3つの壁で失敗しても対処法があるという。
なんだ、予定通り失敗してんじゃん。
(皮下脂肪(前編)を読んでない方は先にどうぞ)
「停滞期の壁」
7人の被験者のうち1人は妊娠が発覚してリタイヤし、結局6人での実験と相成ったわけですが、6人の内3人が1〜2週間過ぎたところで体重減少がストップしたのだそうです。グラフから見ると、3週目で1人はほとんど減少ナシ、1人は約2Kgのマイナス、もう1人は約5Kgのマイナスで、そこから横ばい傾向とのこと。
この原因は、3人とも毎日3000Kcalも食うという養豚場生活が長かったので、いきなり2000Kcalに減らした事で脂肪が減って脳が基礎代謝を下げ、運動しても脂肪が燃えにくいという状態なのだとか。この程度なら適応現象が出ているとは思えないが、こりゃのっけからちんぷんかんぷんな説明だな。
これは、特別激しい運動とか肉体労働で必要カロリーが1日3000Kcalなら適応現象が起きてもおかしくはないですが、作業強度が普通ならば大女である和田アキ子並の必要摂取カロリー。なので、食い過ぎを標準の2000Kcalに戻したら体重増加が止まって釣り合いがとれるだけの話であり、基礎代謝が下がるというのは被験者を見る限り的外れな説明にしか見えないが。
違う側面で見ても、「筋肉が減ったから基礎代謝が下がった」という説明ならいいけれど、そこまでの食事制限はしてないわけであり、この場合脳が代謝を下げようが下げまいが運動すれば脂肪は減るのだ。これじゃあ「ウォーキングより脂肪を燃やす」と机上の計算だけでわーわー騒いだパワーヨガや姿勢の矯正に効果がないと言っているようなものだ。
そして、最初から体重減少がほとんどない1人は、なんと驚くことに「最初から停滞期」なのだそうです。プロジェクト参加前からダイエットしてて停滞期に被験者として参加したというのならまだしも、これは過去に散々インチキに踊らされて挫折した記憶から脳が過敏に反応し基礎代謝を下げるからだとか。ぷっ。これは番組の指示以外何もしなかった結果だろう。
では、停滞期をどう克服するのかについては、これ以上のバカもいないとしか思えない方法なわけだ。その方法はなんと、ラムロースや牛ロース、豚ロースを食えというもの。理屈は肉に含まれるカルニチンが脂肪をミトコンドリアに運び燃えやすくなるからだとか。どこの誰がダイエットにロースを食うんだよ、この人でなし。しかも豚ロースなら共食いだ。続く低GI値食を食えというのは余計なお世話。
「女性特有の壁」
被験者6人のうちの1人は、体脂肪率は減ったのに体重は2週間変化がなく、これは排卵後の黄体期にはいって水分を溜め込むプロゲステロンの仕業で、これが増えると性中枢の働きが衰えると同時に近くにある満腹中枢が正常でなくなり食欲が増すのだとか。
体脂肪率が減ったという事は、筋肉が増えたか水分量が多いのだという目安であり、この場合へっこらへっこらヨガをしたところで量の増加が見込めない遅筋が増えたとは考えにくい。なので、水分量が増えただけだと見ることができるだろうが、体重が横ばいとはなぜだ? まあ、水分量なんて測る時間や食事によっても変動するので厳密には正確ではないのだが。
では、この対策はというと、エストロゲンが出る卵胞期、すなわち排卵までの期間が成功しやすいという事で、この時期に運動をすればいいのだそうです。番組ではバッタのポーズというのをすると仙腸関節が動いて性中枢を刺激して「余は満腹じゃ」となるのだとか。バッタだかボッタだか知らんけど、性中枢を刺激するんならそのままバックから突いてもらえばいい。
さて、確かに女性の場合生理周期で体重は増減するので、生理直後からダイエットを始めるのは開始時期としては正解だと思うが、事前にこんなことも打ち合わせしないでプロジェクトを開始したのだからええかげんなものだ。なので、「停滞期の壁」同様やせない理由を後から付け足しているだけにしか見えない。集まった3人の専門家もたいしたこたーないな。
「体重増加の壁」
6人のうち2人の被験者は・・・っておい、結局全員失敗じゃんか。さて、2人の被験者はなんと開始3週間で2〜3Kg体重が増加したが体脂肪率が減ったのだそうで、これは比重の軽い脂肪が減り重い筋肉が増えたからなのだそうです。アホか。筋肉なんぞ簡単には増えん。
