エゾサンショウウオ
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 エゾサンショウウオ[学名 Hynobius retardatus Dunn]とは、学生時代以来の長いつきあいだが、こうして偶然というか、ばったり会えるのはキセキかな〜〜〜。
 
  
そんな感慨にふけっているうちに、エゾサンショウウオがどんどん集まりはじめた。

水面にいくつもの波紋が立つ。さてさて、なにがいるのやら・・・

アップでのぞいてみると・・・・・・。 エゾサンショウウオだ! 場所は旭川近郊。

 よく見ると、おなかが異常に膨れた個体が何匹もいる。写真下の左側の2匹がそれ。
これは産卵に違いない。

   ↑ この矢印の真上の2匹はお腹のふくれがわかりやすい

isamu
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 生息地の様子

 ヘンな格好?

 何匹いるのやら・・・

 どんどん集まる

 じいちゃん仰天

 水面に浮かんできたエゾサンショウウオ

 たくさんの波紋の正体は?

 サンショウウオ目(有尾目)サンショウウオ科(日本固有種) 大きさ 11〜19cm  分布 北海道 
 北海道に普通に見られるサンショウウオ。平地から森林の止水にすむ。生息範囲が広く、産卵も場所によって時期がずれ、雪どけの4月から6月に産卵する。産卵にはたくさんの個体が集まる。孵化した幼生は秋までに幼体となり、陸に上がるが、場所によっては、ひと冬を幼生のまま過ごす個体もいる。
 ウォッチングのコツ・・・平地から山の中まで生息域が広いので、北海道の自然の濃い場所に行けば、どこでもウォッチングのチャンスあり。流れの少ないところに産卵するので、僕の場合、林道脇の側溝等で水のある場所を探す。卵や幼生のいる場所を見つけたら、翌春の産卵時期、夜中にそっとのぞきにいってみよう。うまくいけば、成体たちがたくさん集まる産卵に出くわすかもしれない。

     水の中の豊潤な春 
        〜エゾサンショウウオの産卵・1〜

写真・文: じいちゃん先生

(2007.4.15  Isamu)

今から半世紀以上も前の学生の頃。生物概論の授業の中で、春になるとエゾサンショウウオのスケッチをしたものである。採集をしてきたのは先輩である。
 その場所は、旭川から20kmほど離れた
神居古譚(かむいこたん)である。それも、夜に採集する。
 どういう風に獲ったかは不明であった。しかし、今、目の前の光景を見ていると、その秘密が解けた気がする。

 さて、あたり一面雪に覆われる山の斜面の、わずか1.5畳くらいの水たまりがこれからの舞台になる。
 夜7:00になるとあたりは暗くなる。明かりのないところで写真を撮るのは無理なので、。約
350万カンデラのサーチライトを持参。池でライトにスィッチを入れると、水面が明るくなり、底のほうにエゾサンショウウオの姿がいくつも見える。さっそく撮影開始、あっというまに1時間が過ぎる。
 こんなに沢山のエゾサンショウウオを見るのが初めてなので興奮気味・・・・・。

 しかし〜〜〜。夜の山奥、慣れてはいるものの、雪どけ水の流れる音は意外と大きく、時おり吹く強い風にクマイザサが揺れて「ザーザー」と不気味な音を出している。

 寒いし、怖いし、今日はここまでで下山する〜〜〜。
 
 

 さて、エゾサンショウウオ、漢字では蝦夷山椒魚と書くが〜〜〜。魚ではないのに何故、山椒魚というのか?

 昔は魚類は河魚海魚に分けられ、河魚の中に山椒魚が入れられていた。
19世紀になり、魚類とされていた山椒魚は、イモリと同じ有尾両生類に分類された。
 つい最近まで、サンショウウオは魚と思われていたようである。

 

 学生時代から約50年間、エゾサンショウウオの成体を見ることがなかった。卵のうは何回も見たが・・・・・。
 成長した個体(成体という)は、陸上生活で、昼はほとんど行動しない。それで会うチャンスがないのである。
 この産卵池で成体とようやくめぐり合うことができた。

隊長からひとこと

  
「じいちゃん先生はエゾサンショウウオと50年ぶりの再会と喜んでいるが、隊長が小学生のころ、
 毎年春になると成体を1,2匹は捕まえて家に持ち帰っていたものである。
  隊長の父親であるじいちゃん先生も、そのときに見ているはずであるから、再会といっても約30年
 ぶりのはずである。
  ちなみにこんなにたくさんのエゾサンショウウオ、隊長も会った事がない。でも、夜の森は危ないから、
 小さい子どもは一人で出かけてはいけないよ。」

帰り際、ヘンな格好のエゾサンショウウオを発見。産卵が近そうだ。
「明日の晩もこよう。」と心に決め、帰路に着く。

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