コイ目コイ科 レンギョ亜科 大きさ 50〜100cm 
 分布 アジア大陸東部。 日本では利根川水系。 
帰化種
1943年、中国から移植され、利根川水系でのみ繁殖している。産卵期は6〜7月で、年に一度、産卵の前に集団で繰り返しジャンプすることで有名だ。
ウォッチングのコツ・・・・産卵前の大ジャンプは6月から7月にかけて観察可能。この時期、単発のジャンプはよく見られるが、集団で繰り返し行う大ジャンプは基本的に1日だけ。大雨の後、増水し、水温が上がればチャンスだ。栗橋町の情報をこまめにチェックしよう。
 ハクレンは利根川水系に生息しているので、渡良瀬遊水地でも水面近くを泳いでいるのを見ることができる。だけど、ハクレンといえば産卵直前に行われる大ジャンプが有名。一度は見ておきたい。とにかく大迫力だ。

撮影 : 埼玉県栗橋町・利根川(平成15年7月26日)

ハクレン

 撮影した平成15年のジャンプは、多いときで50匹くらいであったろうか。そんなジャンプのポイントが少なくとも4ヶ所ほど見られた。毎年、約4,000匹のハクレンが集まると言われているそうだ。が、多いころに比べると激減しているらしい。

←ハクレンのジャンプ

 観察場所は国道4号線沿いの利根川橋付近から、東北新幹線の鉄橋の間の2km弱の範囲。国道4号線と125号線がぶつかる「栗橋」交差点信号から利根川に入る。突き当りが利根川で、右手に新幹線の鉄橋が見えてくる。

 産卵は毎年、6月から7月にかけて、埼玉県栗橋町周辺の利根川で行われる。集団での大ジャンプはその数日前から前日にかけて見られる。

 翌日、川に様子を見に行った。ジャンプは行われておらず、上流から下流に向かってぱしゃぱしゃと数匹のハクレンが水面で音を立てながら下ってくる。産卵だ。同じ音が川のあちこちで聞こえる。目を移すと控えめな水しぶきが静かに流れてくる。足元を見ると、力尽きたハクレンが浮いていた。

 ハクレンの受精卵は、2日後、霞ヶ浦付近で孵化(ふか)し、稚魚(ちぎょ)は霞ヶ浦や北浦に入り込む。霞ヶ浦で孵化するためには栗橋付近で産卵しなければならないということらしい。大雨の後に産卵するのも、水位が高く、水の流れが急でないと、卵が川底に沈んで孵化できないからだ。

撮影 : 埼玉県栗橋町・利根川(平成15年7月27日)


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現地施設

栗橋町 埼玉県北葛飾郡栗橋町大字間鎌251-1
電話0480-53-1111
ハクレンの大ジャンプが国内でただ一カ所観察できる場所。5月から7月の観察期間は、ホームページや電話で情報を確認できる。土日でも毎日更新している。 詳しくは栗橋町観光協会HPへ
観察場所は、駐車可。トイレや店はないので、事前に栗橋市内のコンビニで用意しよう。
さいたま水族館 埼玉県羽生市三田ヶ谷宝蔵寺751-1
電話048-565-1010
日本固有の淡水魚がたくさんいる。ハクレンなどのソウギョ類も水槽や池で観察できる。 詳しくは、さいたま水族館HPへ
開館時間:9:30〜17:00 入館料:大人310円、子ども100円 月曜休館 駐車場無料

 実は、平成16年は大ジャンプが一度も見られなかった。水位が上がるような大雨が利根川の上流部でなかったからのようだ。また、霞ヶ浦の近辺で水量調節のために水門が閉じられたまま、ハクレンが遡上できなかったとも聞いた。
 じゅうぶんに産卵できなかったであろうこの魚たちが、来年も利根川に帰ってきてくれるのか、なんとも心配である。

 ジャンプは朝から夕方まで断続的に繰り返される。15分の間隔のときもあれば40分のときもあった。もっとも活発なのは昼から午後2時ころにかけてか。水温が上がるほうがハクレンも活発になるそうだ。

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