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ポカポカ春庭 ことばと文化2007 英語の歌のタイトル発音 

日付 ・  英語の歌のタイトル発音

以下の文のチェックどころ
この文を読む人は、「ずいぶんと底意地の悪い、イヤミな書き方をした文章である」と感じるかどうか。
このような文章を書く春庭は、意地の悪い人間であるとおもうかどうか。
つまり、私の本質がイジワルでいやみなにんげんであることがばれるかどうか。

文のなかだけでも、「いい人のふり」をしていたいのに、人様からイジワル人間と思われるのがと〜てもいやなの、わたし。


英語の歌のタイトル発音
2008/03/14
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>英語の歌のタイトル発音(1)アルコールの正しい発音

投稿者:mitsuba
ラジオを聴いていて思うのですが、和製英語でなく、明かに英語をまじえるときにも、例えば英語の歌のタイトルなども、アナウンサーが正規の発音をしないで、母音を加えた日本流英語で発音するのは、非常に耳障りです。正しい発音をしてよ、とこちらで言い直していますが・・。 (2008 2/23 21:39 )

mitsubaさんのbbsへの春庭投稿(2008-02-28 16:43:00 )

 JR,都営地下鉄、東京メトロ、それぞれ車内で英語アナウンスが流れます。私は、東京メトロの車内案内が一番好きです。なぜなら、日本の地名を日本の発音で案内しているからです。

 日本の車内放送なのに、たとえば、「横浜」という地名をアメリカ人が言うように「ヨーコ、ハーマー」と、アクセントをつけて、「ハ」のところを強調していうことはない。
 私の考え方では、日本では、地名人名は日本の発音でいいし、曲のタイトルをいうときに、英語のタイトルであっても、英語風にいわずに、カタカナ日本語で十分だ、と思っています。

 曲のタイトルも、日本語の放送の中で紹介するときはそこだけ英語発音で「では、次にお送りする曲は、West side Story」と言わなくても「ウエストサイドストーリー」と、言ってよいという考え方です。

mitsubaさんが、「アナウンサーが正規の発音をしないで、母音を加えた日本流英語で発音するのは、非常に耳障りです。正しい発音をしてよ、とこちらで言い直していますが」と、お思いになるのも、ひとつの考え方だし、私が、「日本での発音は日本風英語、日本風ドイツ語でかまわない」と思うのも、また「ことばへの多様な考え方のひとつ」で、いいのではないでしょうか。

 mitsubaさんにとって「正しくない英語の発音」が、耳障りである、ということ、理解できます。mitsubaさんは、英語をしっかり学んできた方だからだと思います。

 でも、たぶん、mitsubaさんは、会話やラジオの放送のなかで「アルコール」とか「アルカリ」などのことばが聞こえてきたとき、それが「正しくないアラビア語の発音」をしている単語であっても、気にとめないのではないでしょうか。

 すでにアルコールもアルカリも日本語外来語になっているからという理由もありますが、もともとアラビア語の正確な発音を知らないからです。

 つまり、自分が学んだことのある英語については正しい発音を意識し、学んだことのないアラビア語については、いいかげんな発音でも気にしていない、ということになる。

 だったら、ウエストもサイドもストーリーも「日本語になっている外来語」と考えればいい。「West side story」と、「正しい英語の発音」でなくても「ウエストサイドストーリー」と、日本的発音のタイトルコールでかまわない。
 他の英語の歌のタイトルも、「日本語として紹介する」のであれば、「英語の正しい発音」をしなくてもいいと、私は考えています。(2008-02-28 16:43:00 )

<つづく>


2008/03/15
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>英語の歌のタイトル(2)ウエストサイドストーリー

mitsubaさんから返信をいただきました。ありがとうございます。
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mitsuba
これは、考え方の問題というより、感じ方の問題ですが、私のように感じられる方のほうが少ないかもしれないとも思っています。日本という英語の環境の乏しい場での、英語教育寄りの立場からの感じ方なのかもしれません。

