレウス
  • アキレウスとヘクトルの戦い
  • ヘクトルの遺体を引き回すアキレウス
ヘシオネ / H E S I O N E / .

トロイア王ラオメドンの娘。ゼウスに命じられてアポロンポセイドンがトロイアの城壁を築いたとき、ラオメドンが報酬を払わなかったためにポセイドンは怪物を送ってトロイアを荒らした。王は神託に従ってヘシオネを怪物の犠牲に捧げようとしたが、通りかかったヘラクレスに救出され、怪物も退治された。ラオメドンはヘラクレスにも報酬を与えなかったので、後日ヘラクレスに殺され、ヘシオネは彼に捕らえられると、彼とともに戦ったテラモンに与えられた。

常に登場する場面

  • ヘシオネを救出するヘラクレス
ヘスティア / H E S T I A / .

クロノスレアとの娘でかまどの女神。アテナアルテミスのように貞節を守り通した。しかし神話に登場することはほとんどない。

まれに登場する場面

  • ペレウスとテティスの結婚
  • オリムポス入りするヘラクレス
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
ヘスペリス・複ヘスペリデス / H E S P E R I S / .

アトラスとプレイオネ、あるいはヘスペロスとの娘たちで、数は四人とも七人ともいわれる。西の果てのヘスペリデスの園に住み、ヘラゼウスとの結婚の時にガイアから送られた黄金のリンゴの木を大蛇ラドンとともに守っていた。 ヘラクレスは難行の一つとしてこのリンゴを持ち帰ることを命じられたが、天空を支えていた彼女たちの父アトラスに頼んでリンゴを取ってもらった。

しばしば登場する場面

  • ヘスペリデスのリンゴを取るヘラクレス
ペネロペ / P E N E L O P E / ΠΗΝΕΡΟΠΗ

スパルタ王イカリオスとニンフのペリボイアとの娘。イタケ王オデュッセウスの妻で、息子テレマコスを生んだ。夫がトロイア戦争で不在の二十年間貞節を守り続けた。彼女のもとには多くの求婚者が訪れて結婚することを求めたが、義父ラエルテスの棺衣を織り終わるまではと約束し、昼間織った分を夜に解いて彼らを騙し続けた。

 しかしそれもばれてしまったときに乞食に姿を変えた夫が帰ってきた。しかし夫だとは気が付かず、夫と息子が求婚者たちを成敗したのちになって初めて夫であることを知った。

常に登場する場面

  • 衣を織るペネロペ
ヘファイストス / H E P H A I S T O S / `ΗΦΑΙΣΤΟΣ

ゼウスヘラの息子、あるいはヘラが一人で生んだ子供とされ、鍛冶の神。生まれつき片足が不自由で、しばしば爪先が後ろを向いた姿で描かれる。アトリビュートは火箸と金槌。 産まれたとき彼があまりにも醜かったためにヘラは彼をオリムポスから投げ捨てた。海のニンフであるネレイスたちに拾われた彼は鍛冶の技術を学び、母に黄金の椅子を送った。これに腰掛けたヘラは全く動けなくなってしまい、神々は彼女を解放させようとヘファイストスをオリムポスに招いたが応じなかった。ディオニュソスは彼を酔わせて天界へと招いてヘラを解放させた。 彼はゼウスの頭を斧で割ってアテナを誕生させ、またゼウスに頼まれて最初の人間の女性パンドラを創造した。アテナに欲情してこぼれた精子を大地が受けとめ、アテナイ王となるエリクトニオスが産まれた。このほかトロイア戦争では彼の恩人であるネレイスの一人テティスに頼まれてその息子アキレウスのために鎧一式を製作した。

常に登場する場面

  • アテナの誕生
  • ヘファイストスの帰還
  • アキレウスの鎧を造るヘファイストス

しばしば登場する場面

  • パンドラの誕生
  • ギガントマキア
ヘベ / H E B E / `ΗΒΗ

ゼウスヘラとの娘で青春の女神。死して神となったヘラクレスにたいしてヘラはその和解の印として彼女を妻として与えた。またヘラクレスの甥イオラオスを一日だけ若返らせてヘラクレスの息子たちを迫害していたエウリュステウス王を討ち取らせた。

常に登場する場面

  • ヘラクレスとヘベの結婚

まれに登場する場面

  • ハルモニアの婚礼準備
  • ペレウスとテティスの結婚
ヘラ / H E R A / .

