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『ハロウィン』
【感想】 ★★★☆ H21.2.11

 ジョン・カーペンターの代表作にして、今も撮り続けられている殺人鬼映画の先駆けというか、そのジャンル自体を確立させたホラー映画の金字塔『ハロウィン』を観る。その後のホラー映画に多大な影響を与えたこの作品を、昔TVで見て以来で、ずっともう一度見たいと思っていたところの、TSUTAYAの宅配レンタルで見つけて早速予約。この映画を見れただけで、会員登録した甲斐があった(^^)

 15年前のハロウィンの夜、実の姉を包丁で刺し殺した少年マイケルは、ある精神病院に収容されていたが、雨の降る夜、車を奪い脱走する。。マイケルをずっと監視し続けていた担当医ルーミスは、その異常性から必ずまた殺人を犯すと保安官に警告し、彼の故郷ハンドフィールドへ向かう。一方ハンドフィールドでは、女学生ローリイが家の近くでマスクをかぶった不気味な男の姿を目撃する・・・。

 暗闇に浮かび上がる白いマスクと、恐怖を掻き立てる音楽(もちろんカーペンターの作曲&演奏)。そこには今時の血しぶきも残酷描写もなく、画面の奥の方でぼんやりと映りこむブギーマンの不気味さにただただ恐怖する。オープニングの殺人鬼目線で家の周りを徘徊するシーンを始め、数々のホラー映画が参考にしたであろう恐怖演出は、今見てもまったく色あせることなく、上がっていく心拍数が心地いい。いかにリアルに、そしてショッキングに殺人を見せるかということを追求するあまり、吐き気をもよおすような最近のホラー映画には無い、ある種風格さえ漂う正統派ホラーのオーラの力を感じる。ジョン・カーペンター好きには絶対に外せない、ホラー映画の大傑作なのだ。

あとこのDVDに収録されていたメイキングがとても良かった。低予算で大ヒットした話やら、カーペンター監督やジェイミー・リー・カーティスを始めとしたキャストのコメントもなかなか聞き応えがあったが、一番面白かったのが、あのブギーマンが被るマスクを、赤鼻のピエロにしようか採用されたあのマスクにしようか考えたというエピソード。あのマスクは実はスター・トレックのウィリアム・シャトナーだったんだって。しかもそれにした理由が、特徴が無くて不気味だったなんて(笑)

ヒロインを演じたジェイミー・リー・カーティスは、本作が映画デビュー作となり、しばらく絶叫女優のレッテルを貼られてしまうんだけど、出演作を調べてみたら、ハロウィンって2本ぐらい続編を作ってたと思ってたけど、その後も何本も作られてたんだなあ。それにまた彼女が出演してたっていうのも驚きなんだけど、何が驚いたって2007年にはこの「ハロウィン」のリメイクが作られていたとは知らなかった(さすがにこの作品にはジェイミーは出てなかった)。たぶん今時のスプラッターになってんじゃないかと思うけど、んん〜・・・、やっぱ見ないだろうなあ(^^;)