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話しことばの通い路Workshop for Nipponianippon Communicative Language& Culture StudiesHAL-niwa LOFT

ポカポカ春庭 映画いろいろあらーな2007

2007日付 タイトル 監督 主演
01/02 アレキサンダー オリバーストーン コリン・ファレル
01/20 デイアフタートゥモロー ローランド・エメリッヒ デニス・クエイド
ジェイク・ギレンホール
01/28 旅の贈り物0:00発 原田昌樹 櫻井淳子 徳永英明
01/28 ゆれる 西川美和 オダギリジョー 香川照之
08/21 さくらん 蜷川実花 土屋アンナ
08/21 あかね空 浜本正機 内野聖陽 中谷美紀
09/28 ステップアップ アン・フレッチャー チャニング・テイタム、マリオ・ドリュー・シドラ
09/28 今宵フィッツジェラルド劇場で ロバート・アルトマン メリル・ストリープ リリー・トムリン
09/28 長江哀歌 ジャ・ジャンクー賈樟柯 チャオ・タオ、ハン・サンミン
09/12 フラガール(TV放映を録画) 李相日 松雪泰子 蒼井優
09/15 バベル A・Gイニャリトゥ ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット菊池凛子
09/15 あるスキャンダルの覚え書き リチャード・エア ジュデイ・デンチ、ケイト・ブランシェット
09/30 東京タワーぼくとおかんと時々おとん 松岡錠司 オダギリジョー 樹木希林 内田也哉子
09/30 しゃべれどもしゃべれども 平山秀幸 国分太一 香里奈 森永悠希
10/18 こんばんは 森康行 見城慶和 秋元伸一 
10/25 ボンボン カルロス・ソリン フアン・ビジェガス 
10/25 フランシスコのふたりの息子 ブレノ・シウヴェイラ アンジェロ・アントニオ、ジラ・バエス、マルシオ・キエリンギ
11/08 俗物図鑑 内藤誠 巻上公一 南伸坊 四方田犬彦
11/08 椿山課長の7日間(TV放映) 河野圭太 西田敏行 伊藤美咲
11/10 かもめ食堂(TV放映を録画) 荻上直子 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
11/23 風の絨毯(TV放映を録画) カマル・タブリーズィー 榎木孝明 柳生美結 ファルボー・アフマジュー
12/28 レミーのおいしいレストラン ブラッド・バード
12/28 恋とスフレと娘とわたし マイケル・レーマン ダイアン・キートン、マンディ・ムーア
12/30 プロヴァンスの贈り物a good year リドリー・スコット ラッセル・クロウ 、マリオン・コティヤール
12/30 厨房であいましょうEden ミヒャエル・ホーフマン ヨーゼフ・オステンドルフ、シャルロット・ロシュ

アレキサンダー
2007/01/02

 西洋と東洋の文化をつないだというアレキサンダー大王の東征。その歴史スペクタクルとあらば、見たいと思っていたけれど、公開時にはさんざんな悪評で、3時間近い長さを映画館で見ている時間も作れないしで、ついに映画館で見なかった。お正月テレビ地上波放映をビデオにとってやっと見ました。
 映画のなかでは「アレキサンドル」という発音になっていた。

 アレキサンダーの側近としてともに戦い遠征してきたプトレマイオス(アンソニー・ホプキンス)がふるさとエジプトで、アレキサンダーの伝記を語り、書記官に書き取らせている。
 紀元前356年マケドニア王フリッポス(ヴァル・キルマー)とアキレスの血をひくというエピロテ(ギリシャ北西部)出身の王妃オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)の間に一子アレキサンダーが生まれる。しかし、権勢欲の強い妻オリンピアは、夫から妖女と呼ばれ遠ざけられてしまい、母は己の権力欲を息子に託す。

 父が選んだ王子の家庭教師はアリストテレス。アリストテレスは王子に東方の広大な大地について教えた。プトレマイオス、ヘファイスティオンらとともに、アレキサンダーは世界について学んでいく。
 成長したアレキサンダー(コリン・ファレル)は父への反発もあり、かつ父の夢をかなえることで父を越えたいという思いも持っている。そしていつまでも息子を愛情によって支配したいと欲する母のもとから逃れたいともおもっている。
 アレキサンダーは、幼なじみの親友ヘファイスティオン(ジャレッド・レト)を誰よりも愛している。