例に挙げられている「ウェスト・サイド・ストーリー」のように日本語になっている名詞的英語の場合には、私も違和感はありませんが・・

具体例が挙げ難いのですが、例えば、新しい英語の歌の紹介で、題がセンテンスになっているような場合も、わざわざ原語を日本式英語読みにしていることに、とても違和感を感じます。

この感じ方が正しいとか、みなさんにそう感じて欲しいとかという問題ではありません。
もう、英語は英語のままでいいでしょうと感じる者がいるということに過ぎません。

公共放送で、アナウンサーの大部分は英語の達者な人が多く、出来ないことを要求しているわけではないと思いますが、きっと公共放送の審議会の担当部署も、英語を日本式に発音することを是としているのでしょう。

私は私個人の感じ方を書いているに過ぎませんので、よろしくご理解ください。(2008-02-28 19:07:37 )
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という、返信。

 「英語は英語のままに」というmitsubaさんの考え方も、「なまりがあっても平気」という春庭の考え方も、それぞれ自分の感じ方を大切にしていけばいい、ということは確認できたのではないかと思います。

 「正しい発音してよ」と感じることも、ひとつの感じ方であり、そう発言することも自由です。

 私が言いたかったことは「正しさ」は、ひとつではない、ということ。
 「自分は正しい側にいる」と思ったときに、自分の側ではない人を「正しくない」と非難し抹殺してしまうことがないよう願っている、ということです。

 mitsubaさんの立場は、もちろん「自分は自分の感じ方を大事にし、人の考え方もあることを理解する」という私の立場と、異なるものではないと思っています。

 <つづく>


2008/03/16
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>英語の歌のタイトル(3)Bテキを愛さずにはいられない

mitsuba
コメントを書きながら、20代の頃、しばらく私の部屋に同居していた学友のエピソードを思い出しました。
彼女は英文学専攻で、東京へ来てアルバイトをしながら高校の教員採用試験を目指して勉強していたのですが、レストランのウエイトレスをしていたとき、オーダーを伝えるのに、“Beefsteak”と言ったら、「Aテキか Bテキか!」と怒鳴られてしまった、と帰ってきました。
当時、私は外資系勤務で英語が日常でしたので二人で大笑いしました。TPOを忘れてネイティヴまがいは確かに迷惑ですね。
ただ、彼女も英語をカタカナ読みにすることには、私以上に抵抗があると言っていました。(2008-02-29 11:37:01)

 英文学専攻だったmitsubaさんのご友人も英語をカタカナ読みにすることは、抵抗があるとのことですね。
 その方も、しっかり英語を学ばれて、英語が得意な方なのでしょうね。

 外資系勤務で英語が日常だったmitsubaさんも、英文学専攻のご友人も、ネイティヴのような発音を得意とされ、「ビーフステーキ」は、ネイティブのように発音できる。
 私が、「日本語の中で使用される外来語や和製英語が日本的発音でも気にならない」という感じ方であるのは、もともと英語発音が不得意だったせいもあるのでしょう。

 正しい発音の「Beefsteak」を、「Bテキ」と聞き取るような者たちに出会って大笑いだったというエピソード、「よい発音の英語を聞き取れない耳」を笑われる側にいた私には、せつなくなるお話です。私も、ずいぶんとおかしな聴き取りをしてきたのだろうな。

 私は、「聞き取れない耳」の立場でしたから、英語得意な人たちが「ネイティブまがいの発音」をしているときも、「カタカナ風英語に抵抗がある」とおっしゃるときも、日本語風の発音で「ビフテキひとつ」と注文したいです。

 どんな発音であれ「ビフテキ」が好きですし、「Bテキか!」と言ってオーダーを受け取る「ネイティブの発音がわからない」厨房の人々をも、愛さずにはいられない。

 mitsubaさんは、長年教育に携わり、勉強が得意でない子たちにもよりそってこられた方と思います。
 わたしのような「英語落ちこぼれ」の気持ちもわかってくださると思いますし、違う感じ方をする者もいることに、ご理解いただけると思います。

 受験英語にとっては話が違うこともわかります。
 mitsubaさんが、受験英語教育の場において、「たったひとつの正解」を教えていくご苦労も、たいへんなことと思います。

