ギリシアでは古くから人物をかたどった像が作られてきました。その大きさは手のひらに乗るようなごく小さなものから、ロドス島の港に建てられたヘルメス像のように数十メートルを超えるものまで様々でした。

 またその素材も大理石をはじめとする石材や青銅、木材や象牙、さらには粘土などが用いられています。

 ここではクレタやミュケナイの青銅器時代にはじまり、幾何学様式時代、アルカイック時代、古典時代を経てヘレニズム時代にいたるまでの、粘土から作られた小型の、いわゆるテラコッタ像について述べて行きたいと思います。