 ペルシャ王ダレイオスとの戦いに勝利し、バビロンを手に入れてからはバゴアスというペルシアの宦官バゴアスBagoas(フランシスコ・ボッシュFrancisco・Bosch・元バレエダンサー)を愛人にしたといわれている。ボッシュはなかなか妖艶で、ゲイによる人気俳優投票があったら新人王に選ばれそう。

 世継ぎを得るため、山岳民族の王女にしてアレキサンダーの正妃 ロクサネ(ロザリオ・ドーソン)
を正妃にする。母親の望んだギリシャの姫を妻にしなかったのは、母への愛憎によるのだろう。
 ペルシャとの戦闘シーンやインドのジャングルでの象軍との戦いシーンは、婦らトーンを撮ったストーンらしい迫力だった。

 けれど、3時間の放映中、途中眠ってしまったころもあった。ビデオだったので、巻き戻してストーリーを確認したけれど。
 話の途中で突然「話は8年前にさかのぼる」となって、父親の暗殺シーンが入るのだけれど、なぜ突然の回想なのか、さっぱりわからん。歴史物語を歴史の順序にしたがってすすめても、何の問題もなく、時間を巻き戻した効果は何にもなかった。

 「映画を興行的に成功させたいなら、5分おきにセックスと暴力シーンをいれろ」が鉄則だというのに。
 暴力=戦闘シーンは、最初のペルシャダレイオス軍との戦いシーンとインド象軍団のシーンのほかはあまりないし、セックスは、ロクサネとの暴力的初夜シーンくらいで、アレキサンダーと宦官バゴアスのベッドシーンは、アカデミー賞を意識して、最初にカットされてしまったのだっていうし、これじゃ、3時間もちこたえられなかった人が「失敗作」っていうだろうね。

 でも、私は、ファランクスというマケドニアの重装備歩兵の集団戦法がどんなものか、映像で見ることができただけでも、「はい、歴史のおべんきょになりました」とストーンを拝みたいし、バビロン入りするアレキサンダーの凱旋シーンも、サンシャインのオリエント博物館で見た遺物や遺跡写真が生きて動いているのを見られて嬉しいし。
 アレキサンダーがでてこなくたって、背景ロケシーンをつないだだけでも3時間見ていられるだろうな。途中で居眠りはさんだとしても。

2007/01/20
デイアフタートゥモロー

 暦は大寒。気象予報では最高気温8度。寒い。
 2DKに石油ファンヒータ一個。音頭調節がうまくいかず、ちょっと使うと、ファンヒータ内の温度があがり、温風がとまってしまう。
 寒々とした身体とさむざむとした心で、アメリカが凍り付く映画を見た。

 封切り公開は2004年6月。地下鉄の駅にでっかいポスターが張られていて、そのうちテレビ放映されたら見ようと思っていたら、2006年11月にテレビ放映があり、録画しておいた。
 息子も娘もこのテの映画は見ないので、ひとりで見る時間がなかなか作れなくて、冬休みもすぎてしまい、結局今日になった。

 災害パニック映画としては、竜巻も津波も、マイナス100度の低温で、一瞬にしてすべてのものが凍結するってところの映像も、実際には出会えない恐怖を目の前で疑似体験できるってCGだけでも見ておく価値がある。

 2004年にこの映画が封切られて、「京都議定書」を批准するには、カネが、、、などと言っていたのが、3年たっても、まったく状態は変わっていないってところが、さらに恐ろしさを増しているのかも。
 あさっては、すぐそこ。と、言っても、科学的には、このように一瞬にして氷河期っていうことは、一瞬にして日本全体が海底に沈没と同じくらいアリエネー話だそうだけど。

 映画の人間ドラマとしては、「やっぱりパパはすごいよ。ちゃんと約束守ってぼくちゃんを助けにきた」ってところは、まあ、アメリカ映画なんだから、そうなるだろうと思うので、ストーリーは、二の次でいい映画なのかもしれない。

