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以上に挙げた地域のほかには、まずアテネ市民も住み、アテネ以外で唯一白地レキュトスの出土するエレトリアがある[1]。この地域ではアテネの製品を模倣した黒像式や赤像式の製品が出土するがその数は少なく、品質も高いものとはいえない。その中でもアテネの国立博物館が所蔵する二点のレベス・ガミコスは優れた製品といえる。このほかのギリシア各地でも地域的な生産は見られたが、いずれも二流の作品である。
このほかコリントスやラコニア、クレタ、カルキディケ地方などではごくわずかながらアッティカを模した赤像式陶器が生産されていた[2]。
[1] |
エレトリアの黒像式陶器については、Boardman,
J., "Pottery from Eretria",
BSA 47, pp.1-48, Boardman,
J., "Early Euboean pottery
and history", BSA
52, pp.1-29, Ure, A. D., BSA
55, pp.211-217, BSA 58,
pp.14-19, BSA 65, pp.265-270,
BSA 68, pp.25-31参照。赤像式陶器は、Gex-Morgenthaler,
K. , McPee, I., "The painter
of the Eretria cup: a Euboian
red-figure vase-painter",
AK 38, pp.3-10, Gex-Morgenthaler,
K., "An Eretrian lekythos
in Oxford", OJA
5, pp.371-373参照。 |
[2] |
コリントスの赤像式陶器については、Herbert,
S., The red-figure pottery:
Corinth VII, iv, (1977),
Stillwell, A. N. and Benson,
J. L., The potters' quater:
The pottery: Corinth XV, iii,
(1984)参照。ラコニアの赤像式およびその他の地域については、McPhee,
I., "Laconian red-figure
from the British excavations
in Sparta", BSA 81,
pp.153-165参照。クレタの赤像式陶器については、Cook,
B. F., "Cretan red-figured
lekythoi", BSA 85,
pp.69参照。カルキディケの陶器については、McPhee,
I., "Some red-figure vase-painters
of the Chalcidice", BSA
76, pp.297-308参照。 |
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