陶器はどこでつくられた?
ギリシアはご存知の通り地中海に面したヨーロッパの国で、イタリアの東、東欧諸国の南に位置しています。陶器はギリシア本土だけでなく、エーゲ海の島々、さらにはギリシアからの移民が住んでいたイタリアや小アジアなどの地中海沿岸地域の各地で作られました。その中でも盛んだったのは現在のギリシアの首都となっているアテネを中心とするアッティカ地方で、その陶器は六世紀ごろからその品質が優れていたことと、アテネがギリシアの政治・経済面において重要な位置を占めるようになったことでイタリア半島のエトルリア人の都市を中心に地中海全域へ輸出されるようになりました。
このほかではアテネの西、交通の要所にあたるコリントス、古代にはアテネと対抗しうる勢力を誇ったスパルタを中心とするラコニア地方、アテネの北に位置するボイオティア地方、キオス島やレムノス島、タソス島、ロードス島、クレタ島などのエーゲ海諸島、さらには南イタリアのアプリア地方、ルカニア地方、カンパニア地方、パエストゥム市、シチリア島などでも優れた陶器が作られました。