 主人公のジャック・ホールは、ニューヨークに取り残された息子を助けるために、古くからの同僚を犠牲にしてまで、徒歩で雪中行軍を行う。
 「息子と約束したから」というのだけれど、実際のところ、他者を巻き込んで自分の父親としてのプライドを押し通した、と言える。
 現実には、最終的に救出のヘリコプターがきたのだから、オトンは、無理して雪中行軍せずに、このヘリに乗って息子を救出に向かえば、旧友を犠牲にする必要がなかった。

 映画的に「父による救出」が必要だったっていうだけで、ストーリーはスカスカ。
 京都議定書の話をドキュメンタリーで描いたとしても、ヒットはせず、人々は見向きもせずに安心してせっせとCO2を排出しつづけるのだろうから、この「父と子」物語は、必要なのだろう。

 で、映画がヒットして3年たったが、京都議定書を批准したのか、アメリカは?NO!う〜ん、やっぱり自由の女神が凍結してみないと、わかってはもらえんのね。
 日本政府は、夏に半袖きて「クールビズ」だの、冬に厚着して「ウオームビズ」だのとちんたら言ってないで、いちばん有効な行動は、アメリカに批准を迫ることだろうに、そんなことする政府じゃありませんって。

 冒頭の東京の雹が頭上を襲ってくるシーン、「サヌい」だの「オートツョップ」が出てきて、笑える東京シーンだった。

2007/01/28
旅の贈り物00:00発

 山陰あたりにあると思われる架空の町「風町」。中国地方各地のロケ地をめぐって、ひとつの町にしている。町並みや景色がきれい。
 JTBかJRのコマーシャルフィルムとして作られたのだろうと思う。
 旅のCM「遠くへいきたい」の映画版。
 主題歌は中森明菜が唄う『いい日旅立ち』で、挿入歌は徳永英明のうたう『時代』

 大阪を00:00に出発する「行き先は秘密」の夜行列車。夜行といっても寝台車はない。「EF58マイテ」という「幻の名車」を復活走行させた特別仕立ての夜行です。

 5人の「それぞれワケあり」の乗客が乗り込み、終点の架空の町、風町で数日をすごす間のできごとを描いた「ハートフル」というキャッチコピーがついている映画。

 だから、ハートフルが好きな人にはオススメのハートフルな映画だし、今時、このたぐいの「ハートフル」はJRのコマーシャルフィルムの中にしかないよお、と思う人にはすすめない。

 年下の恋人に浮気されたキャリアOL、櫻井淳子30代代表。
 女優として成功しシンデレラガールになろうと思って退屈な田舎から大阪に出たものの、結局「イメクラのセーラちゃん」でいるしかなかった黒坂真美20代代表。
 母親と意思疎通もなく自分の存在意義がみつからない高校生。仲間がほしくて自殺掲示板の誘いにのって集団自殺にでかけようとしていた多岐川華子10代代表。

 家庭では妻にも娘にも無視され会社からはリストラされたサラリーマン大平シロー、仕事人間で、妻に死なれるまで妻をかえりみることもなかった退職者細川俊之。
 鉄っちゃん青年20代は、ぜんぜんストーリーにはからまなかった。

 旅人を迎える風町の住人は。
 3年前に都会の大学病院から町の診療所へ自らやってきた医者徳永英明。
 元船大工の老夫婦梅津栄と樫山文枝。
 特定郵便局の配達をしている局長まもなく80歳、大滝秀司。
 借金で夜逃げした息子から、孫の世話を押しつけられたお婆ちゃん正司歌江。

 風町には若者の姿がない。
 この町を描くなら、なぜ若者がいないのかってとこを描くほうが映画としては面白いだろうに、「老人たちが心あたたかく、平和に暮らしてます」っていうほうだけを選んで、ま、定石通りの出来事がいろいろあって、最後は皆「大切なもの」をみつけて、櫻井淳子はどうやら徳永英明と結婚するもよう、っていう「ハートフル」なストーリー。