 ちまたに「日本式アクセントの英語」が氾濫していることによって、英語学習者の発音がなかなか「正しく」ならないことに残念なお気持ちを抱かれることもあるのだとおもっています。
 なにしろ、私たちは、AテキBテキの世界で生きてるので。

 ちょっとでも文法を間違えても、発音記号をまちがえても、点数がなくなる受験英語と、現実のコミュニケーションはちがいます。
 ラジオ放送中の曲名紹介は、受験の場ではなくてコミュニケーションの領域なので、私は「日本語風タイトルコールでいい」と感じたまで。

<つづく>


2008/03/17
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>英語の歌のタイトル(4)アイ・キャント・ストップ・ラビン・ユー

 私自身は、「文法が標準的英文法でない英語があってもいいし、発音がクイーンズイングリッシュやワスプイングリッシュと同じでなくても、コミュニケーションの場ではさしつかえない」という考え方をしています。
 アイリッシュなまり、アメリカ南部なまり、黒人ナマリも、いいと思うし、シンガポールで人々がシングリッシュを使っているなら、それでいいじゃないか、と思っています。

 mitsubaさんが「公共放送のアナウンサーには英語が達者な人が多く、センテンスになっている英語のタイトルを正しい発音でいうように、と要求するのはできないことではない」と考えることも、英語が得意だった方なら、そうお感じになるのも当然と思います。それぞれの立場で感じることでよいと思います。

 考え方感じ方は、人それぞれでよい、ということに関しては、mitsubaさんも私も一致したと思います。

 「新しい英語の歌の紹介で、題がセンテンスになっているような場合も、わざわざ原語を日本式英語読みにしていることに、とても違和感を感じます。」
というのが、mitsubaさんの感じ方であり、そのような感じる方がいることは理解はできます。
 
 同時に、「センテンスになっている英語のタイトルだろうと、カタカナ読みで違和感がない」という私の感じ方も、これはこれでいいと思っています。

 新しい歌ではありませんが、たとえば、レイ・チャールズRay Charles(1930〜2004)の歌「 I Can't Stop Lovin You 」というセンテンスになっているタイトルの紹介をするときを想像してみます。

 「では、次は、レイ・チャールズの歌で、アイ・キャント・ストップ・ラビン・ユー」と、日本風発音で紹介したとき、レイ・チャールズは、「なんていう発音だ!」と、笑うでしょうか。BeefsteakをBテキと聞いてしまう人を笑うように、へたな発音を笑うでしょうか。

 レイは、盲目の黒人歌手として世界的に有名になる前は、つらい時代をおくりました。黒人ナマリをからかわれたこともあったでしょう。

 日本なまりの発音で「アイ、キャント、ストップ、ラビン、ユー」というセンテンスの曲名が聞こえたとき、レイはけっして「耳ざわりだから、正しい発音で紹介してよ。アナウンサーなんだから英語が達者な人がいるでしょう」とは、言わないのではないでしょうか。

 英語が不得意で「正しい発音」ができなくても、私は、レイの歌を「愛さずにはいられない」し、多様なことばのひびきを、アイ・キャント・ストップ・ラビン・ユー。

 私はわたしの感じ方で、「地方ナマリのある日本語」「外国語なまりの日本語「日本語なまりの英語」「トルコ語なまりのドイツ語」などなどの「多様なことばのひびき」を愛していこうとおもっています。

 ことばの発音にも「多様な考え方受け取り方」があるということ、mitsubaさんのコメントのおかげで、いろいろ考えることができました。
 コメントを引用してよいとの許可を、ありがとうございました。

 最後に、レイチャールズの「アイ・キャント・ストップ・ラビン・ユー」をおききください。カタカナ発音の紹介で、申し訳ないですが、レイの歌声はすばらしいです。

http://www.youtube.com/watch?v=FN_O8Nq_gJI

<おわり>
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もんじゃ(文蛇)の足跡:
 この一文は、「アントニウスのブルータスを褒め称える演説レトリック」の、応用練習のために書かれました。mitsubaさんに感謝いたします。
 mitsubaさんは、公明正大、高潔な方です。



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