そして2人の基礎代謝もそれぞれ80Kcal、57KcalのUPであり、増加から減少に転じるのは2〜3週間後になるということで、更に無理な食事制限もしてないし生理も終わったばかりなので「まさに理想的なダイエット」だとか。人これを、嘘つきは泥棒の始まりと言う。基礎代謝分UPを1ヶ月に換算すると多くても300gぽっちのマイナスだ。
まずここは、パワーヨガなる体操に筋肉の量を増やすような高負荷は当然かからず、量の増加が見込めない遅筋を主に使うのであり、「脂肪が減って筋肉が増えた」というのはトンビがタカを産むような話である。これはもともと痩せないプログラムなのだから当たり前なのですが、脂肪が増えたか水分量が多かったのだろう。余談ですが、部分的に揉んで減る方法はのっけから却下しております。
「番組考察」
今回はありがたいことに、被験者しか知りえない情報を持った方(つまり被験者)からメールをいただきました。それによると、以下のスケジュールで収録を行ったのだそうです。被験者はここで募集しているそうですので、テレビに出たい人はどうぞ。ちなみにバイト代は交通費込みで5万円と、黒のセパレーツ、タニタの体脂肪計がタダでもらえたそうです。いいバイトじゃねーか(´・ω・`)
<8月10日>
10:00:豚7人、痩せ3人集合
CT,採血、代謝検査、まい泉豚カツ弁当(1200kcl)
まったり2時間後採血
その後場所移動し
17:00〜体脂肪、身長体重、体脂肪、腕や太ももの測定。
22:00頃すべての撮影終了。
明日からパワーヨガと食事制限開始の指示。
<8月20日>
貧血検査をする。
<8月29日>
身体測定、体脂肪をタニタの会社で行う。
ここで体脂肪計を全員もらい毎日の記録をつけ始める。
<9月6日>
16:00〜体脂肪、身長体重、体脂肪、腕や太ももの測定。
一応ここで約束期間の1ヶ月となる。
みんな痩せていなかった模様で1日1800Kcalに減らす指示有り。
作戦は指示があるまでそのまま継続するよう要請された。
<9月23日>
自宅へロケ隊やってくる。ヨガのポーズや食べるところ撮影。
<10月4日>
16:00〜最終身体測定、体脂肪、各部位の採寸。
これが皮下脂肪「完結編」の最終結果として使われた。
このタイムテーブルを見ると、まずわかるのが1ヶ月という約束だったのに、効果が思い通りに出なかったらしく結局2ヶ月かけて収録したということと、食事制限なしと言いながら、2000Kcalから1800Kcalに変更があったのに放送しなかったこと。そして、完結編の放送は2ヵ月後の結果を放送したというのだから、そもそも放送内容に偽りありである。別に驚きはせんが、びっくりしたなーもー。
で、メールによると、被験者の中には真剣にダイエットに取り組み、プログラム以外でもスポーツジムに通ったりストレッチを追加したりヴァームを飲んだり、燃えている人もいたのだとか。そういう人は、もちろん食事制限も指示以上にがんばった結果減量できたのだろう。なんだ、やっぱり番組なんて全然関係ないじゃん。
なので、減った被験者のデータは恐らく嘘ではないだろうが、減量できた原因は食事制限と運動を追加したことであって、番組が言うところの2000Kcalとパワーヨガ、鉄分補給に痩せたい部分を揉むことで皮下脂肪撃退、なんてのは全て茶番劇だという結論が導き出されるのである。
今回の放送を見ても、新たな対処として登場したラムロースを食えだとか低GI食にしろというのは特別指示もなく、バッタのポーズや冷水シャワーで部分やせ、などは知らされもしなかったと先の被験者は言うのだから、結局プロジェクトの失敗を後からつべこべ理由をつけて尻拭いしただけの放送なのだ。屁理屈ここに極まれり。
ということで今回は、2000Kcalも食って痩せるなどという前提がそもそもおかしいのですが、結果が出なくて当たり前のところに無理やり屁理屈で説明しようとするから無理がくる。まあ、自業自得と言えばそれまでか。しかし裏事情は予想通りだったな。ぷっ。でもね、テレビなんて所詮そんなもんですよお猿さん。