 だから、ハートフルでハートウォーミングなお話なんですからってことで。

(『旅の贈り物』感想文つづき)
 あくまで清潔な心正しい映画であり、徳永と櫻井のキスシーン(?)が、なんと「櫻井が背伸びして徳永の胸にもたれる」という、「つま先立ちの大写し」でおしまいになった。ひきの遠景シーンすらなかった。

 いったい、どんな文部科学省選定映画やねん、と、小学生でもツッコミをいれそうな。
 映画初出演の徳永にキスくらいさせてやれや、と思ったけれど、きっと青少年の健全な発達に心をくだく神父さんが、町で唯一の映画館乙女座に乗り込んで、キスシーンを検閲して全部切り取ってしまったんだね。そう、風町乙女座パラダイス

 一番うそっぽかったのは、ハワイ行きの荷物がつまっているはずの旅行用キャリーバック。
 櫻井淳子がガラガラひっぱるでっかくて白いキャリーバックが、いかにも、「空っぽで中に何も入っていません」てのが見え見えだったこと。
 重いキャリーバッグを運んだことのある人には、ガラガラの移動具合で、すぐに重さの見当がつく。
 自社製品のローションやらクリームやらをごっそり運んでいたらしいのに、そんな重たいものがつまっているようには全然見えなかった。

 櫻井がロケ先で、「こんな重たいのをひっぱって町中歩いたら、ほんとに靴擦れできちゃうじゃないの。大女優のおみ足に傷がついたら、どうしてくれるの!」と、ぶーたれたのかもしれないし、「きれいな女優様がひっぱるんだから、重くしたら申し訳ない」って監督が自発的に中の荷物を空っぽにしたのかも知れない。

 櫻井淳子が運んでいるキャリーカート。「恋人とハワイで過ごすはずだった荷物がぎっしり入っている」という設定なのに、ごく軽そうに見えてしまう。
 荷物が何も入っていなそうな薄っぺらさ空っぽさかげんが、この映画の立ち位置を象徴してしまうってこと、監督には気づいてほしかった。
 風町でのできごとが、「いかにもいかにも」の、うそっぽい安い設定に見えてきてしまうのだ。

 いいじゃん、しょせん旅にあこがれる人向けの観光促進ファンタジーなんだから、という考え方もあるのだろうけれど、この「旅に担う鞄の重みという嘘」は、案外重要な気がする。

 あえてキャリーカートを空っぽにしたいのだったら、大阪駅でハワイ行きの水着とか日焼け止めローションとかを全部ごみ箱に捨てるシーンをいれてほしかったし、最後に車掌の石丸謙二郎に「空っぽだった鞄にたくさんの思い出を詰めることができたでしょうか」くらいのクサイ台詞を言わせてほしかった。

 映画を見終わって、ギンレイホールの窓口のおっちゃんに「すみません、先ほど預かってもらった、黒いキャリーバック、おねがいします」と、声をかける。おっちゃんは、映写室に入って、バッグをもってきた。

 重い。小さいキャリーバッグだけれど、姑から渡された林檎と八朔となめたけ瓶詰めとポタージュ缶詰とその他もろもろが入っている。姑に「うちじゃ食べきれないから、お宅にお裾分けしたいのよ。取りに来てね」と言われて受け取った食品。

 せっかくの日曜日に、わざわざ重いのを受け取りに出かけたくはなかったが、姑は、荷物の受け渡しを口実にして話がしたいのだろうから、「はい、じゃ、林檎いただきに伺います」と、よい嫁を演じた。そのストレス発散のための映画見物。

 歩道の敷石のでこぼこで、バッグはガラガラと派手な音をたてる。お、重い!生活の重みが、、、林檎やなめたけ瓶詰めをひっぱって歩く。歩く。
 ああ、どこか行き先不明の夜行にでも乗って、旅にでたいよ。

 おっと、JR観光促進のコマーシャル、効果をあげているゾ!