クロノスレアの娘で結婚と女性の生活を守る女神。ゼウスの正妻であり、アレスヘベエイレイテュイアなどを産んだ。アトリビュートは冠と笏で、しばしばゼウスとともに玉座に腰掛ける。 自分一人で、あるいはゼウスとの間にヘファイストスを産んだがあまりに醜かったためオリムポスから投げ捨てた。成長した息子は鍛冶の技術を学び、母に黄金の椅子を送った。これに腰掛けたヘラは全く動けなくなってしまい、神々は彼女を解放させようとヘファイストスをオリムポスに招いたが応じなかった。ディオニュソスは彼を酔わせて天界へと招いてヘラはやっと解放された。 彼女は常に夫の浮気に悩まされ、相手の女性やその子供を迫害し続けた。レトがアポロンアルテミスを身ごもったとき、出産の場所を与えず、出産の女神エイレイテュイアに命じて出産を遅らせた。また夫が彼女に見つからないように牝牛に変身させたイオに虻を送って追い回し、百の目を持つ怪物アルゴスに彼女を監禁させた。ディオニュソスを身ごもったセメレは彼女の策略で雷に討たれて死んだ。 最も激しかったのはアルクメネの息子ヘラクレスへの迫害であった。王となるべく産まれるはずのヘラクレスの出産を遅らせ、エウリュステウスの出産を早めてこれを王にした。産まれたばかりのヘラクレスのもとに毒蛇を送り、エウリュステウスに数々の難題をかけさせ、しばしば狂気に陥らせた。しかし死後神となったヘラクレスと和解して娘ヘベを妻として与えた。 パリスの審判ではアテナアフロディテとともに争い、世界の覇権を約束したがアフロディテに破れた。

常に登場する場面

  • ヘラを襲うサテュロス
  • パリスの審判

しばしば登場する場面

  • アフロディテの誕生
  • ヘファイストスの帰還
  • アルゴスを退治するヘルメス
  • 車輪に縛り付けられるイクシオン
  • ギガントマキア
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
  • ペレウスとテティスの結婚
  • メムノンとアキレウスのプシュコスタシア
ヘラクレス / H E R A K L E S / `ΗΡΑΚΛΗΣ

