1.サッカー・セリエA観戦
フィレンツェで地元チーム「フィオレンティーナ」の試合を観戦した時に撮った写真です。
楕円形のスタジアムでは長い直線部分は高額な席(VIPもいる)なので、熱いファンで
ある若者を中心とする大衆ファンは両端の丸いカーブの部分(イタリア語で「クルヴァ」)
に陣取ります。イタリアでは映画や美術館は文化政策のせいか、大抵1万2千リラ(約6
百円)程度で見れるのですが、サッカーはクルヴァでも3万リラ(約千5百円)弱かかり
ます。やはりメジャーなスポーツなんだと思います。
試合開始になると、熱いファンは発煙筒を焚いて自分たちのチームの歌を歌ったりします。
クルヴァと直線部分の間の狭いスペースにアウェイで来ている敵チームの応援席があり
ます。地元ファンとの間には機動隊が待機し、写真でも分かるように空席部分を設け、
両者間に物理的な距離を置いています。高いフェンスもあるのですが、わざわざ小銭な
どを高い弧を描くように投げて、敵チームのファンにぶつけます。ヤジはあらゆる汚い
言葉を使うのですが、「ユダヤ人!」「中国人!」というのが敵チームへの侮蔑に使わ
れたりするのは、人種差別感情の本音が露呈している感じがして、快くありません。
機動隊自体が人数多く一列になって座っているのが壮観ですが、試合中何度も行き過ぎ
たファンをなだめに動いていました。
贔屓チームを追いかけてイタリア中をめぐる熱心な「追っかけ」ファンも少なくなく、
そうした人たちを乗せる特別列車(古くて地味な車体を使い、比較的安価で乗れる)が
出ます。98年のシリーズでは、南部のチーム「サレルニターナ」のセリエBへの降格が
決まった夜、地元に戻る帰途の特別列車の中で、やけくそになったファンの一部が車内
で火をつけ4人が死亡するという事故がありました。さすがにそのときはイタリア中で
行き過ぎたサッカー熱を反省する声が挙がり、アウェイの応援はやめようという意見も
出ました。なお、こうした列車の中ではアルコールや麻薬(ハッシシ)がつきものです。
ある駅でこの種の列車を見ましたが、無骨な若者のファンが奇声を挙げたりしていて、
雰囲気的に絶対乗りたくない感じがしました。
スタジアムの外には、応援グッズや土産物を売る屋台、ホットドックなど食べ物、飲み
物の屋台がたくさん出ています。応援グッズなどは結構値が張ります。
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