2007/01/28
ゆれる

 西川美和、2作目でこれほどもちあげられちゃって、大丈夫か、と思いつつ斜めに見始めたのだが、ほんと、思った以上によかった。女性だからって持ち上げられているワケじゃなかった。

 これまで、香川照之の「はいはい、東大卒はそうやって、演技を組み立てるワケね」というこれ見よがしの演技に入り込めないときもあったのだが、『ホテルビーナス』のアル中医者と同じくらいに素直に見られた役柄かも。
 主演男優賞とってほしいな。

 もちろんお目当てはジョー様だったが、こっちは「相変わらず、お美しいっす」という感じ。
 7年後のシーンで、部屋はずいぶんと荒廃していたのだけれど、ジョー様は7年前より素敵になってしまった感じがして、ここは、部屋と同じくらい荒廃している感じのほうが良かった気がする。

2007/08/21
さくらん

 ギンレイカードで『さくらん』と『あかね空』を見た。
 カードをわたすとき、夫は「あかね空はいいけれど、さくらんは、失敗作だなあ」と、評していたが、夫の映画評論はあてにならん。私は『あかね空』より『さくらん』のほうがよほどおもしろかった。

 「さくらん」は、色がきれい。監督は蜷川の娘。才気は感じたが、まだまだ当分は「蜷川の娘」という認識で、蜷川パパが吉本隆明みたいに「ばななの父」と、娘の名を冠して呼ばれるまでには時間がかかるかも。

 ただ、原作の安野モモヨの連載が中断したままなので、シナリオもラストが中途半端。お花のなかに逃げておわりじゃあ、あんまりです。

 ここは壮絶吉原折檻場面と、ころがる半死半生生死不明の躯ふたつ。ちょっと腕が動いて、ふたつの小指が指切りげんまんしているのがのぞいているむしろの上に、桜吹雪がふりしきる、という場面で終えて欲しかった。ま、私はそういう通俗場面が好きなんですから。

 とにかく、安藤政信と永瀬正敏という二大ニュアンス系出演と言うだけで、私はオールOK。プラス浅野忠信、オダギリジョーが出ているのなら、もう、これは、大傑作と褒め称えるところだけれど。とりあえず、安藤、オダギ、浅野、のうちひとりが出ている映画なら、全部傑作。スター主義です。
2007-08-25 10:23:02 |

2007/09/28
今宵フィッツジェラルド劇場で

 ロバート・アルトマンの遺作、メリル・ストリープ姐さんはじめ、みな楽しそうにえんじているところが、よかったけれど、アルトマンはもっともっととりたいものがいっぱいあったんんだろうなあ、と思います。

2007/09/28
ステップアップ

 ステップアップは、よくあるダンスサクセス・ビルドゥングスムービーですが、振り付けがよかった。そしたら、監督は、これが初作品の女性振付家でした。ダンス映画は、ダンスが出てくるだけで、私は十分楽しめる。

2007/08/26
長江哀歌
 
長江哀歌
<haruniwa BBSから転載>

 土曜夕方5:15分前に全席指定のチケット勝ったときには、もうほぼ満席。
前から3列目しか空いていなかった。ちょっと見上げる角度になったけれど、心配したほどみづらくはなかった。

 右隣の足長にいちゃんは、ひとりで見に来ている映画マニア風。左隣の初老夫婦は、50歳以上ペアならひとり1000円のチケットを買ってた。

さ て、見終わって、タイトルクレジットがはじまると、マニアは、クレジットの一字も見落とすまいと目をこらす。
場内あちこちからは、「れれれ、これで終わり?」という2人連れがかわした声が漏れ聞こえてくる。

 これ、やっぱり、「映画は美男美女がでて、波瀾万丈があって、涙と笑いがあって」と思ってふたりで楽しもうと思って映画館にやってくるカップルには向かないんじゃないかしら。

 私は、「この青っぽい画面は、キタノっぽこち」と思っていたら、クレジットに北野事務所とあったので、なんだか、色合いについては納得して出てきました。
2007-08-26 13:55:19 | ページのトップへ |

三峡好人
haruniwa
日本語タイトルの『長江哀歌』は、ちょっとしめっぽいかなと思っていたら、原題は『三峡好人』英語タイトルは『STILL LIFE』だった。