ゼウスアルクメネとの息子。ギリシア最大の英雄だが、その死までヘラに迫害され続けた。アトリビュートは棍棒とライオンの毛皮、弓矢などで、髭の生えたたくましい男性として描かれた。 ヘラクレスの出産が近いことを知ったゼウスはまもなく生まれる自分の血を引いた人間がギリシアを支配する王となるだろうと公言した。これに不満を持ったヘラはヘラクレスの出産を遅らせるとともに、ペルセウスの孫に当たるエウリュステウスの誕生を早め、彼がアルゴリス地方の王となった。 ヘラクレスが産まれるとすぐにヘラは毒蛇を送って殺そうとしたが彼は逆に蛇を絞め殺した。幼少の頃リノスに音楽を習っていたが、上達しない彼はリノスを竪琴で殴り殺してしまった。彼はヘラの仕業で狂気に陥って妻メガラと子供を殺してしまった。その汚れを払うためにはエウリュステウスに使えて彼の課す十二の難行を果たさねばならなかった。 最初に命じられたのはネメアに住むライオン退治で、素手でこれを倒すと皮を剥いで自分の持ち物とした。次のレルネのヒュドラ退治では甥のイオラオスの助けを借りてその首を切り落とし、二度と生えてこないように傷口を焼いて殺し、またその毒を取っておいて矢につけた。次のケリュネイアの鹿退治では、その鹿の守護神アルテミスアポロンに妨げられたが、用が済めば解放することを条件にこれを生け捕りにした。次の難行に向かう途中でケンタウロス族のフォロスに歓迎された。しかしヘラクレスはケンタウロス族共用の酒甕を無理矢理開けてしまって彼らと争いになり、彼らを殺してしまった。そして次の難行としてエリュマントスに住む猪を生け捕りにしてエウリュステウスのもとに連れていったが、臆病な王は甕の中に隠れてしまった。 このあとアルゴナウタイの一行に加わったが、美少年ヒュラスが行方不明になったのを探している間に置き去りにされ、しかたなく難行を続けることにした。五番目の難行はアウゲイアスの家畜小屋を一日で掃除することであったが、彼は川の流れを変えると一瞬にしてこれを終えてしまった。次の難行では、ステュムファロス湖畔に住んで人を襲っていた青銅の怪鳥を退治した。次いでクレタ島を荒らしていた牡牛を生け捕りにして王のもとまで連れてくるとそのまま解放した。八番目の難行はトラキアのディオメデス王の飼う人肉を食う馬を捕らえることであったが、彼を襲ったディオメデスを捕らえると馬に食わせたのち満腹になったところを捕らえた。次のの難行はアマゾン族の女王の帯を奪うことであった。女王ヒッポリュテは素直に渡すつもりだったがヘラの策略で争いとなり、ヘラクレスに殺されてしまった。帰路トロイアに立ち寄った彼は、ポセイドンの送った怪物の犠牲として捧げられていたヘシオネを救出して怪物を殺した。 十番目の難行はゲリュオンの飼う牛を生け捕りにすることであったが、そのためには海を越えて西の果てまで行かなくてはならなかった。道中あまりの暑さに太陽に矢を放った彼の度胸に感嘆した太陽神ヘリオスは黄金の大鉢を与え、これに乗ってゲリュオンのもとまでやってきた。彼はゲリュオンの牛飼いエウリュティオンと番犬オルトスを殺して牛を盗み、追いかけてきたゲリュオンを殺した。 次いで命じられたのはヘスペリデスの園にある黄金のリンゴを取ってくることであったが、まずその場所を海の神ネレウスに力ずくで聞き出した。エレウシスを通りかかるとアレスの息子キュクノスが彼を襲ってきたためにこれを殺し、その父アレスとも戦いになったがゼウスが二人を仲裁した。カウカソスでは岩に縛り付けられたプロメテウスの内蔵を食らう鷲を射殺して彼を解放した。エジプトでは彼を犠牲として捧げようとしたブシリス王を逆に生け贄にした。リュビアではガイアの息子アンタイオスと戦ったが、地面から持ち上げられて力を失ったこの巨人を投げつけて殺した。ヘスペリデスの園に着くと先にプロメテウスに教わったとおりに彼女たちの父アトラスにリンゴを取りにいってもらい、そのかわりに天空を支えていた。戻ってきたアトラスはそのまま立ち去ろうとしたが、ヘラクレスは彼を騙して再び天空を支えさせてリンゴを持ち帰った。また別の説では彼自身がリンゴを守る大蛇ラドンを殺してリンゴを取ったことになっている。 最後の難行は冥界の番犬ケルベロスを連れてくることであった。そのために彼はまずエレウシスの秘儀に入信しなくてはならなかった。ヘルメスに導かれて冥界に下ると、ハデスに捕らえられて忘却の椅子に座るテセウスペイリトオスに出会った。彼はテセウスを解放したが、ペイリトオスは許されなかった。ハデスは素手で戦うことを条件にケルベロスを生け捕りにすることを認め、ヘラクレスは王のもとまでケルベロスを引いていくとハデスのもとに返した。 難行を果たした彼はオイカリアの王エウリュトスの催した競技に参加して優勝したが、彼の経歴を知った王は賞品であった娘を与えることを拒んだため、怒ったヘラクレスは彼の息子を殺してしまった。この罪を清めるために彼はデルフォイに向かったが巫女ピュティアはこれを拒んだため彼女が座る聖なる鼎を奪おうとした。これを取り返そうとするデルフォイの神アポロンと争いになったがゼウスに仲裁された。 ヘラクレスはリュディアの寡婦オムファレの奴隷として働くことを命じられた。エフェソスでは盗賊ケルコプスたちを捕らえたが、その滑稽さが気に入って解放した。また旅人に強制労働をさせていたシュレウスを鍬で打ち殺した。奴隷の期間が終わると、神々に反乱を起こした巨人ギガスたちとの戦いに参加し、アルキュオネウスを倒すなど重要な役割を演じた。その後カリュドン王女デイアネイラを妻にしようとし、彼女に求婚していたアケロオス河神をレスリングで倒してデイアネイラを得た。カリュドンを追われてトラキアに向かう途中エウエノス川を渡ろうとしたとき、ケンタウロス族のネッソスが彼女を渡してやろうと申し出た。しかしデイアネイラを略奪しようとしたのでヘラクレスの矢に討たれた。ネッソスデイアネイラに自分の血で衣服を染めて夫に着せればその愛を取り戻せると騙して死に、妻はそれを信じて血を取っておいた。 ヘラクレスは先に報酬を与えなかったエウリュトスを殺して娘のイオレを妾とした。夫の愛がイオレに移ったと思ったデイアネイラネッソスの血で染めた衣服をヘラクレスに渡した。ヘラクレスがこれを身につけると血に含まれていた毒が彼を侵し始め、絶望のあまりデイアネイラは自殺した。耐えられないヘラクレスは薪を積み上げて横たわると息子ヒュラスに火を放つよう命じたができなかった。たまたま通りかかったテッサリアのメトネの王ポイアスあるいはフィロクテテスが代わりに火を放ち、ヘラクレスから弓矢を受け取った。炎に焼かれたヘラクレスは神となり、アテナに導かれてオリムポス入りした。天上ではヘラと和解してその娘ヘベを妻として与えられた。

