■「利息払い過ぎの借金まみれの人」大募集!
単刀直入に言えば、そんな内容の電車広告が一部の都市圏で増えている。少し前は、消費者金融の広告ばかりだったが、今は消費者金融の広告の横に司法書士事務所の債務整理の広告が仲良く並んでいる。広告の質で言えば、消費者金融の広告の方が質が高いし、銀行資本なども入ったせいか品位ある広告・会社が増えているのではなかろうか。
一方で司法書士事務所の広告はどうだろう。「お金が戻ってくる」という旨の内容を前面に出しているだけで、広告自体にコンセプトが何もないものが多い。司法書士事務所の名称がなければ、整理屋のDMやポスティングと何ら内容的に変わりがないように思えるのは、私だけだろうか。見ている方が恥ずかしくなってくる。
■債務整理で、整理屋や紹介屋と
提携する司法書士
平成20年2月の新聞報道の消費者金融をめぐる弁護士法違反の事件で、大阪の司法書士4人も多重債務者のあっせんを受けて破産手続きなどを行っていた疑いが強いと報道されていた。読売新聞の取材に対し司法書士3人は容疑を認めている。1人あたり5〜10万円前後をバックマージンとして支払ったとされる(平成20年2月19日
読売新聞より)。氷山の一角にすぎないだろう。
司法書士法には弁護士法72条のようにバックマージンを要求する人を処罰する規定が存在せず、司法書士にバックを要求する人間は逮捕されない。法律違反ではないので、新聞等もあまり関心はない。要求する側としては司法書士に要求するのと弁護士に要求するのでは危険度がまったく違う。また弁護士より司法書士の方が垣根が低いので、今後ますます増加するだろうし、明るみに出てくることだろう。
早期に司法書士法が改正され、バックが法律違反となってほしいものだ。
■先人が築いてきた債務整理を、司法書士を、汚していないか
「過払いの儲かる債務整理しかしない」「自己破産は儲からないのでしない」「法律扶助の制度を教えない」などという話を聞く。広告を出して、オイシイお客さんを掻き集め、利益率の低いお客さんは他の事務所へ行っていただく。広告費用もかかっているし、報酬基準もないので、もらえるだけ報酬をもらっておくという司法書士もいるだろう。
先人が国民の権利の擁護と公正な社会の実現を目指し、地道に活動して勝ち取ってきた信用や地位を、自己の欲望のまま当然の権利のように利用し、司法書士の品位をおとしめている人が増えているような気がしてならない。
■債務整理バブル崩壊後、あなたは生き残れる?
債務整理バブルの間は左うちわかもしれないが、そんな時代は長続きしない。債務整理の数は減少する。弁護士の数は大幅に増加する。債務整理や簡裁代理業務は弁護士と競合してくる。債務整理中心の司法書士法人は人員整理をすることになるだろう。
知人の弁護士は、「債務整理は確かに儲かるが、それだけ。時間を金に換えるだけで、自分の能力アップには全くつながらない。」と言っていた。今、債務整理に胡坐をかいて実務能力を磨いていない司法書士は、いずれ冬の時代をむかえる。債務整理しかできない司法書士は仕事欲しさに事件屋と組んだり、登記実務においては能力・経験不足で仕事が取れないので不動産会社等にバックしてでも仕事を取ろうとすることだろう。
司法書士業界は、負のスパイラルの業界だと言われる時代が来ないことを願う。
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