原題を生かして「三峡の善人」「三峡のお人好したち」なんてタイトルでもよかったろうし、英語から「静物ーーどっこいまだ生きてるよ」なんてのもいい。
『スティル・ライフ』について、「静物」と訳したんじゃ、意味不足。英語の原語の意味「まだ生きてる」っていうのが、いい感じ。

主人公は特別美女でもない、ジャ・ジャンクー映画ヒロインと、全然美男じゃないジャ・ジャンクーのいとこの韓三明で、役名までそのまんま韓三明。

他の出演者、みんな地元のなまりがきついなあと思ったら、地元の素人をつかっていた。なるほど。方言のせりふが生きてる。
2007-08-26 14:09:11 | ページのトップへ |

STLL LIFE
haruniwa
ストーリー上の主人公は、美女じゃない沈紅シェンホンと、美男じゃない韓三明ハン・サンミン。
だけど、映像の主役は、ゆったり流れる長江と、長江の中に沈んでいく村と、解体される町の家屋、工場。瓦礫の山。

河っていうのは、時間や歴史や人々の暮らしの流れを暗喩するし、瓦礫の山は「壊す人」の破壊のエネルギーと悲しみを暗喩する。
「記号」のおやくそくが満載の画面。

川辺に立つ、モニュメントみたいな大きな建物がロケットになって空へあがっていくのは、「どんだけぇ」って感じで、ようわからんかったが、解体作業で作られる瓦礫の山や、廃止されてさびついた工場のたたずまいは、とてもよかった。

「廃墟趣味」の人には、おすすめの作品だ。
「戦場のピアニスト」のワルシャワ爆撃後の廃墟が静謐な美を演じているのに対し、奉節フォンジェの今まさにハンマーでたたき壊している最中の廃墟は、荒々しい破壊のエネルギーに満ちた相貌を見せている。よろしかねー。

沈紅の夫の軍隊時代の親友王東明ワントンミンが西漢時代の遺跡を掘っている。
遺跡が時間の流れのなかにさらさて、白い骨になっているのに対して廃墟は、血と肉の記憶がころがっている分、遺跡のながめとは全然ちがう。

ラストで、廃墟ビルがダイナマイトで崩れ落ちるシーン。「発破趣味」の人、必見。

三明が戻っていくのは、山西省の違法炭坑。一年に10人も死人が出る炭坑へ行こうとして、男たちは河を下る。
死ぬのはだれかほかの10人であって、自分は一月200元の稼ぎを手にする方と信じて。

三明の若いダチ、お調子もんのマークが、瓦礫に埋もれて死に、毛布をかけた死体がゆっくり河を下っていくように、男たちは三峡を下っていくだろう。

下ったさきには、また、壊すべきなにかがあるのだろう。たぶん。

私が付け足したかったラストシーン。

「三峡を下っていく船の中で、三明は、マークから教わった手品を皆に披露する。

白い紙が「毛沢東の肖像画がついた元のお札」に変わる。
三明は、お札を船から河へ流す。

毛沢東は、ダムの建設によって水底に沈む村の前をゆっくり流れていく。
毛沢東ははしだいに色がうすれ、ゆっくりと白い紙に戻っていく、、、、。


2007/11/08
俗物図鑑
 
 内藤誠『俗物図鑑』を見てきました
と、言いたいのだけれど、『俗物図鑑』半分だけ見てきました。

 私の特技は、早口早飯早キーボード打ち。
もひとつ早業。早寝付き。3分目をつむっているとソッコー寝付く。

 11月8日の東京方面に向かう京浜東北線の車内。仕事を終えて、週刊文春読んでいたら、目がしょぼしょぼしたので、目をつむった。もうすぐ荒川を越えて東京に入るから寝てはいかんと思ったのだけれど、寝てしまった。
気づいたら東十条も王子も過ぎ、田端になっていた。

 「ま、いいか」と思って上野へ。博物館か美術館、ぐるっと一回りすれば、なんか面白そうなミモノがあるでしょうと思ったので。

 国立博物館の前に一角座のポスターがあったので、見ることにしました。筒井康隆原作内藤誠監督『俗物図鑑』
原作のあの紙上のはちゃめちゃを、どこまで画面でハチャメチャにできるのか、興味がわいた。