常に登場する場面

  • 蛇を絞め殺すヘラクレス
  • リノスを殺すヘラクレス
  • ネメアのライオンと戦うヘラクレス
  • レルネのヒュドラを退治するヘラクレス
  • ケリュネイアの鹿を生け捕るヘラクレス
  • ケリュネイアの鹿をめぐって争うヘラクレスとアポロン
  • ケンタウロスと争うヘラクレス
  • エリュマントスの猪を生け捕るヘラクレス
  • アルゴナウタイの出発
  • ステュムファロスの怪鳥退治
  • クレタの牡牛を生け捕るヘラクレス
  • ディオメデスの馬を捕らえるヘラクレス
  • ヘラクレスとアマゾンの戦い
  • ヘシオネを救出するヘラクレス
  • 黄金の鉢で海を渡るヘラクレス
  • ゲリュオンとヘラクレスの戦い
  • ネレウスとヘラクレスの格闘
  • キュクノスとヘラクレスの戦い
  • ヘラクレスとアレスの戦い
  • プロメテウスを解放するヘラクレス
  • ブシリスを退治するヘラクレス
  • ヘラクレスとアンタイオスの格闘
  • ヘスペリデスのリンゴをヘラクレスに渡すアトラス
  • ヘスペリデスのリンゴを取るヘラクレス
  • エレウシスの秘儀に入信するヘラクレス
  • ケルベロスを生け捕るヘラクレス
  • エウリュトスと戦うヘラクレス
  • デルフォイの鼎を奪うヘラクレス
  • ケルコペスを退治するヘラクレス
  • シュレウスとヘラクレスの戦い
  • ギガントマキア
  • アルキュオネウスを退治するヘラクレス
  • ヘラクレスとアケロオスの格闘
  • ネッソスと戦うヘラクレス
  • ヒュロスの誕生
  • デイアネイラからネッソスの血染めの衣服を受け取るヘラクレス
  • 薪の上に横たわる瀕死のヘラクレス
  • オリムポス入りするヘラクレス
  • ヘラクレスとヘベの結婚
  • クリュセに犠牲を捧げるヘラクレス
  • トリトンとヘラクレスの格闘
  • ゲラスと戦うヘラクレス

しばしば登場する場面

  • 冥界に閉じこめられたテセウス
  • ヘラを襲うサテュロス
ペリアス / P E L I A S / .

ポセイドンとテュロとの息子でネレウスの兄弟。テュロは継母シデロの虐待を恐れて彼らを捨てた。成長した兄弟はテュロを迫害していたシデロをヘラの聖域で殺した。

 彼はアイソンからイオルコスの王位を奪ったが、アイソンの息子イアソンが王位返還を要求した。ペリアスはイアソンにコルキスのアイエテス王のもとから黄金の羊の毛皮を持って帰るよう要求した。二度と帰ることはないと思われたイアソンだが、多くの英雄の助けによって無事戻ってきた。しかしペリアスは王位返還に応じなかったため、イアソンの妻となった魔女メデイアの策略で死んだ。メデイアはペリアスの娘たちの前で羊を切り刻んで釜で煮るとこの羊を生き返らせたばかりか若返らせた。ペリアスの娘たちはおいた父を若返らせようとして父を切り刻んだが、メデイアは姿を消していた。亡くなったペリアスのために催された葬礼競技には多くの英雄が参加した。

常に登場する場面

  • 娘に殺されるペリアス

しばしば登場する場面

  • 羊を煮るメデイア
ヘリオス / H E L L I O S / .

ヒュペリオンとテイアとの息子でセレネエオスの兄弟。太陽神で、有翼の馬で天空を回り、しばしば頭に太陽を乗せる。 ハデスペルセフォネを誘拐したとき上空から目撃し、彼女の母デメテルに一部始終を語って聞かせた。難行の一つとしてゲリュオンの牛を奪いに行くために砂漠を横断していたヘラクレスはあまりの暑さに太陽に矢を放ったが、あまりの大胆さに彼を気に入ったヘリオスは海を渡るための黄金の大鉢を彼に与えた。

