「私が室井と知り合ったのは雑誌『ぴあ』が主宰した審査委員会のことでしたよ。なんだか元気がいいお嬢さんだなぁと思って、一緒に生活が始まったということです。」
公開中の映画『のど自慢』(東宝系)の主役・赤城麗子を演じて、ますます人気爆発の室井滋(38)。彼女が映画監督・長谷川和彦氏(53)と7年来の同棲生活を続けていることは“公然の秘密”といわれているが、その長谷川氏が本誌読者のため、初めて室井との同棲生活の核心を語ってくれた。
「そのこと(室井と出会ったころ)私はすでに前の家を出て、独りで生活していました。だから別
の女性と一緒に生活するのは支障はなかったのです。」
東大在学中の学生結婚だったという前妻との結婚生活。
やはり、ゴタゴタが?
「いや、前の家庭というのも円満な家庭でした。20年近く夫婦で生活して、子供2人も成人するくらいになって、なんと言ったらいいのか。“このへんで家族を一回解散して、それぞれ好きなことをやっていこうよ”というような感じで離婚したわけです。私もオヤジとして好きなことをやっていきたいしと、子供に言ったら笑われましたがね。」
室井との生活の場は東京都世田谷区内の一戸建て住宅。
3階まであるが豪邸趣味はなく、2階のテラスには“夫婦”の洗濯物が干してあり、3階のテラスには観葉植物が並んでいた。玄関前には自転車。
近所の主婦によると、芸能人・室井滋でなく“隣の室井さん”の感じで、家の周りに生えているドクダミをもらいに行ったりしたこともあったという。長谷川氏は“撮らずの巨匠”といわれるくらい作品が少ないが、出版社主催の麻雀戦で最高位
になったりして、現在ではむしろそっちのほうで有名な人。
いっぽう室井は忙しく、週刊誌の連載コラムや日本テレビ系『電波少年』でアジアを放浪したり…。
「彼女はあれでなかなかのガンバリ屋だど思いますよ。私は怠け者なんですが、室井は見かけよりタフで、あの体でアジアを放浪するなどは、私は決して真似ができないと感心するほどです。それにどんな仕事をするにしても、前向きにやっているし。」
大人同士の理解と情愛と自然体の睦まじさを感じさせる共同生活。なぜ、結婚入籍をしない?
「ちゃんと結婚して入籍しないのは、彼女の室井という姓を残しておきたいからなんですよ。室井姓は富山で10代も続いた名家らしいのですが、両親も早くに亡くなって、生き残りは彼女だけになっているようです。そういう姓を捨てられないというのは、私も同じ考えです。それで私も真面
目に、夫婦別姓でも結婚できるようになればいいなぁと思っているところなんです。ちょっと前に、その法案が国会を通
りそうになったころけっこう期待していたんですが、なかなか難しいようですなぁ。」
長谷川氏は結婚しない理由を、あらためて、
「理由はそれだけです。」
と強調した。
しかし、このままいって彼女に子供ができなければ、室井の姓は絶えてしまう。
子供は? 「なりゆきですからねぇ。」 と受けた長谷川氏。 「こうして普通
に共同生活しているのだし、できればちゃんと育てていくつもりです。親権をどうするかは、またその時にちゃんと決めればいいと思っています。」
この先は?
「この先ねぇ。」
長谷川氏は別に構えることもなく言葉を続けた。
「男と女のことだから、何があるかはその時になってみないとわからないけど、いまのところは仲よくやっていますよ。小さなケンカはよくあるけど、大きなケンカはないから、長続きできると思いますよ。」
『のど自慢』の大ヒットによって、続編の『ビッグショー』(仮題)が作られることになり、2月15日から1ヶ月間のハワイロケに入る室井滋。
いっぽう長谷川氏も、ある雑誌記者によると、
「アポイントを取るために電話したら、いま脚本を書いていて時間がないからと、電話で取材させてもらいました。次回作にかかっているのかもしれませんね。」
かつては映画賞を総なめにした長谷川和彦監督。捲土重来を期待したい。
家庭菜園もある“隣の室井さん家”の表札は“長谷川”であり、門柱の上では緑色の陶製のライオンの置物が、怖そうに見張っていた。
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