 とにかく出演者がすごかった。
巻上公一南伸坊大林宣彦四方田犬彦竹中労手塚真、、、、通行人役のエキストラではなく、みな台詞入りの主要キャスト。

 しかし、山城新伍扮するゲロ評論家がゲロ鑑定をはじめるシーンで、ゲロに弱い私、吐き気がしてきた。こりゃイカン、と目をつむって、そのシーンがおわるまで画面は見ないようにしていたら、、、、映画は半分終わっていた。

 後半、梁山泊の攻防あたりから見た。
原作の最後、壮絶な死に方がひとりひとりに与えられている。頭蓋骨から脳漿を吹き出したり、胴体がまっぷたつに切断されたり、筒井お得意のスプラッターコメディが展開するはずが、ロック演奏しながら背景に花火があがるという安上がりな画面になっていた。

 わざわざ上野まできて、50席の館内に4人しか観客がいないという東京のまんなかで、得難い空間に身をおきながら、やったことは熟睡かと思うと、内藤誠に申し訳ない気がするが、後半見ていて、紙上のハチャメチャを超えてはいないと感じてしまった。

 そう感じるのは、全部みていないからかもしれない。かと言って、もう一度見たとしても、ゲロのシーンで目をつむって、またねてしまうかもしれず。

 原作出版は1972年出版で、35年前。私が文庫版を読んだのは1976年。いまだ浅間山荘事件が人々の記憶に新しく、ベトナム戦争が「現在進行中」の出来事だったから、この作品の風刺性が飛び抜けていたのだと思う。
人々がまだマスコミの公平性を信じており、マスコミ報道は真実を伝えていると思いこんでいた時代だったからこその風刺。

 1982年制作の映画を25年後の2007年に見たからインパクトが薄れたのか、映画のハチャメチャが文庫のハチャメチャにまけたのか。

 印象が一番強かったのは巻上公一や南伸坊の画面映えするスゴイ顔。四方田犬彦が俳優としても毒がありそでなさそでいい味出していたのに、今ではすっかり明治学院教授でおさまっているのは惜しいとか、そんな感想。

 う〜ん、もう一度みるべきかどうか悩む。私は根っからのケチだから、お金を払って入場した映画館で寝ることはほとんど無いので、寝てしまったのでもう一度お金を払って見直したという映画は『めぐりあう時間たち』だけだ。これは、もう一度見て良かった。
有楽町で夕ご飯にビールを飲んで、予告編の『パイレーツオブカリビアン』の幽霊たちが怖かったので、予告編だから見なくてもいいやと思って目をつぶったら、そのまま熟睡。『めぐりあう時間たち』は、半分以上おわっていた。それで、もう一度見た。

 もう一回、一角座に見にいくのなら、筒井康隆トークショウのある17日にしようかと思うし。

(出演者リスト)
巻上公一 マキガミコウイチ (小口昭之助(口臭評論家))
南伸坊 ミナミシンボウ (風巻扇太郎(盗聴))
入江若葉 イリエワカバ (平松礼子(贈答))
栗林由美子 クリバヤシユミコ (沼田峰子(万引))
山城新伍 ヤマシロシンゴ (片桐考太郎(反吐))
伊藤幸子 イトウコウコ (杉沢亜香(火事))
山本晋也 ヤマモトシンヤ (城亀吉(出歯亀))
上杉清文 ウエスギキヨフミ (本橋浪夫(横領))
牧口元美 (芥山虫右衛門(皮膚病))
朝比奈順子 アサヒナジュンコ (歌川華子(性病))
添田聡司 ソエダサトシ (羽根田俊也(墜落))
大林宣彦 オオバヤシノブヒコ (九十九八十八(自殺))
海琳正道 (平戸源五郎(麻薬))
安岡力也 ヤスオカリキヤ (西条圭一(パーティ))
黒岩秀行 クロイワヒデユキ (雷門豪介)
珠瑠美 タマルミ (雷門比呂子)
春田逸美 ハルタイツミ (バーのママ)
北川れい子 キタガワレイコ (瀬戸子)
村川英 (風巻夫人)
四方田犬彦 ヨモタイヌヒコ (片眼)
竹中労 タケナカロウ (大屋壮海)
飯田孝男 ハンダタカオ (航空会社職員)
末井昭 (平松景太)
吉田京子 ヨシダキョウコ (主婦連代表)
興石悦子 オキイシエツコ (俗悪番組追放同盟代表)
小野靖子 オノヤスコ (全国PTA協議会代表)
沢木慶端 (テレビ司会者)
手塚真 テヅカマコト手塚眞 (Xマン)
奥山京子 オクヤマキョウコ (猿子)
松田政男 マツダマサオ (機動隊々長)
石上三登志 イシガミミトシ (映画評論家)