まれに登場する場面

  • パリスの審判
ペルセウス / P E R S E U S / ΠΕΡΣΕΥΣ

ゼウスダナエとの息子。孫に殺されるという予言を受けた祖父アクリシオスは母子を箱に閉じこめると海に流した。二人はセリポス島に漂着すると島の王の兄弟ディクテュスに救われ、彼女たちを養ってくれた。ポリュデクテス王はダナエを妻にしようとしたが成長したペルセウスが邪魔だったので不可能だと思われたメドゥサ退治に彼を送った。

 ペルセウスはメドゥサの居場所を聞くためにグライアイ姉妹のもとを訪れると、三人で一つしかない目と歯を奪い取って何とか聞き出すことができた。そしてアテナの助言に従ってニンフたちのもとを訪れると姿を消すことのできる帽子と翼の生えた靴、切り取ったメドゥサの首を入れる袋を与えられた。

 途中ヘルメスに剣を与えられると、メドゥサをじかに見ると石になってしまうのでアテナにもらった盾に写しながらほかのゴルゴンたちに見つからないようにメドゥサを探し出した。そして眠っているその首を切り落とすと、追いかけるゴルゴンたちからも何とか逃れることができた。

 帰路エティオピアを通りかかると、王女アンドロメダが岩に縛り付けられるのを発見した。ペルセウスは彼女を襲おうとした怪物ケトスメドゥサの首で石に変えて彼女を救出し、妻として母のもとに連れ帰った。そしてポリュデクテスも石にしてしまうと故郷アルゴスに戻った。祖父の王座を奪っていたプロイトスをメドゥサの首で殺すとその首をアテナに預けた。彼は祖父が避難していたテッサリアのラリッサを訪れ、催されていた競技に参加したが、彼の投げた円盤がアクリシオスの頭に当たって予言は成就されてしまった。

常に登場する場面

  • 箱に閉じこめられるダナエとペルセウス
  • グライアイを訪ねるペルセウス
  • メドゥーサを退治するペルセウス
  • ゴルゴンから逃れるペルセウス
  • ポリュデクテスを石化するペルセウス

しばしば登場する場面

  • 縛られるアンドロメダ
ペルセフォネ / P E R S E P H O N E / ΠΕΡΣΕΦΟΝΗ

ゼウスデメテルとの娘でハデスの妻。冥界の女王で穀物の神でもあり、エレウシスの秘儀の女神として重要な役割を持つ。冥界でハデスとともに玉座に腰掛け、笏を持つ。

 ハデスに誘拐された彼女を返還するようデメテルゼウスに求め、彼女が冥界で何も口にしていなければ返すと約束したが、彼女はハデスに与えられたザクロを一口食べてしまったので、一年の三分の一を冥界で過ごすことになった。

 ラピタイ族の王ペイリトオスは彼女を誘拐しようとテセウスとともに冥界を訪れたが捕らえられてしまった。

常に登場する場面

  • ペルセフォネを誘拐するハデス
  • 地上に戻ったペルセフォネ

しばしば登場する場面

  • 岩を押し上げるシシュフォス
  • 麦の栽培を伝えに旅立つトリプトレモス
  • エレウシスの秘儀に入信するヘラクレス
  • ケルベロスを生け捕るヘラクレス
ヘルメス / H E R M E S / `ΗΡΜΗΣ

ゼウスとマイアとの息子で、神の伝令使であるとともに死者を導く神でもある。また旅人や商人、泥棒の守護神でもある。アトリビュートは伝令の杖ケリュケイオンと翼の生えた靴、同じく翼の生えた帽子である。 産まれてまもなくアポロンの飼っていた牛を盗み出して隠した。怒ったアポロンゼウスに訴えたが、ヘルメスの発明した竪琴が気に入って牛と交換した。ディオニュソスが産まれたときはヘラの目を逃れて密かにシレノスニンフのもとに預けた。またゼウスに愛されたイオが牛に変身させられてヘラの使わす怪物アルゴスに監禁されていたとき、これを退治してイオを解放した。時にはペルセウスヘラクレスなどの英雄を導く役割を果たし、特にヘラクレスオデュッセウスなどの冥界行きに協力した。またパリスの審判では女神たちをパリスのもとまで案内した。あるいはトロイア戦争でアキレウスメムノンのいずれが死すべきかをその魂を天秤にかけて決定するプシュコスタシアと呼ばれる役割を果たした。このほかにも死者の魂を導くものとしてのプシュコポムポスと呼ばれる役割も持つ。旅人を守る神として角柱に彼の頭部を彫り込んだヘルムと呼ばれる彫像が道路に建てられた。

