菩提樹の下の草辺に     ワルター・フォン・デル・フォーゲルワイデ

 

菩提樹の(もと)の草辺に

露臥(ろが)ありて我二人()

君見ぬや踏みし折られし

青草に()づべき花々

谷間なる森の端にて

 タンダラダイ

小夜に鳴く鳥の()(うるは)

 

我歩み来たり草辺に

麗しき人の待つ辺に

貴婦人の如き喜接(きせつ)

我が心永遠(とわ)に愉悦す

幾千の口付けを受け

 タンダラダイ

君見るや唇紅きを

 

整へし愛の(ふし)()

花々の(あや)は麗し

誰か若し(まなこ)向かはば

恐らくは笑みを禁ぜず

薔薇の花盛るを知らば

 タンダラダイ

我が帽の在処を知らむ

 

誰か若し二人寝知らば

嗚呼神よ我は恥らふ

我二人永遠(とわ)の交はり

分かち秘す愛の歓び

小夜に鳴く小さき鳥も

 タンダラダイ

分別を誤つぞ無き

 

                     (拙 訳)

 

戻る