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Wild Goat Style
カリア地方において、Wild Goat
Styleは古代のミュラサの近郊、Damlibogazの墓地から出土したものが主である[1]。その中にはイオニア南部の初期の例もあるが、カリアにおいてこれを模したものが作られるのは600年頃からで、それまでは亜幾何学様式が続いていた[2]。その空間充填文は大型で、饅頭型の文様が特徴的である。この地方ではWild Goat
Styleが六世紀の中頃まで続いていたようで、その頃に流行していたフィケルラ式との中庸的な陶器も作られている。
最も多く作られたのはクローバー型の口縁部を持つオイノコエであるが、丸い口縁部を持つオイノコエのほか、アンフォラや脚付きのプレート、ディノスやスキュフォスなども作られた。上塗りされた化粧土は茶色っぽく、装飾には紫も用いられたが、白は使わなかった。その出土状況から見るとミュラサを製作地とするのが妥当かもしれないが、決定的な証拠はない。
[1] |
Damlibogazの発掘については、Cain,
H. -U. (ed.) "Fstschrift
f殲 N. Himmelmann" (1989)のJ.
Boysalの論文参照。 |
[2] |
カリア製の陶器については、Cook,
R. M. "A Carian wild goat
workshop" OJA 12 (1993),
pp.109-115、Cook, R. M. "East
Greek Pottery" (1997),
pp.63-66 参照。 |
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