特集/これは観たい!「巨匠たちの未完の大作」
Kazuhiko Hasegawa
『センチメンタル・ジャーニー』 『連合赤軍』
幻の監督デビュー作は、なんとピンク映画だった!
『BRUTUS』 1998年8月15日号 p.27 |
「幻の映画」というよりも、今や「幻の映画監督」といった趣なのが、ご存知、ゴジこと長谷川和彦監督。79年の『太陽を盗んだ男』以来、その名前が監督クレジットとしてスクリーンに映し出されたことはない……。
(持永) ★写真説明文 ● 『連合赤軍』のクライマックスを飾る、浅間山荘付近のロケハン風景。ロングシノプシスは完成し、 あとは脚本の執筆を終えるだけ! ● 印刷されながら、実現しなかった脚本の数々。ここに込められた無念の思いが、『連合赤軍』に 凝縮されるのか? ● 関東村をジープで脱出した主人公が放浪を続けながら仲間たちに出会っていく……という物語 は、いわば日本版『イージー・ライダー』。「ほかが200万円で作っている頃の350万だから破 格の予算だったよ。若松孝二が、『ゴジ、それは大作だ!』と驚いていたからな」(笑) |
● はせがわ・かずひこ/46年、胎内被爆児として広島に生まれながら頑健な少年・青年時代を 過ごし、東大ではアメフト部の主将を務める。68年、今村プロの公募で映画界入りして『神々の深き欲望』に参加。71年からは日活で藤田敏八、神代辰巳監督のもと名物助監督としてその 名を轟かせる。『青春の蹉跌』('74)、テレビ『悪魔のようなあいつ』('75)などの脚本執筆を 経て76年『青春の殺人者』で監督デビュー。骨太な演出力で、その年のベストワン作品として 高い評価を受ける。続く『太陽を盗んだ男』('79)もこれまでの日本映画になかったスケール のアクション大作として注目を集めるが、興行的には不振。その後、常に新作を熱望されながら も長い沈黙が続く。 |
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