2007/11/10
かもめ食堂
 
 テレビ深夜放映を録画しておいて見た
 ほんわか、やさしい映画。寂しい人や悲しい人はでてくるけれど、悪い人はでてこない。
 もたいまさこの旅行鞄から出てきたきのこ。探していた自分の居場所が黄金色にかがやく。いいな。
 
 「コピルアック」の呪文も。現実社会では300グラム5万円する貴重コーヒー豆だというけれど、ようは、それくらいおいしいコーヒーになりなさい、と心をこめて淹れるってことかな。

2007/11/23
風の絨毯

 テレビ録画をみた。三國連太郎が演じた中田金太の実話をもとに日本イラン合同制作。15回東京国際映画祭特別招待作品。
 イスファファンと飛騨高山の観光を兼ねて楽しめる。

 初恋に胸ときめかす少年ルーズベ。サクラに思いを伝えたい。
 「日本語で僕はりんごが好きって、どういうの」と、アクバルにたずねた。アクバルは「なぜ?」とたずねる。「りんごが食べたいんだ」と答えたルーズベが教えてもらったのは「私はりんごが食べたい」
 母を亡くした少女サクラがやっと笑顔をとりもどしたころ、ルーズベはいっしょうけんめい言う。「私はサクラが食べたい」 

 フィンランドですごす3人の日本人女性の話、イランの絨毯作りにたちあう日本人親子。どちらもどうということもない、ストーリーというストーリーはない話の展開なのだけれど、ほのぼのしてくる。

2007/12/28
レミーのおいしいレストラン

 フルCGのアニメ。
 話は単純でディズニーらしいハッピーエンド。キッチンというのは、いつでもいいテーマだなあ。

2007/12/28
恋とスフレと娘とわたし
 「Because I said so」

 女手ひとつで娘3人を育て上げた母親ダフネ(ダイアン・キートン)が、縁遠い末娘ミリーの結婚を画策した末に、自分も再婚し、再婚相手の息子と末娘も結婚。めでたしめでたし。

 面白かったのは、ダフネがミリーに「オーガズムって、どんな感じ」と、おずおずと聞くところ。早くに夫をなくしたという設定ではあるが、娘3人生んでも、一生オーガズムを知らずに生きている女性がアメリカにもいるのだと知った。アメリカ女は、夫がそれを与えてくれなければすぐ離婚すると聞いたから、3人も生んだのに、知らないままの女性がいたとはびっくり。

 ダフネも再婚相手からは、たっぷりと味あわせてもらったのでした。めでたしめでたし。


2007/12/30
プロヴァンスの贈り物a good year

 単純で楽しいラブコメディだった。
 億の金を動かして儲けまくるビジネスより、のんびりワイン畑を育てる生活を選ぶってのは、定石どおりかもしれないけれど、マリオンがかわいいから許す。


2007/12/30
厨房であいましょうEden

 おでぶなもてないコックと、夫との冷え切った仲をなんとかしたいと思っている平凡な母親エデン。夫の店のウェイトレスとして働くことにも、知的障害のある娘を育てていくことにも、希望がない。

 コックのグレゴアがエデンにしてやれるのは、ただおいしい料理をふるまうことだけ。
 行き違いが重なり、不幸がおとずれたけれど、ラストシーンではもう一度エデンがグレゴアの店に食べに来て、そして今度はおそらく料理を食べる以上のつきあいがはじまるだろうということをほのめかして映画は終わる。

 食べることが幸福、という食のしあわせを画面にきっちり出したという点では出色。



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