常に登場する場面

  • アポロンの牛を盗むヘルメス
  • シレノスに預けられるディオニュソス
  • アルゴスを退治するヘルメス
  • メムノンとアキレウスのプシュコスタシア

しばしば登場する場面

  • アテナの誕生
  • ディオニュソスの誕生
  • 地上に戻ったペルセフォネ
  • パンドラの誕生
  • ケルベロスを生け捕るヘラクレス
  • ギガントマキア
  • ヘラクレスとアケロオスの格闘
  • オリムポス入りするヘラクレス
  • アドメトスの戦車
  • アリアドネを見捨てるテセウス
  • オリムポスでゼウスに仕えるガニュメデス
  • トロイア戦争を計画するテミスとゼウス
  • ペレウスとテティスの結婚
  • パリスの審判
  • トロイロスの遺体をめぐるアキレウスとヘクトルの戦い
  • ヘクトルの遺体返還
  • サルペドンの遺体運び
  • 冥界を訪ねるオデュッセウス
  • ヘラを襲うサテュロス

まれに登場する場面

  • グリフィンに乗るアポロン
  • 車輪に縛り付けられるイクシオン
  • ネメアのライオンと戦うヘラクレス
  • クレタの牡牛を生け捕るヘラクレス
  • ケイロンに預けられるアキレウス
  • トロイロスの待ち伏せ
ヘレ / H E L L E / .

オルコメノス王アタマスとネフェレとの娘。兄弟のフリクソスとともに継母のイノの虐待を受けて殺されそうになったが、黄金の羊の背中に乗って逃れた。フリクソスは黒海沿岸のコルキスにたどり着いたが、ヘレはのちのヘレスポントスと呼ばれる場所で海に落ちて死んでしまった。

常に登場する場面

  • 羊に乗って海を渡るヘレ
ペレウス / P E L E U S / .

アイギナ王アイアコスとエンデイスとの息子でテラモンの兄弟。彼ら兄弟は異母兄弟を殺したために追放され、ペレウスはプティアに逃れた。アルゴナウタイやカリュドンの猪狩りに参加したが、あまり派手な活躍はなかった。イオルコスで行われたペリアスの葬礼競技では女傑アタランテとレスリングをして破れた。

 海のニンフの一人テティスからは父をしのぐ息子が産まれることを知ったゼウスは彼女を人間の妻とすることにし、ペレウスに目を付けた。ペレウスはゼウスのいうとおりにライオンや蛇や炎に変身する彼女を抑え続けたので彼女もついに根負けした。二人の結婚式には争いの女神エリスを除くすべての神々が招かれたが、エリスはトロイア戦争の発端となる黄金のリンゴを投げ入れた。

 二人の間に産まれたアキレウスはトロイア戦争で華々しい活躍をしたが帰らぬ人となった。

常に登場する場面

  • ペリアスの葬礼競技
  • レスリングをするペレウスとアタランテ
  • ペレウスとテティスの格闘
  • ペレウスとテティスの結婚
  • ケイロンに預けられるアキレウス

しばしば登場する場面

  • カリュドンの猪狩り
ヘレネ / H E L E N / .

スパルタ王テュンダレオスの妻レダが白鳥に変身して交わったゼウスとの間に産んだ卵の中から産まれた子供。絶世の美女であり、既に幼い頃にテセウスに誘拐されたが、兄弟カストルポリュデウケスによって助け出された。成長した彼女に各地から求婚者が殺到したが、オデュッセウスの進言によって夫は彼女が選び、それ以外のものは二人がこの先であうかも知れない困難から守ることが決定された。彼女はメネラオスを選んだ。 パリスの審判によってアフロディテから世界一の美女を約束されたトロイア王子パリスはスパルタを訪れて、メネラオスの留守中にアフロディテに惑わされたヘレネとともにトロイアへ逃げた。妻を奪われたメネラオスは先の誓いをたてに求婚者たちを募ってトロイアへ遠征に向かった。トロイアが陥落すると、メネラオスは裏切った妻を殺すつもりであったが、そのあまりの美しさに剣を落とし、妻として連れ帰った。

常に登場する場面

  • ヘレネの誕生
  • ヘレネを誘拐するテセウス
  • ヘレネを誘拐するパリス
  • ヘレネと再会するメネラオス
ベレロフォン / B E L L E R O P H O N / .

