マクラギヤスデ

 今日は越冬態勢に入った甲虫観察だ。かなり朽ちた杉の切り株をどける。その前に、朽ちた表皮を少しはがす。越冬スズメバチがいないことを確かめるためだ。するとなにやら見慣れぬやつが・・・・・・。
 
 あんまり自慢できる獲物ではないかもしれないが、狙って会える生き物でもないので(というか、狙おうなんて思ったこともないが)、けっこううれしかった。名は体を現す、という見本のような生き物である。名は・・・・・・思い出せない。あれれ・・・? いや、体のとおりの名のはずだ。・・・・・・きゃたぴら? うん、きゃたぴらそっくりだ。なんて思っていたけど、帰って調べたらマクラギヤスデだった。

 マクラギとは枕木。線路の枕木のことである。図鑑の写真では確かに枕木そっくりだけど、変幻自在にやわらかく動く様子は木ではない。戦車の車輪についてるきゃたぴらだ。 そういう意味では上の写真のほうがその機能と質感が伝わるのではないか。


 ところでこのマクラギヤスデ、僕の手元の本では小学館の図鑑NEO昆虫にしか載っていない。インターネットで検索しても、21件しかヒットしない。まさに地味系中の地味系といえる。
 分布を見ると九州、南西諸島まで生息しているというから、暖かいところが好きなのだろう。しかし、本州での分布が関東と関西というのが気になって仕方ない。
 希少種のように分布図がマダラになったとは思えない(根拠はないけど)。人為的に分布域が広がった種の分布図のようにも思えるし(誰が何のため?)、その他の地域では生息が確認されていないだけのような気もするし・・・。

 うー、気になって仕方ない。誰か教えてください・・・・・。 

平成17年10月 栃木県大平町

ヤスデ綱オビヤスデ目シロハダヤスデ科  大きさ 15〜20mm 分布 関東・関西・九州・南西諸島  
 線路の枕木に似ていることから、この名が付いた。朽木などの下にいる。腐植土や菌類を食べて生きている。学名にはNiponiaということばが入っているので、たぶん日本固有種なのだろう。が、調べたくても情報が少ない。
ウォッチングのコツ・・・小学館の図鑑NEOなどによると、分布は本州(関東地方、関西地方)、九州、南西諸島となっている。本州では生息が比較的限定されているようだ。今回は朽ち木で観察できたが、なかなか会うことができない種類。関東の山ならばどこにでもいるような気もするが、よくわからない。

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