コリントス王グラウコスあるいはポセイドンとエウリュノメとの息子。切り取られたメドゥサの首から流れる血から産まれた有翼の馬ペガソスアテナの協力によっててなずけた。誤って兄弟を殺した彼は追放されてアルゴスに赴いた。しかし彼を見初めた王妃ステネボイアは彼に拒絶されるとプロイトス王に対して彼に侵されそうになったと嘘を付いた。気の引けた王は彼を殺すようにと記した手紙を持たせて彼を義父イオバテスのもとに送った。イオバテスは彼にリュキア地方を荒らしていたライオンと山羊の首を持ち、尻尾が蛇になっている怪物キマイラ退治を命じた。ペガソスを駆るベレロフォンは上空からこれを射殺すると、アルゴスに戻った。そしてステネボイアを騙してペガソスに乗せると上空で突き落として殺した。しかし彼も神と競って天空まで昇ろうとしたためにペガソスに振り落とされて死んでしまった。

常に登場する場面

  • キマイラを退治するベレロフォン
ペンテウス / P E N T H E U S / .

大地から生まれたエキオンとテーバイ王女アガウエとの息子でテーバイの王。ディオニュソスを神と認めずに彼への崇拝を弾圧したためにディオニュソスに罰せられ、狂信者と化した母アガウエや叔母アウトノエらに引き裂かれて殺された。

常に登場する場面

  • ペンテウスの死
ペンテシレイア / P E N T H E S I L E A / .

アレスアマゾン族の女王オトレレとの娘。彼女も女王としてトロイア戦争に参加してトロイア勢に加わった。いくつかの活躍をしたが、アキレウスとの一騎打ちに敗れた。アキレウスは彼女の美しさに驚き、自らの行為を後悔した。

常に登場する場面

  • ペンテシレイアとアキレウスの戦い
ポセイドン / P O S E I D O N / ΠΟΣΕΙΔΩΝ

クロノスレアとの息子でゼウスの兄弟。海の神でアトリビュートは三つ又の矛。髭の生えた壮年の男性として描かれ、ネレウスなどのように手に魚を持つこともある。しばしば馬と魚の合体したヒッポカンポスと呼ばれる海馬に乗り、息子トリトンを伴う。

 アムフィトリテとの間にトリトンが産まれたほか、ほかの女性との間にアンタイオスポリュフェモスなどの巨人、ケルキュオンスキロンアミュコスブシリスなど獰猛な性格の子供たちをもうけた。また彼はテセウスの父ともいわれる。

 彼は泉へ水を汲みに来たところをサテュロスたちに襲われたダナオスの娘アミュモネを助け、彼女と結ばれた。トロイア戦争ののちに彼の息子ポリュフェモスを傷つけたオデュッセウスに腹を立てて彼をイタケ島に戻れないように邪魔をした。

常に登場する場面

  • アイトラを追うポセイドン
  • アミュモネを追いかけるポセイドン

しばしば登場する場面

  • ギガントマキア
  • 海の宮殿を訪れるテセウス
  • ペレウスとテティスの結婚

まれに登場する場面

  • アテナの誕生
  • タロスを殺すメデイア
  • ヒッポダメイアを連れ去るペロプス
  • テセウスを認知するアイゲウス
ホラ・複ホライ / H O R A / .

ゼウステミスとの娘たちで季節の女神。しかし神話で重要な役割を演じることは少ない。その数は二人から四人と一定せず、タロ、カルポ、アウクソの三人とされたり、エウノミア、ディケ、エイレの三人ともされる。

まれに登場する場面

  • ペレウスとテティスの結婚
ポリュイドス / P O L Y I D O S / .

アルゴスの予言者。クレタ島を訪れたとき、クレタ王ミノスの息子グラウコスが幼い頃蜂蜜を入れた大甕の中に落ちて死んでしまい、そのまま行方不明になっていた。彼は王にその探索を命じられ、グラウコスを見つけだすことに成功した。しかしミノスグラウコスを生き返らせることを命じてその遺体とともにポリュイドスを閉じこめてしまった。ポリュイドスは蛇が死んだ別の蛇を薬草で生き返らせたのを見てその薬草をグラウコスの口の中に入れると蘇らせることができた。ミノスはさらに予言の力をグラウコスに与えることを命じ、早く島から出たかったポリュイドスはこれに応じたが、出発の前にグラウコスにつばを自分の口の中に吐くよう命じ、その通りにするとグラウコスの予言の力は失われてしまった。

常に登場する場面

  • グラウコスを生き返らせるポリュイドス
ポリュクセネ / P O L Y X E N A / .

トロイア王プリアモスヘカベとの娘。彼女が泉で水を汲んでいるときに、アキレウスがトロイア王子トロイロスが馬に水を飲ませるために泉にやってくるのを待ち伏せして殺した。

 トロイアが陥落すると、アキレウスの亡霊は彼女を生け贄として捧げることを求め、彼の息子ネオプトレモスによってアキレウスの墓に犠牲として捧げられた。

常に登場する場面

  • ポリュクセネの犠牲

しばしば登場する場面

  • トロイロスの待ち伏せ
ポリュデウケス / P O L Y D E U K E S / .

スパルタ王テュンダレオスとレダとの息子だが、実際の父親はゼウスで、双子の兄弟カストルとともにゼウスの息子を意味する「ディオスクウロイ」の名前で呼ばれ、ラコニアなどを中心に神として崇められた。しかしポリュデウケスが不死なのに対してカストルは限りある命であった。

 二人はアルゴナウタイに参加し、拳闘を挑んできたアミュコスを倒した。その後カリュドンの猪狩りにも参加した。また妹のヘレネテセウスに誘拐されると、テセウスの留守中にヘレネを連れ戻し、テセウスの母アイトラも連れ去って、テセウスの政敵メネステウスを王位につけた。

 また二人は既に彼らの従兄弟のイダスとリュンケウスとの結婚が決まっていたレウキッポスの娘フォイベヒラエイラを誘拐してそれぞれの妻として迎えた。これが原因でイダスらとの争いが生じ、ポリュデウケスだけが生き残った。彼は命の半分をカストルに分けて交代でオリンポスとハデスを行き来することになった。

常に登場する場面

  • レウキッポスの娘たちを誘拐するディオスクウロイ
  • ディオスクウロイの帰還

しばしば登場する場面

  • タロスを殺すメデイア
  • カリュドンの猪狩り
  • ヘレネの誕生
ポリュデクテス / P O L Y D E K T E S / ΠΟΛΥΔΕΚΤΗΣ

セリフォス島の王で島に流れ着いたダナエペルセウスを助けたディクテュスの兄弟。彼はダナエを妻にしようとしたが、ペルセウスが邪魔だったので成功の見込みのないメドゥサ退治に彼を追いやった。ペルセウスが留守の間にダナエとディクテュスを捕らえて監禁していたが、戻ってきたペルセウスメドゥサの首を見せられて石になってしまった。

常に登場する場面

  • ポリュデクテスを石化するペルセウス
ポリュネイケス / P O L Y N E I K E S / ΠΟΛΥΝΕΙΚΗΣ

テーバイ王オイディプスとイオカステとの息子。兄弟のエテオクレスと同様に盲目となって国を追われた父を助けようとしなかったので、彼ら兄弟は父に呪われた。二人は一年交代で王位につく約束になっていたが、エテオクレスは彼に王位を譲らずに追放した。追われてアルゴスにやってきた彼はアドラストス王を説いてテーバイ攻略を決意させた。アルゴスの武将のうち予言者アムフィアラオスは参加を断ったが、その妻のエリヒュレをテーバイ王家に伝わる首飾りで買収して遠征に参加させた。テーバイとの戦いで兄弟と一騎打ちになったが父の呪いの通りに相打ちとなって死んだ。

常に登場する場面

  • エリヒュレを買収するポリュネイケス
  • 相打ちになるエテオクレスとポリュネイケス

しばしば登場する場面

  • テーバイ攻めの準備
  • テーバイ攻め
ポリュフェモス / P O L Y P H E M O S / ΠΟΛΥΦΗΜΟΣ

ポセイドンニンフのトオサとの息子で一つ目の巨人。彼の住む島にトロイアからイタケ島へ戻る途中のオデュッセウスが立ち寄った。彼は彼らを捕らえて洞窟に閉じこめ、一人ずつ食べていった。オデュッセウスは彼を持っていた酒で酔わせると、先を尖らせた木で彼の目を潰した。オデュッセウスと仲間は彼の飼っていた羊の腹の下にしがみついて洞窟を逃れた。

常に登場する場面

  • ポリュフェモスの目を潰すオデュッセウス

しばしば登場する場面

  • ポリュフェモスから逃れるオデュッセウス
ポリュフォンテス / P O L Y P H O N T E S / .

アルゴスとの戦いに参加したテーバイ側の武将の一人。

しばしば登場する場面

  • テーバイ攻め
ボレアス / B E R E A S / ΒΟΡΡΑΣ

アストライオスとエオスとの息子で北風の神。背中に翼を持ち、しばしば足にも翼の生えた靴を履いている。

 アテナイ王女オレイテュイアに恋した彼は彼女を誘拐して妻とし、カライスゼテスの息子をもうけた。

常に登場する場面

  • オレイテュイアを誘拐するボレアス